感情と思考が人生を創る
思考に気をつけなさい、それはやがて言葉になるから、
言葉に気をつけなさい、それはやがて行動になるから、
行動に気をつけなさい、それはやがて習慣になるから、
習慣に気をつけなさい、それはやがて性格になるから、
性格に気をつけなさい、それはやがて運命になるから。
マザー・テレサの言葉です。
マザー・テレサについては、色んな噂まで含めると、様々な見方をする人が居る事は確かですし、
私自身がマザー・テレサを深く知っている訳ではありませんから、
その存在について、どうこう言うつもりはありません。
ただ、この言葉は、私達がついつい忘れがちな事を的確に教えてくれていると思うのです。
と同時に、この言葉を、「ああ、そうだな。」と、腑に落とすには、
心が自由な領域である事や、
心に、確固たる【自分】が育っている事、
が不可欠な様に思います。
逆に言うなら、心が自由な領域であり、心に確固たる【自分】が育っている人にとっては、
思考が言葉になり、
言葉が行動になり、
行動が習慣になり、
習慣が性格になり、
性格が運命になることは、
生きる中で忘れがちな、しかし大切な事である、ということは腑に落ち易いと思うのです。
中を飛ばせば、
私達の思考が運命だ、という事です。
本来、心は自由な領域であり、その自由が担保されて初めて、心の中に確固たる【自分】が育ちます。
【自分】は、湧き上がる感情を感じ取る、主体、であり、言わば人生の主役です。
自由な領域である心が、自由では無く、
確固たる【自分】が育っていない状態とは、どんな状態なのでしょうか?
その状態こそが、生きづらい状態、と言えます。
心は自由ではなく、「〜べき」やら「〜ねば」やらに支配されています。
感情を感じ取る、主体、である、確固たる【自分】が無いので、湧き上がる感情をすくい上げる事が出来ません。
よって人生は、他人事、に感じられます。
砂を噛む様に味気無く、虚しいのです。
リアリティが無いのです。
主役、が不在なのですから、無理からぬ事です。
湧き上がる感情をすくい上げる事が出来ない人は、思考一辺倒の人、になります。
感情を感じ取れない分を、思考でリカバリーする様になります。
マザー・テレサの言葉の様ならば、思考が運命、なのですから、思考一辺倒、でも良い、と思われますか?
思考は感情に紐づく事で、血の通った温かなものになります。
考え、に、思い、が乗って初めて人間味を帯びるのです。
たとえば、ピアノの発表会でしくじってしまった我が子に、思考一辺倒の親は、発表会でしくじった、という事実を捉え、理屈で考え、叱責したり、
或いは、四割怒って六割許す、子育てのテクニックに当てはめて態度を決めます。
そこに我が子の、頑張ったけれども失敗してしまった無念さや落胆、といった心情に目を向ける、思いやり、はありません。
一生懸命練習した我が子に、いじらしい、とか、愛おしい、といった感情は極めて薄いのです。
思考が感情に紐づかないから、です。
どうして思考が感情に紐づかないのか、と言うと、
その人は自分の感情を投げ捨てて、親の顔色を伺い、
どんなに泣きたくても、親が笑う事を望んでいると察知するや、
満面の笑みをたたえる様な幼少期を過ごしたのです。
自分の感情は取るに足りないもの、と思う様になります。
親の望む感情が自分の感情です。
心は自分の自由な領域では無く、親が好き勝手にする領域、です。
親が好き勝手にする領域に、確固たる【自分】は育つことがありません。
【自分】が不在ならば、湧き上がる感情をすくい上げる事は出来ず、
主役不在の人生は、他人事、に感じられます。
常々、心のこと、は人が十人居たら十通り、百人居たら百通り、であり、
ある人にとっては薬になる話しが、ある人にとっては毒になることすらある、と思っています。
取り上げたマザー・テレサの言葉も、まさしく真理であり、
しかも、ともすれば忘れてしまいがちな私達の足下を照らす言葉だと思うのです。
しかし、マザー・テレサの言わんとする事を腑に落とすには、
思考が感情に紐づいている事が必要だと思います。
思考一辺倒、の人が、自分の感情が鈍麻している事に気がつくのは容易ではありません。
今記事では詳しく触れませんが、思考一辺倒の人、は、心理学者ユングの言う、ペルソナ(仮面)、を強固に貼り付け、
偽りの自分を、自分である、と証明する事が、生きる事、になっている場合が多く見られます。
偽った自分を証明する事と、多くの優れた言葉が指し示す先は、
合致する事は決してありません。
その意味では、
私達に益をもたらす教えや言葉を、
良薬とするには、
心の自由を取り戻し、
確固たる【自分】を育てることが、
大切なのだと思っています。
感情に思考が紐づけば、
思考が言葉になり、
言葉が行動になり、
行動が習慣になり、
習慣が性格になり、
性格が運命になります。
感情と思考が、人生を創ります。
読んで頂いてありがとうございます。
感謝致します。
伴走者ノゾム