アラビア語を勉強している
「アラビア文字を読めるようになりたい」と思い、2024年初頭からかれこれ3ヶ月ほど、週に数回アラビア文字を勉強する時間を確保している。
キリル文字やハングル文字より先にアラビア文字に手を出すとは思っていなかった。
なぜアラビア文字に興味を持ったのか。
モロッコを旅して大変よい印象を持ったから。
何人かモロッコ人の友人がいるから。
モロッコで、アラビア文字がびっしり彫られた美しい建築を見たから。
その時いっしょにいたモロッコ人のベンさんに「これは何て書いてあるの」と聞いたら、「あまりに装飾的すぎて全部は読めないけど、とりあえずコーランに関すること」とのことだった。
3ヶ月の読み書き練習の成果として、今これらの写真を見ると、「なんとなくこの文字たちが書かれているんだろうな」ということがわかる。
アラビア文字は28種類しかないが、その文字が文/言葉の先頭に登場するか、途中で登場するか、末に登場するかで形が変わるのでなかなか手ごわい。
そして日本語で言うところの「め」「ぬ」「あ」、「ツ」「シ」「ソ」「ン」のように形がそっくりの文字もある。今なら文字の判別に苦労する日本語学習者の気持ちを深く理解できる。
ちなみに私のお気に入りのアラビア文字は"ت"なのだが、これは「t」の音である。ニコちゃんマークみたいでかわいいと思う。自分の名前に入っていないのがとても残念である。
アラビア文字学習のために購入した本にはいくつかコラムが載っており、その中で【インシャーアッラー】というフレーズについてのコラムがあった。
ここで登場するアッラーとはもちろん、イスラム教における全知全能の唯一神のことである。
【インシャーアッラー】を直訳すると、「もし神が望んだならば」なのだそうだ。
もしかして、我々もこれに似たような意味のフレーズをよく使っているのでは?
私のイスラム文化あるいはモロッコに関する一般的知識はほぼすべてベンさんに依る。やはりここでも彼にに聞いてみるべきであろう。
私「モロッコでも【インシャーアッラー】というフレーズはよく使われる?」
ベ「いつも使うよ。未来の計画なんかについて話すときによく使うね」
私「実現しないかもしれない計画にも使う?それともかならず起こるとわかっていることに対して使う?」
ベ「確実に起こることに対して使うね、あるいは起こってほしいこと」
私「関西人が誰かに誘ってもらって【行けたら行くわ】って返したら絶対にそいつは来ないっていうお決まりの流れがあってね、【インシャーアッラー】もその類の言葉かなと思ったんやけど…」
以下こんな感じの説明をした。(関東のみなさま、間違っていたらすみません)
関東人は誰かに誘われたとき、スケジュールを頭の中に思い浮かべて「(その日は忙しいかもしれないけど)行けたら行くわ」って言うか、「ごめん、その日は行けない」と答える。
関西人は行く気すらなくても最低限「行けたら行くわ」と答える。
ベ「関西人と同じノリで、来ないことがわかってても【インシャーアッラー】使っているモロッコ人もいるわwww」
おるんかーい。
ベ「全員が全員そうではないけどね」
イスラム圏の国であるモロッコと関西。ありとあらゆる面で異なっているが、ひとつ共通点を見つけたので、とても嬉しかった。
ちなみにベンさんは、テキストのやりとりでよく"Why God Why? (神様なぜ?)"というフレーズを使っていたのだが、私が簡単な日本語のフレーズを教えているうちに"Why Kamisama Why?"に変化し、彼自身が日本へ旅行したあとには"Nande Kamisama Nande?"と完全にアップデートされていた。
適応力の高さに感心する。