2021早い梅雨入り
5月中旬になると南西諸島付近に梅雨前線が現れだし、沖縄や奄美が梅雨入りして、前線はしばらく南西諸島付近に停滞してから少しずつ北上するのがよくあるパターン。
今年は5月5日ごろに沖縄・奄美が梅雨入り(やや早め)。
そして、7日には九州南部に前線がかかるようになり、一旦南下しながらも、11日には九州南部が平年よりも19日早く梅雨入りしました。
その後、九州北部、四国、中国、近畿、東海が平年よりも3週間ほど早く、16日ごろまでに梅雨入りしています。
今週は内陸や本州沿岸すれすれの辺りに前線が停滞しており、関東甲信がまだ梅雨入りの発表がないのがナゾ、と思われるような、5月らしくないぐずついたお天気が続き、走り梅雨真っただ中です。
九州などでは梅雨の末期に見られるような雷を伴うような大雨が続いています。
今年は年明けからひと月ほど季節が早く進んでいるように感じますが、梅雨入りも前倒し感満載です。
この週末は西~東日本では一瞬五月晴れとなるところもありそうですが、週明けには再び天気は下り坂。
関東甲信のみならず、北陸や東北南部でもこの先も雨の日が多く、走り梅雨からそのまま梅雨入りとなるのではないかなぁと思っています。
早く梅雨入りした分、早く明けてくれるといいのですが、長い梅雨となると気分もどんよりしてきますよね。
昨日の千葉は日中は小雨が降ったり止んだりでしたが、空には靄(もや)がかかっていて、普段は見える水平線がさっぱりわかりませんでした。
スカッ晴れが恋しい今日この頃です。
さて、梅雨どきの波については、以前【梅雨前線と波】でお話ししましたが、もう一度振り返ってみたいと思います。
梅雨時期の波はお天気同様ぐずぐずなイメージがあるのではないでしょうか。
太平洋側の主に湘南以西では、梅雨前線の南側で太平洋高気圧が吹き出す南~南西風によるウネリが入ることがあります。ただし、前線が南の海上に停滞していると、そのウネリが入りづらく、南向きのポイントは物足りない日が続き、東向きのポイントで、北東~東の風波やあまり力のない東ウネリが反応する程度の日が目立ちます。
しかし、今月は前線が九州の南から本州南岸に沿ってかかっていることが多く、また、前線活動が活発になり前線上に低気圧が発生することで、周期的に南~南西の風波やウネリが反応しています。そして、低気圧が東海上に抜けると、東向きのポイントでもウネリの反応が良くなる日があります。
5月下旬にかけても同じような状態が続きそうです。
一方、日本海側は春~初夏によく見られる南西~西風による風波やウネリの日は今後は少し減りそうですが、オホーツク海高気圧が吹き出し北風などによって北ウネリが入る日があるでしょう。
あとは、台風は6月ごろから発生する数が増えていきますので、今後3号、4号と発生し、その発達具合や進路によってはウネリが届く期待もできます。
6月は、日本の南に張り出してくる太平洋高気圧の南側のフチに沿って遥か南の海上を西へ進むパターンがメインですが、カットバックして日本へ近づくコースもあり得ます。
現在の北緯20度海面水温は28℃となっており、台風が発達する要素を備えていて、西へ進む場合でもウネリが届く可能性はあります。
また、台風が北上してきた場合、サイズアップするのは嬉しいですが、先ほども記した通り、すでに九州などでは梅雨末期に見られるような大雨となり、土砂災害や河川の増水や洪水などに警戒が必要な地域が増えています。
梅雨前線を刺激して災害級の大雨となる可能性もありますから、日頃からの備えも大事にしてください。
今年は、梅雨入りが早かった分、明けも早いといいですね!
先月の気象庁の発表の季節予報では初夏のころは全国的に平年より気温が高く、一昨日20日発表の向こう1か月予報(5/22~6/21)では、九州南部と四国を除き、平年より高い確率となっています。
特に沖縄、奄美は70%以上の確率で平年よりも高いと予想されており、平年のこの地方の梅雨明けが6月21~29日ですが、もっと早そうです。
夏が長く楽しめるのは嬉しいですが、猛暑酷暑でない程々の暑い夏がいいなあと思います。
なかなか希望通りにはいきませんが。。。
気象予報士
塩田久実