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1ヶ月半ぶりの乗馬

夫のたかしさんの最後の記録を
自分のために残そうと思って書いたのですが
これは私だけではなく
たかしさんの記録でもあるので
故人とはいえ本人の尊厳のためにも
公開すべきではないのでは、
と思い直しました

とはいえ同じような状況で悩み模索する
(主に延命治療に関して)
がん患者家族に知って欲しい話でもあったため
最後の記録だけは公開はせずに
次の投稿で有料記事として投稿することにします

興味のある方はご覧いただければ幸いです


さて、今回は私自身のことについて。
夫が亡くなったのが2月2日
2月中には自分の気持ちに
一旦はケリをつけて
3月にはなんとか仕事に復帰しよう、
と思っていたので
そのためには今の自分に対して
この状況を受け入れさせる必要がありました

亡くなって本当にいろんな感情が
浮かんだり消えたりするのですが

一番私を落ち込ませている要因は
何だろう、と考えたとき
一番大きい感情は
「絶対大丈夫!」と信じて2人で戦った
1年間が報われなかったこと

あんなに辛い思いをして頑張ったのに
全部無駄だった、と感じるのが
一番の虚無感というか
(無駄ではないよ、という励ましは
亡くなった後では何の励ましにもならないので
お控えください)

想定していなかったわけではないけど
現実として受け入れがたい事実

今まで、不可能と言われても
常に信じて突き進んで
不可能を可能にしてきた人生でした

それでもどんなに全力で戦っても
勝てない戦いがあるということを
頭ではわかっていても
身をもって経験することの辛さ

そんなたかしさんが亡くなって半月を過ぎた頃
介護による筋肉痛や生理痛、
ストレス性の蕁麻疹なども重なり
私の体はあちこち痛みが出て
まるで産後のようにボロボロでした

正直、心はもう何かを
能動的にしようという精神状態ではなく
できればずっと部屋にこもって
ダラダラと寝ていたい気分だったのですが

3月には仕事を再開しなければいけないのに
このままではいけない、と思い
1ヶ月半ぶりに馬に乗ることにしました

天気はずっと悪かったのですが
その日はひさびさの馬に乗れるような
良い天気でした
予報を見ると、今日を逃すと
しばらくはまた雨マーク

雨の時に馬に乗るほど
メンタルが回復していないのは
わかりきっていたので
今日やるしかない、と
自分を奮い立たせました

ひさびさに馬に乗ろうとすると
休んでいたのはたった1ヶ月半だったのに
驚くほど体が重くなっていて
1回で馬の上に乗れませんでした

「これではまずい」と
無理せずまずは馬場内で
基本的な常歩からウォーミングアップ

硬くなっていたのは体だけではありませんでした
やはり乗馬とは精神のスポーツであると
つくづく感じました
体の硬さは心の硬さ
私の心が、ゆとりがなく小さく縮こまって
のびのびとした動きができなくなっていました

でも、ホースセラピーという言葉があるように
背中を伸ばして前を向いて
馬の上で柔軟さを意識しつつ
常に馬の体の動きに注意を払い
目の前のことに集中しているうちに
少しずつ自分の本来の精神状態を
取り戻していくように思えました

なんとか速歩まで少しリラックスして
できるようになってきたので
スタッフを連れて牧場の周囲を外乗しました

外乗はやはり難しいことを考えずに
シンプルに馬に乗ることに向き合える
とても良い時間でした

馬にとっては
メンタルが不安定な私を乗せるのは
決して楽しくはなかったかもしれませんが
その日は自分のリハビリのために
乗ると決めていたので、馬にも協力してもらい
自分を見つめ、自分のやるべきことが
しっかり見えた良いリハビリになりました

やはり、心を整えるには
体から整えるのが大切

たかしさんには最後馬に乗る夢を
叶えてあげられなかったけど
私が馬に乗るのをやめてはいけない

6歳の長男は今漫画ブームで
たかしさんの「銀の匙」を熱心に読み
「また馬に乗りたい」と言い出したので
そろそろ子どもたちも
ちゃんと乗せてあげたい

私自身も、まずはしっかり自分を整えつつ
「あるべき自分」を取り戻し
その上でまずは家族やスタッフから、
そしてやがて心の余裕が生まれたら
ようやくお客様を乗せていけるようになる

そんな復帰のための道筋が見えたことで
無気力からなんとか脱出できそうです

乗馬は冬は天気にも左右されてしまうし
あまり体力の低下した状態で
馬に負担をかけたくないので
家でヨガなどもやることにしました

もし馬たちがいなければ
パートにでも出て
自分と子どもたちのことだけ
考えて生きていけば
それが楽なのかもしれません

だけどここまで頑張ってきたことを
途中で簡単に投げ出すことが
できなかったのもまた
馬たちのおかげであり
私の今前を向く
一番の理由であり原動力なのだと思います

ありがたいことに
私の周りの馬に関わる人たちは
みんな優しく活力にあふれ
常に誰かのために頑張っている人ばかり

私もそういう人たちの中で
そういう生き方をこれからも貫きたい

なかなか確定申告や農園作業などがあり
期限つきのやることが山積みなので
3月に入ってすぐに
ツアー再開は難しそうですが
3月の2週目ぐらいから
通常のツアーも再開を目標に
頑張っていこうと思います

ツアーに関しては
ウェブサイトとInstagramでお知らせ
することになると思いますので
そちらでチェックしていただけると幸いです














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