【Mother2】「ちえのリンゴ」の正体を考察する
はじめに(ネタバレ注意)
本稿はMother2,Mother3をクリアした人に向けたテキストになります。Mother1はパラレルワールド説を採用しているため、考察外となります。
作品を未プレイの方にはネタバレになる内容が含まれているので、ご注意ください。
(参考)
リゼ・ヘルエスタさんがMother1,23全シリーズのプレイ動画をあげています。
よかったら本稿の参考資料としてお楽しみください。
こちらの配信から本稿のスクリーンショットを撮影させていただきました。
Mother2 シリーズ
Mother3シリーズ
Mother1シリーズ(本稿では言及せず)
「ちえのリンゴ」と作中の違和感
「ちえのリンゴ」について
「ちえのリンゴ」は、Mother2において度々言及される、ギーグ軍に予言を与えたマシンである。ただし、作品中ではその外見や正体を表すことなく完結しているため「すぐれた科学力を持つギーグ軍にはそんなアイテムがあるのだな」くらいの印象を持っている人も多いだろう。
しかし、この「ちえのリンゴ」には微かではあるが、おかしな箇所が散見される。
違和感1「ギーグ軍からの信用のなさ」
作中で地球語を話すDXスターマン(司令官クラス)は、「ちえのリンゴ」を全面的には信用していない様子が窺える。
違和感2「タイムリープ技術と予言」
そもそも、ギーグ軍にはタイムリープする技術がある。タイムリープにどれほどのコストがかかるのかはわからないが、予言に対しての価値は現代ほど高くないはずだ。
にもかかわらず、ギーグ軍内部で採用されているのは、特別な精度を持つのか、特殊な情報を提供することができるのだろう。
作中の細かい違和感
以下は、私がプレイしていてゲーム中で細かい違和感をもったものだが、本仮説を元に作ったストーリーでは逆に違和感がなくなるだろう
なぜ隕石の周りのクレーターは空っぽで燃えていないのか
ライヤー・ホーランドは偶然お宝を発掘できたのか
「服を着た豚のようなもの」は本当にポーキーか
ポーキーはなぜ過去へタイムリープを行えたのか
「ちえのリンゴ」がポーキーを予言しなかったのはなぜか
突然現れたカラーマンとは誰なのか
「ちえのリンゴ」の正体
仮説
ここで私は「ちえのリンゴ」の正体は、Mother3エンディング後の「ぜったいあんぜんカプセル」に入ったポーキーであるという仮説を立てる。
この場合、ポーキーの目的は自らの消滅か自由のどちらかだろう。
目的A:自らの消滅
Mother2でギーグが敗れた瞬間、ギーグは圧縮されて消滅するようなエフェクトを見せた(ポーキーはその瞬間には居合わせなかったが、検証はできたはずだ)。不死となったポーキーだが、生命を終わらせるためにギーグのいる空間ごとの消滅に賭けたのかもしれない。
目的B:テレポート能力者のスカウト
外部からの攻撃を完全に受け付けない「ぜったいあんぜんカプセル」だが、Mother2にはPSIテレポーテーションが存在している。カプセル外にワープする可能性に賭ける発想を抱くことは自然だろう。Mother2時代の映像記録を残して鑑賞していたポーキーがネスたちのテレポーテーションを知っていても不思議ではない。
ただし、仮に誰かのテレポート能力を使用して「ぜったいあんぜんカプセル」から脱出した場合、ギーグと接触する必要はなくなる。
そのため、本稿では仮説Aを採用する。仮説Bが失敗したシナリオでは、仮説Aと同じ行動をとるかもしれない。
次項では仮説にのっとり時系列を書いていく。
仮説をもとにした時系列
前項の仮説をもとにMother3エンディングからのストーリーを追っていく。
便宜上、Mother3のポーキーをポーキー(未来)、Mother2のポーキーをポーキー(現在)と呼称する。
【Mother3】
エンディング後
・「ぜったいあんぜんカプセル」に入っているポーキー(未来)が洗脳の残っているブタマスクに指示し、アンドーナツ博士を脅迫して自らをMother2のネスの家の前の丘にタイムリープ(とワープ)をさせる。
【Mother2】
ブンブーン到着の数ヶ月前
・ポーキー(未来)とブタマスク、ネスの家の前の丘に到着。タイムリープ時の衝撃でクレーター(右下、左下)が発生する。
ブンブーンの使用したタイムマシンより高性能なため、隕石として残留物が残ることはない。
・ポーキー(未来)とブタマスク、ライヤー・ホーランドと接触。地中に宝が隠れていることを示唆する。
・ポーキー(未来)、発掘されたライヤー・ホーランド家の「マニマニのあくま」を経由してギーグ軍に精神的に接触する。
・ギーグ軍、タイムリープマシンを使用してポーキー(未来)を過去へ招聘。ブタマスクは現代ですることが残っているため、別行動をとる。
・ポーキー(未来)、過去の最低国へ移動。この際、ポーキー(未来)はカプセルの中身が人間であることがわからないように「ぜったいあんぜんカプセル」の窓を自らの血で隠すなどとする。この赤色とカプセルの球形から自らを「ちえのリンゴ」と呼称。
現代の地球ではオーバーテクノロジーの「ぜったいあんぜんカプセル」をみて、ギーグの信頼を得る(ギーグ軍の幹部には、外部の情報装置に疑義を抱いているものもいた)。
・ポーキー(未来)、現代への侵攻を開始するギーグ軍に助言を与える。
「マニマニのあくま」を過去のネス家付近に埋蔵するよう指示。
ただし、ネスの成長のキーマンとなる自分自身・ポーキー(現在)が抹殺されることを恐れ、ポーキー(現在)にはあえて言及をしない。
・ポーキー(未来)、ギーグ軍に気づかれぬようにギーグの精神破壊を行う。
・ブンブーン、10年後の未来から現代にタイムリープ。この時の装置が隕石となって丘に残留する。
ネスたちの冒険が始まる
・ブタマスク、ネスたちの冒険の終盤でどせいさんからタイムリープ一号を奪取。ポーキー(現在)と合流し、ポーキー(現在)を過去へタイムリープさせる。ポーキー(現在)がタイムリープマシンを扱えたのは、ポーキー(未来)→ブタマスク→ポーキー(現在)と操作方法を教えたため。
・ポーキー(未来)、ギーグが敗北しやすいように「ちえのリンゴ」としてポーキー(現在)にネスたちがテレパシー能力を持っていることを教える。
・ブタマスクは何らかの理由でポーキーたちと行動を別にする。
用済みとなったのか、洗脳が解けたのか、これが条件だったのか…
・ギーグとの最終決戦。ポーキー(未来)は計画通りギーグと一緒に消滅する
・ネスたちの魂が現在に戻る。
自由になったブタマスクはカラーマンとしてラードナ(Mother3の世界で美人と定義されている)と接触する
・ポーキー(現在)、いくつかの時空を経験した後にMother3の世界へ。ポーキー(未来)となり、Mother3のエンディングへ(以下ループ)。
終わりに
いかがだっただろうが。
ポーキー=ちえのリンゴ説は珍しいものではない気がするが、時系列でストーリーにしたのは初めてではないだろうか。
Motherシリーズファンの一考察だが、楽しめていただければ幸いである。