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そこらへんの犬、でもみんなの犬②(トルコ)


カッパドキアで滞在した宿の看板犬。
バスを降り、宿を探して歩いていると、トルコにしては珍しく愛玩感の高いワンちゃん2匹が道端で遊んでいた。
宿にチェックインし、なんやかんや用事を済ませて散策に出ようとすると、フロントでさっきのワンちゃんたちが寛いでいる。
「さっき、この犬たち、そこらへんの道端で見ましたよ」と言うと、オーナーのおじさんの飼い犬だということがわかった。
私「散歩するとき、一緒に行かないんですか」
お「散歩って俺の?犬たちの?」
私「えーっと、犬の」
お「あいつらの行きたいタイミングで自由に出入りさせてるんだ」
私「そのまま逃げてしまわないんですか」
お「家はここなんだから、帰って来るよ」
飼い犬を散歩させるのではなく、飼い犬が散歩することもあるという知見を得た。

勝手に散歩するタイプのワンちゃん

翌朝。朝焼けを見ようと、朝5時頃起床し、宿を出た…
が、私がドアを開けたタイミングで、看板犬たちも外に出てしまった。
オーマイガー。
好きなタイミングで出入りさせていると言っていたおじさんの言葉を信じる(見て見ぬふりをする)か、彼らをすぐさま回収し室内に戻すか。究極の選択を迫られた。

しかし彼らの散歩コースも私と同じ方向のようだ。
結果的に彼らに先導される形で、目的地にむかうことになった。
どうやら彼らは、この時間に起き出す人間はこぞって日の出を見に行く、ということを理解しているようだった。


夜明け前

結局、彼らと、朝焼けが見える小高い丘まで来てしまった。
途中でなぜか他の野良ワンちゃんたちが次々と合流し、丘に着く頃にはワンちゃん8匹と人間1人の大所帯となっていた。意味がわからない。


なぜか途中で合流したワンちゃん


推定50キロのワンちゃんのヘソ天

宿の看板犬のうち1匹は、猟犬の血を色濃く受け継いでいるようで、視界に入る鳥すべてを追いかけ回していた。うっかり飛び出すと斜面を滑落する危険があるのだから絶対にやめたほうが良い。


もう1匹は、一緒についてきたワンちゃんたちが喧嘩を始めると、すぐさますっ飛んでいき仲裁に入る…というより煽りに徹するタイプのようだった。相手は超大型犬なのだから絶対にやめたほうが良い。


先導役と保護者

この頃になると、私には彼らの保護者としての責任感が芽生えていた。


すっかり我々の一味みたいになっている野良ワンちゃん

ちなみに、ワンちゃんたちがその日一番の大喧嘩を始めたきっかけは、1匹が見つけた「いい感じの棒」である。いい感じの棒を横取りしようとした1匹が全員から攻撃され、激しい取っ組み合いが始まった。横取りしようとした犬が斜面を転がり落ちていったときは、さすがに大きめの声が出た。しばらくすると戻ってきたが、そのあとはずっとおとなしかった。野良とて、喧嘩の原因は食べ物だけではないということを学んだ。


早起きは三文の徳

看板犬2匹と並んで見た朝焼けは本当に美しかった。
自然はいつでも私をがっかりさせない。

帰りも2匹と宿まで一緒に帰って、朝ご飯を食べた。
愉快な仲間たちのおかげで、寂しくなかった。

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