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日常

実家の花壇の草取りをしている横で、姪が私のむしった草をせっせと花壇に戻している。

「何してんの?」と聞くと、「お花に草あげてんの。」と言う。

似たような二人が暇を潰している。

やらなきゃいけないことはたくさんあるのに、暇すぎる。


散らかった私の部屋で母が「なんで本棚の本、斜めになってるの?」と聞いた。

そういえば、部屋がどんなに散らかっていても、本棚だけは散らかっていたことはないのだ。

母は少し乱れた私の本棚をじっと見ていた。

それから1週間経っても、本棚をいつものように私なりの秩序で元に戻すことができない。

今度は私が自分で自分に質問する。

「なんで本棚の本、斜めになってるの?」


斜めになったままの本が並ぶ本棚の前で、イ・ランの『悲しくてかっこいい人』を読む。

誰かにおすすめしたいのに、誰におすすめしたらいいかわからない。

まさか私がイ・ランに共感しているなんて誰も想像しないだろう。


部屋が片付いても、本棚だけそのままだ。

こんな些細なことが私を心配させる。

私、何か変化しちゃったんだろうか。

何か失っちゃったんだろうか。

そうして、いやいや片付けられないのは私のデフォルトじゃないかと我に返る。


最近韓国ドラマが好きでよく観る。観始めると止まらなくなるのに、最終話まであと2話のところでその欲求がぱたりと止んで、結局結末はわからない。

子どもの頃、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」や「モモ」が大好きで、続きを読むために学校から早く帰りたくてしょうがなかった。読み進んで残っているページ数が少なくなると寂しかった。ずっと読んでいたかった。終わって欲しくなかった。

それと似ているような気もするし、違う気持ちな気もする。


イ・ランは自分のことをよく知っていて羨ましい。




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