なみある?塩田気象予報士の波や天気のお話。【オリンピックマジックはあるのか⁉】
天気図から梅雨前線が消滅し、日本付近には太平洋高気圧が張り出してきました。
いよいよ全国的に夏の到来です!
そしてオリンピックのサーフィン競技スタートまで10日となりました。
ということで!
10日前の時点での、期間中の波はどんな感じ?というお話です。
まず、本日7月15日9時の天気図を見てみると、
日本の遥か南の海上に熱帯低気圧がほとんど停滞しています。
このあとゆっくりと北上し、明日16日の夜には北緯20度を超えてくる予想となっています。
この熱帯低気圧の行方が気になるところです。
さて、なみある?のアドバンス会員の方がスマホのWEBバージョンやPC で見ることができる「LOLA波高予想データ」は当日を含め17日間表示されています。
22日頃までは波高数値が概ね0.7~0.8で、おそらくコシ~ハラ前後の波が続きそうです。
しかし、23日にはじわじわと数値を上げて、24日午後は1.9に、25日も数値をキープ。
その後は数値を少し下げて1.3ぐらいで30日まで続きます。
おおーーーーーー!
こ、これはどういうことでしょう♪
オリンピック期間にちょうどサイズアップすることになっているではありませんか!!
Windy.comからお借りした2つの画像をご覧ください。
ECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)
GFS(アメリカ海洋大気庁(NOAA))
どちらも24日15時の風予想図です。
ECMWFでは、今日の天気図にもある熱帯低気圧がゆっくりと発達しながら台風となり、太平洋高気圧を押しやるように日本へ接近しています。
GFSでは、今日の天気図にある熱帯低気圧はこの後台風となり、19~20日頃に南西諸島を通過していきます。そして、20日頃に小笠原の南海上に新たな熱帯低気圧が発生し、それが24日にかけて北上してきたものが↑です。
いずれにしても、オリンピック期間にサイズアップする可能性が出てきました。
ただし、LOLA風向予想データでは、オリンピック競技スタートの25日は北北東風がかなり強く吹き荒れることになっています。この通りとなれば、吹き込みの風でジャンクコンディションとなってしまうでしょう。
夏季において台風は、太平洋高気圧のフチに沿うよう進むため、夏の初めの高気圧がパンパンに張っているようなときには南西諸島方面へ進むことが多いのですが、様々な予想データから、オリンピックの期間に台風(熱帯低気圧)が高気圧を押しやるように東経140度に近い辺りを北上してくる可能性が出てきました。
さすがに太平洋高気圧をさらに押しやってはるか東海上を北上するということは、まず考えられず。
例えば、南の海上でグリングリンに発達した台風付近からやってくる、周期が長く(セット間10分超)、まとまったセット波が10数秒ごとに入る、いわゆるグランドスウェルというような波ではないとしても、
太平洋高気圧の吹き出しと台風へ吹き込むの東寄りの風が相まって、東ウネリが強まり、期間中続く可能性が高まってきました(今のところ)。
オリンピックのサーフィン競技は7月25日~8月1日まで。この8日間のうち、コンディションに合わせて4日間で行われます。
今のところの予想データでは、風が弱まる26日がスタートとなる可能性もありますが、その後数日は南西~南風となり、コンディションは上向くでしょう。
なみある!オリンピックとなれば、選手はもちろん、観ている私たちにとっても嬉しい楽しいことではないでしょうか。
前回もお話ししましたが、昨年の7月は太平洋高気圧が南にあり、南西風が吹き続き、ムネサイズあった日が1~2日だけ。もーほんとに小さい日々が続きました。
今年もそんなだったら、と心配したりもしましたが、、、
以前日本でWCTの試合があった頃、波がなかった部原が試合日になると急にサイズアップしたり、最後の方の、東浪見で開催された時には、まるでマシーンウェーブのようなチュービーな波を世界最速のスピードでロブマチャドがビュイーンとすっ飛ばして抜けて勝ってったなーとか、CTマジックあったよなー、とかいろいろ思い出しながら、オリンピックマジックとかないかなーなんて思っていました。
もしかして⁉もしかすると⁉
オリンピックミラクル⁉マジック⁉が起こるかも!?
今後の動向にこうご期待♪
ただし!忘れてはならないのが台風による災害です。
梅雨末期の豪雨により、今年も各地で土石流などの土砂災害、冠水、建物への浸水など各地で被害が多発しました。
日本列島に接近し、特に南~西日本へ通過・上陸し、災害へ繋がる可能性もあるため、波情報のみならず、気象情報も日々ご確認くださいませ。
気象予報士
塩田久実