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大河「独眼竜政宗」の思い出

『麒麟がくる』がしばらく休止ということで、先日「独眼竜政宗」のダイジェストが放映され観ました。
33年前、当時小学5年生の僕は家族で毎週観入っていたことを思い出しました。

幼少期の梵天丸の子役のアホ面具合が当時の僕と似ていると親父が言っており、僕も少しでも親父の機嫌を取ろうと少しアホっぽく、、、

「梵天丸もかくありたい。」

とモノマネすると親父はケラケラ笑い喜んでいたことを覚えています。

また、政宗の父の輝宗(北大路欣也)が敵にさらわれて、政宗(渡辺謙)に対して〈政宗、わしを討て!〉と命じます。渡辺謙さん、北大路欣也さんいずれも鬼気迫る演じぶりで、まさに手に汗握るシーンでした。

最終的に政宗は、発砲を命じるのですが、その時の『撃て!撃て!』という渡辺謙の狂ったような演技が子供の私に胸を打ちました。
そこで何を血迷ったのか、学校のクラスで狂ったように『撃て!撃て!』と僕がモノマネしてみたのです。
その迫真の演技が意外にうけて、クラスメイトはゲラゲラ笑ってくれたことも今でも覚えています。

岩下志麻演じる実母の義姫に毒殺されそうになるシーンも給食時間に、
「は、、母上、、。」
と、苦しむ様子をマネした記憶もありますが、さすがにドンびかれて残念な結果となったことをおぼろげに覚えています。

1987年というのは国鉄が民営化されJRが生まれました。
また、安田海上火災がゴッホの「ひまわり」を高額で落札した事を皮切りに円高を背景にした外国の有名絵画の購入ブームが始まり、まさにバブル絶頂期であった年でもあります。

バブル絶頂期の大河ならではの配役もすごいです。
豊臣秀吉に勝新太郎、徳川家康は津川雅彦、最上義光に原田芳雄と豪華絢爛です。
女性俳優陣も竹下景子に桜田淳子、沢口靖子、秋吉久美子、政宗の正室愛姫の少女時代は後藤久美子が演じるなど改めて振り返るとすごいです。

平均視聴率が39.7%。最高視聴率47.8%とものすごい数字を獲得できたのは、ジェームス三木さん脚本が良かったからだと思います。

まさにバブル経済が生み出したモンスター大河ドラマを少年期に観れたことは幸運でした。

最後に、司馬遼太郎の短編にもなっている伊達政宗が晩年に作った高名な詩をご紹介します。

馬上少年過ぐ
世平らかにして白髪多し
残軀(ざんく)天の赦すところ
楽しまざるをこれ如何(いかん)せん

ちなみに「伊達男」の言葉の由来は政宗からきていることはご存知のことでしょう。
月をかたどったユニークな眼帯だけでなく、豊臣秀吉公が朝鮮出兵をした際に、伊達政宗が京都の街を行進する豪華な軍装が注目を集め、その際「いだて」→「だて」→「伊達男」と呼び方が変わっていったそうです。

遺言でも両目を肖像画に描かせるように命じたように、政宗は外見に対する鬱屈とした思いを、人とは違った趣きの装いで晴らすようなところがあったのかもしれません。





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