なみある?塩田気象予報士の波や天気のお話。【雪山の紫外線】
二十四節気の二十四番目、「大寒」に入りました。一年で最も寒さが厳しい季節です。
なんだか最近「寒い、寒い」とばかり話しているような気がします。。
次の二十四節気は「立春」。まだしばらく寒さは続きますが、「春」という文字を見ると少し嬉しくなるような!?
そんな寒い1月も下旬に差し掛かりましたが、先週の太平洋側は、年明け6日からしばらく続いた周期(波長)の長い北東ウネリと同じような強い波が到来しました。
前回と同じくアリューシャンの北、ベーリング海で広く長く強く吹き続いた北東風によるウネリがはるばるやってきて、千葉以北の東向きのポイントは、またまたハードな日が続き、週末は西日本にも回り込んで届いていましたーー。
今週は一旦落ち着きますが、次はカムチャツカ半島とアリューシャン列島西端のちょうど中間付近の海上で、27日頃に960hPaを切ってぐりんぐりんに発達する低気圧からの北東ウネリが、29、30日辺りに届きそうです。
周期的に緩みながらも冬型の気圧配置が強まる日が多いこの冬は、太平洋側は、北西風に抑えられてしまうポイントもありますが、寒気の吹き出し、西風や北風による波が反応したり、なんだかんだ遊べているところも多く見られます。
日本海側は、年明けは吹きすさぶ西~北西~北風と大雪で北部はサーフィンが厳しい日がほとんどでした。なみある日が多いため、西部は風が弱まるタイミングにサイズある波で出来ているようですね。
さて、ここからは波から少し離れ、雪山での紫外線のお話です。
日本列島は2年連続で極寒、雪が多い冬となっています。
お休みに、気分を変えてスノーボードなど山へ向かわれる方も多いのではないでしょうか。
太陽が高い夏に比べ、冬は日差しが弱くなりますが、紫外線には要注意!
屋外にいる場合、上空から地上に向かってくる紫外線と、地表面で反射された紫外線を同時に浴びることになります。
地表面での紫外線の反射の割合は、地表面の状態により大きく異なります
草地やアスファルトの反射率は10%やそれ以下、砂浜でも25%ですが、新雪では80%。新雪の反射率が飛びぬけて高くなっています。
さらに、地表面で反射された紫外線の一部は上空に向かい、空気分子やエアロゾル粒子に散乱されて再び、地上に戻ってきてしまいます。
つまり、雪面などの反射率が大きいところでは、反射率が小さいところよりも、必然的に紫外線量が多くなるのです。
また、標高が高い地点では、上空の大気の量が少なく、紫外線が散乱される割合も少なく、また、オゾンによる吸収も少なくなり、低い地点に比べ、それだけ紫外線を強く受けることになります。
一般的に、標高が1000m高くなると約10%増加するといわれています。
高層気象台の観測では、空気が澄んでいる場合は1000mあたりおよそ15%強くなるというデータも出ています。
ということで、雪が積もるスキー場のゲレンデでは、太陽からの日射と雪面により、強い紫外線を浴びています。
少しずつ日が長くなり、太陽の高度が高くなる、春に向かって特に晴れた日は紫外線がどんどん強くなっていきます。
紫外線が、お肌の日焼けだけでなく、目の炎症や白内障などを引き起こす恐れもあります。
晴れている日の太陽からの直射日光や反射光が強いのはもちろんですが、曇り空でも紫外線は侮れません。
UVカット機能がある帽子やサングラスやゴーグルで、また、そこからはみ出しているお肌には日焼け止めクリームなど、紫外線対策をしっかりとして雪山を楽しんでくださいね。
そして、今月は津波や大きな地震が発生しています。
以前も何度かお話ししていますが、海でも山でも、楽しむ前には、付近の避難場所の確認を忘れずに。
気象予報士
塩田久実