namikonicole

絵を描く人。 旅の健忘録。

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耳なしシロベエ(アルメニア)

アルメニア という国名を聞いて、これを読んでいる皆さんの心に、何が思い浮かぶだろうか。 私がアルメニアを行き先のひとつ選んだ最大の理由は「アルメニアについてマジで何も知らないから」である。 恥ずかしながら、私の頭の中のアルメニアについての引き出しに入っていたのは「System of a Downはアルメニア系アメリカ人のバンド」という知識のみだった。(かっこいいよね) ジョージアの首都トビリシからアルメニアの首都エレバンに入り、そこに数日滞在したあと、汽車でギュムリへ向

    • Holaで始まりخوياで終わる(モロッコ)

      モロッコでよく使われていた「خويا」という言葉が印象に残っている。 私はどこからどう見ても観光客であるので、レストランの呼び込み、観光客向けアトラクションの呼び込みにマア声をかけられること。 興味深かったのは、一緒にいたモロッコ人のベンさんが、なぜか8割ぐらいの確率でスペイン語で話しかけられていたことである。 一応彼は、フィリピンにいようがインドにいようがヨーロッパにいようがそれなりに現地の人っぽく見える顔立ちである。 アジア系の女を横に連れているので、まさかモロッコ人

      • そこらへんの犬、でもみんなの犬②(トルコ)

        カッパドキアで滞在した宿の看板犬。 バスを降り、宿を探して歩いていると、トルコにしては珍しく愛玩感の高いワンちゃん2匹が道端で遊んでいた。 宿にチェックインし、なんやかんや用事を済ませて散策に出ようとすると、フロントでさっきのワンちゃんたちが寛いでいる。 「さっき、この犬たち、そこらへんの道端で見ましたよ」と言うと、オーナーのおじさんの飼い犬だということがわかった。 私「散歩するとき、一緒に行かないんですか」 お「散歩って俺の?犬たちの?」 私「えーっと、犬の」 お「あいつら

        • そこらへんの犬、でもみんなの犬① (トルコ)

          以前、猫ちゃんについて書いた。 今回は、ワンちゃんについて書こうと思う。 正直なところ、猫ちゃんはどこに行っても大して大きさは変わらない。 ところがワンちゃんは違う。 タイから始まり、4か月かけてマレーシア、カンボジア、インド、ジョージア、アルメニア、トルコ、ブルガリア、ハンガリー、モロッコ、スペイン、フランスと回ったが、インドあたりで気づく。 「なんか犬でかくね?????」 そして、だだでかいのではなく、なんというか、こう…愛玩感が薄いのだ。野良ばかりで清潔感がな

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        耳なしシロベエ(アルメニア)

          アラビア語を勉強している

          「アラビア文字を読めるようになりたい」と思い、2024年初頭からかれこれ3ヶ月ほど、週に数回アラビア文字を勉強する時間を確保している。 キリル文字やハングル文字より先にアラビア文字に手を出すとは思っていなかった。  なぜアラビア文字に興味を持ったのか。 モロッコを旅して大変よい印象を持ったから。 何人かモロッコ人の友人がいるから。 モロッコで、アラビア文字がびっしり彫られた美しい建築を見たから。 その時いっしょにいたモロッコ人のベンさんに「これは何て書いてあるの」と聞いた

          アラビア語を勉強している

          そこらへんの猫、でもみんなの猫(マレーシア、トルコ、モロッコ)

          あなたは犬派ですか、猫派ですか。 旅を始める前は100:0で犬派だったが、今はどちらも同じぐらい好きだ。 実家にはミライという柴犬(やや凶暴)がおり、彼と離れて2ヶ月ほど。 モフモフを恋しく思う気持ちがピークに達していたタイミングでトルコとモロッコに2週間ずつ滞在したのが運の尽きであった。 ところどころで一緒に旅をしたモロッコ人のベンさんとは、旅の序盤、9月にマレーシアで一緒になったが、とにかく彼はそこらへんの野良猫や野良犬と触れ合うのだ。野良犬は時と場合によるが、野

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          十字を切るのに忙しい(アルメニア)

          イェレルク聖堂で15時過ぎまで絵を描き、駅に向かって歩き始めた。 1600年前の修道院はずっと見続けていられる。もっと長く滞在したい気持ちはあったが、行きと同様、首都エレバンとギュムリを往復している1日3本の電車をつかまえる必要がある。うっかり逃すと3時間ほど何もない駅で時間を過ごすことになる。それは避けたい。 後ろ髪をひかれつつイェレルク聖堂をあとにし、ただの田舎道と呼ぶにはあまりにもワイルドな道を歩き始めた。 行きと同様、こんな道を徒歩で移動しているアホは自分しかいな

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          偉大なんだろうな、ガンジス川(インド)

          ガンジス川沿いの街のひとつバラナシ(Varanasi)は、ヒンドゥー教の聖地である。ヒンドゥー教徒にとって、輪廻から解脫できるのでガンジス川で火葬されて遺灰を流すのが人生最大の幸福なのだという。 バラナシの別名は「大いなる火葬場」。 インドを訪れた日本人は旅の序盤で体調を崩す。そんな情報を見かけたが、それを運良く避けることができていた私は、宿を出て、客引きのおじさんたちを完全無視しながら、ガンジス川沿いの火葬場へ向かった。 ガンジス川沿いを歩くと、ガート(ghat)と呼ば

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          私と阪神淡路大震災

          "嫌でも"、染みついている。 誤解を恐れずに言うと、阪神淡路大震災が発生した1月17日は、そういう日だ。 もちろん、西宮市で生活している者として、思いを致さずにはいられない日でもある。 1994年生まれの私が、1歳になってすぐの出来事だった。 さすがにまだ物心はついていない。何も覚えていない。 私たち一家は当時、父の仕事の都合でアメリカのカリフォルニア州に住んでいた。 奇しくも阪神淡路大震災の発生するちょうど1年前、カリフォルニア州でノースリッジ地震が発生した。 このノ

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