詩集「甘夏」
たしか、中学生の頃からわたしはノートに言葉を綴りはじめました。
ただただ込み上げてくる感情のように生々しい言葉たちを
寝る前のひとりの時間に、枕につっぷして、毎日まいにち書き綴りました。
夜、言葉を書くことによってわたしの一日は終わりました。
何も思い浮かばない夜でも真っ白なノートにペンを落として
最初の一文字を記せば、後から先は言葉がリズムを連れてきて
目の前のノートを踊るように広がっていきました。
詩とはどういうものかも考えず
ただただ、わたしの胸や頭の中にゾワゾワと存在する
形のない赤熱のうねりが言葉というドレスを纏って
美しく、醜く、ノートに染み込んでいく姿が楽しかった。
わたしにとって言葉は絵の具です。
そしてノートは
言葉にならないものを言葉を重ねて表現しようと試みるパレットのよう。
詩集「甘夏」はそんなわたしの言葉たちの中から
十代早春の恋を集めた詩集です。
2002年の手書き出版で発表した単行本から
オンライン用に50編を選び再編しました。
詩集「甘夏」はマガジンからご購入いただけます。
あまずっぱいのでご用心を。
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