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ポケットの中のメモ

電車、おじいさんの隣
カサカサと心地の良い音
横目にみると何か書かれた紙を広げるおじいさん
紙をしまうと窓から流れる景色をみていた。

中学生や高校生だったころ、
なんども同じ紙をくちゃくちゃになるまで折りたたんでは広げ、書き込んだり確認をした。
かたかった紙は役割を果たす頃にはもう柔らかくなっていた。
仕事を終えた紙はもうすててもいいのに、思い出が頭に浮かんでファイルの中にまた戻す。

使い慣れてしまったGoogle documentで送る資料。はやくて、便利そして節約。Google documentの良さはかなり語れる方だ。大活用している。

折りたたんだり広げたりして、小さくなったメモをポケットにいれることはなくなった。紙を柔らかくなるまで使うことがなくなった。紙に思い出が残るなんてこともなくなった。
カサカサという音が、懐かしくて心地よかった。

なくなってしまったものを遠くから見つめるような、そんな気分だった。

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