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☆映画感想:オッペンハイマー:科学者の在り方について考えた


今後は映画や美術館に行った感想もつぶやいてみようと思う。管理用に映画のときはタイトルに「☆」をつけることにする。

ポスター


「オッペンハイマー」

当初は見に行くのを躊躇っていた。
原爆礼賛映画なのでは、取材が甘いのでは、1円も落としてはならないのではと思っていた(これはパールハーバーなどを観に行ったときの経験などが背景の心理としてあったように思われる。日本側の司令部は出で立ちが中華風で、文明がないような描き方をされており、あまりにも思い込みの要素が強く何をみせられているのだろうかと当時感じたものだった)。

しかし、家族が見に行って色々考えたと言っていたり、SNSで感想をupする人がちらほら目につくようになったりと、次第に行かねばならないという気持ちを強くして決行。

感想は色々あるが、予想に反して抱いた一番の気持ちは
「もし自分があのときの物理学者だったら、どうする?」であった。
おそらく技術的には実現可能である。
戦争を終わらせるために必要である。
この爆弾がいくら人を殺そうとも、戦争が終わるほうがいいと考えられている。
しかも、使うかどうかは政治家が決めることで自分には責任がないと言われている。
そうこうしているうちに、他の国が先に作るかもしれない。

などなどをふまえると、やはり殺戮兵器の開発に関わってしまうかもしれない。
それが自分たちの生存を守ると考えられているし、政治的・時代的背景の後押しもあるし、そして何より科学者としての好奇心や功名心を止められないんじゃないか。
さらにそこへ、為政者としての好奇心も加わる。
使ってみたい、露を牽制して政治的に有利になりたい。どうせやらねば他がやるだけだ。

あの場に置かれたら、どうする?、結果を知っていながら同じ行動を取らない自信はないし、だからと言って逆らえば消される。なんとか兵器を開発せずに終わらせる方法はなかったのか?
そう問いかけられているような気持ちであった。


本当に戦争を終わらせるためなら、1つ落とした時点でやめたらよかったのに。
ウラン型もプルトニウム型も落としている。
背景には有色人種には何をしてもいいと思っている、人体実験したいなどの思惑もあったのだろう(なお、忘れちゃいけないのは日本だってひどいことたくさんした、今尚でてくる証言はえげつない)

私達はこれまで起こったことをもっときちんと反省して、次の世代に生かさねばと益々思う。
今現在起こっていることだって無関係じゃない。
強い武器を作ればもっと強い武器が作られるし、片方から武器を供与したらもう片方も別の国から武器を供与されて戦争は止まらない。
でも、開発をやめたら今度はやられる。
露と宇のことについて、とある元日本兵が露兵に非常に同情的に語るインタビューをみてはっとした。命令で行かされて爆弾の的になって肉の壁、確かに元日本兵と類似した構図だ。
なぜ日本は軍部が暴走して、国民があんな悲惨な目にあったのか。どうやったら止められたのか。より被害を少なく集結させるために、どんな戦略的な終わらせ方を取り得たのか。もっと知りたい。
私達は殺し合うために生まれたんじゃないはずと思いたいし、とめられない好奇心、集団心理をコントロールする、その先の方法を考えたい。
(最近のSNSなどのエコーチェンバー交換とかにも繋がる話かも?)


これからオッペンハイマー見る人へ

  • 事前背景の知識があったほうが分かりやすい、ブログ多数あり

  • 特に、白黒は過去じゃなくて、別の人の視点からみたという演出である

  • キーワードはセキュリティクリアランス、赤狩り

  • newsweekの特集よんでたら、事実とはここが違うよなどと書かれていたので見る際は注意

  • 相変わらずあの手のエロスは必要性がよくわからない


少し話題はそれるが今後の思考のメモ
科学者の好奇心の話
できるからって他人の子宮で子供育てていいのか?
人工子宮で兵士を大量生産していいのか?
臓器を売買して移植していいのか?
異性になりたいから、性器を作ってつけていいのか?
「技術的には可能です」はやっていいのか?
一度やったらもとに戻せのか?
もたらす結果をどう受け止めるのか、やるならどう規制するのか。
最近ではAIでその話題がよくでる(死者にしゃべらすAIなど)。
これからどんな世の中になるんだろう。

追記:4/21
読みやすいように語句を補足、構成を変更

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