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あくまで米不足について書いただけ

 今日は青空。
 近頃は台風のニュースばかりだったし、曇りや雨の日も多かったから、久々に晴れてて気持ちが良いです。とはいえまだ暑い日は続きそうで、さっきも買い物に少し出かけただけで汗びっしょり。雨でも晴れてても、びっしょりには変わりないわけですね。

 そういえば、南海トラフ地震や台風の影響で米不足になっていて、スーパーなんかにもお米が並んでいない状況は俺も目にしたりしたわけなんですが、買い占め的な行為は良くないよねって震災の頃に勉強したはずなのになぜ買い占めたりするんだろうかという疑問はもちろんあるにせよ、何より俺が思うのは、
①災害で大変な時に、米を担いで逃げようとしとんのか?
②災害で大変な時に、米を炊こうとしとんのか?
という2点です。これどうなんと。
 先日、ひとり暮らしの友人が「どこにも米がない!」とLINEしてきました。当然俺は米屋ではないので「そうなん」という返事しか書けませんでしたが、結果的にこうして困ってる人は相当数いるわけなんです。そこで、人はどういう行動原理で米を買い占めるのか、少し考えてみました。

A:売ろうとしている
古来、日本では多くの人々が物々交換によって生活していたといわれています。その中でも特に米は通貨とほぼ同じような扱いをされてきましたし、貨幣経済が浸透してもなお、物々交換という文化は生き続けています。
 10数年以上前、ある関係性の薄い某音楽家から「ゲストで歌ってくれないか」と依頼されました。共通の知り合いもいたことと、スケジュールも近かったことから、あまり細かいやり取りをせずにOKしました。 色々とあって終演後、声をかけてきたその某音楽家から「ギャラの代わりにこれを」と小さな紙袋を渡されました。中にはよく知らない人のCDが2つほど入っていたわけですが、丁重にお返ししてそれ以降一緒に仕事をすることはありませんでした。事前に条件を確認しておかないと、こういう事もあるんですね。ああいう奴もいるんですね。
 あ。今書いた話は本題とは全く関係ありません。物々交換というワードからなんとなく思い出してムカついてきたので書いただけですが、災害時などは経済活動が難しい状況になり得るわけなので、物々交換を特に米で行おうという考え方には多少の共感はできるものの、やはりなんかそれって賢いって言わないよね〜という感情は否定できませんし、ちゃんとギャラ払えよ、お前とは友達でも何でもないんだからという思い出しムカつきは自分の問題なので心にしまっておきたいと思います。

B:土嚢としての二次的利用
形状・重量・性質、その辺りを鑑みると、土嚢としての二次的利用のアイデアは理解できなくもありません。浸水被害を未然に防ぐ手段としての効果を頭ごなしに否定できるものではないと思います。また、本来の用途とは違う目的で使われるようになった物は、案外身の回りに沢山あります。
 例えば、発毛剤として認知されている”ミノキシジル”というものがありますが、これもそういった物の中の一つです。
 1979年、アップジョン社という医薬品製造会社は高血圧症治療剤「ロニテン」を発売しました。しかし、多毛や発毛の副作用があることが分かり、成分であるミノキシジルに発毛効果がある事がわかりました。現在では発毛剤として知られています。
 ある程度の年齢の男性が"発毛剤"を例に挙げたりすると「なんだお前、発毛剤についてやたらと詳しいじゃないか。気にしてんのか?」という指摘があるであろうことは想像できますが、あくまで雑学的な知識なのであり、毛髪については全く気にしてはいません。抜け毛どころか、頭髪に白髪すらほぼ無い状態なので、その件については堂々と完全に否定させてもらいますが、先日、久しぶりに会った父がしっかりハゲており、
「面倒くさいけん、丸坊主にしてもらったっちゃん」
と、本当はハゲてるから丸めたくせに、あくまでもこれは散髪が面倒くさいからなのだという得意の二枚舌を濃厚な博多弁で披露してきたあの日から、自分もハゲるのかもしれないという漠とした不安があることは事実ですが、本件とは全く関係ありません。また、米袋を土嚢代わりとして使わなくとも、最近では水を使った土嚢、”水嚢”という物もあるそうです。使わない時にはコンパクトになりますし、そちらを購入して災害に備えた方が得策であると言えます。

C:心配したらお腹が空いちゃった
日常生活においてストレスを感じた際、食べる事で紛らわせようとする事があることは、多くの人が知ることだと思います。度を超えると摂食障害に発展する可能性もある危険な行為ではありますが、血糖値と多幸感の関連性については科学的にも証明されていますし、災害の可能性を前にして過度にストレスを感じた結果、「米をいっぱい食わねば」と考える人がいる可能性も否定できません。
 しかし、ストレスを飯で解消しようという発想は、いかがなものか。確かに直接関係のないものでストレスを解消しようとしたり、気分転換をしようとする気持ちは分かります。海外旅行も然り、ナイトプールも然り。ですが、一時的に気分転換ができたとて、現にある問題が解決なされなければ、元の木阿弥ということも多々あります。覚えないとならない曲は覚えなければならないですし、ブッキングしなければならない出演者はブッキングしなければならないですし、調整しなければならないスケジュールは調整しなければならないのです!まあ今日は置いといても良いよねなどと甘えた事を考えている人間には、催促の連絡に戦々恐々とする日々が待っているのです!!必ず!!だからどう考えても心配したらお腹が空いちゃったなどという考えは捨てるべきですし、今週末までにやろうなどという考えも捨てるべきなのです!!


 米を買い占める人の行動原理について色々と考えてみましたが、これ以上現実的なものは「乾飯(ほしいい)を作って備える」くらいしか浮かびませんでした。幻想的なものとしては、「大量に米を捧げる事によって行う災害回避の神事のため」とか「米のりを使った自宅の補強」とか「災害とかは関係なく米ブーム」なども考えはしましたが、節操無い割に弱いですし、あざといだけでむしろ鼻について面白くもなんともないじゃないかと思ったわけなので、上記の3つとさせてもらいました。

 でも実際どうなんでしょうかね?例えば南海トラフ地震の被害が大規模だったとして、急いで避難しないとなんない時に米を何キロも担いで行くなんてどう考えてもおかしいですし、事態がどうなるか分からない不安定な状況でガスを使って米を炊こうとしてるというのも、何だか変だなあという気がします。確かに農林水産省の示す備蓄用食料のリストに「米2kg×2袋」とあります。しかし同時に、常備食料を備蓄用に回しつつ普段から多めに家に置いておこうねという「ローリングストック」という方法も推奨されています。当然消費期限のある使わない米を一時的に買い占めて、何の意味があるというのか。普段から多めにストックしておけば米不足になんてなんないだろうにと思うわけです。
 とはいえ、災害の備えはしとくに越したことはないですからね。それはそれとして。


出典①:ミノキシジルと血圧


出典②:災害時に備えた食料ストックガイド(農林水産省)

https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/attach/pdf/guidebook-13.pdf


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