なみある?塩田気象予報士の波や天気のお話。【2021春の波は⁉】
立春を迎え、歴の上では春になりました。旧暦では新しい年の始まりです。
立春は2月4日という年が多いのですが、2021年は2月3日23時59分が立春の瞬間で、1分の差で2月3日が立春となりました。
今年は124年ぶりに節分が2月2日になったことが話題にもなりました。今後はしばらく4年に1度、うるう年の翌年は節分が2月2日となるようです。
そして、今年は立春の翌日、4日には低気圧が発達しながら日本海から東北地方へ進んだことで、関東地方では春一番が吹きました。
春一番とは、立春から春分までの間に日本海で低気圧が発達し、初めて南寄りの強風(風速8m/s以上)が吹き、気温が急上昇する現象のこと。
春一番が吹いた翌日は北寄りの風に変わり、気温がガクッと急降下するのが特徴です。
春一番が吹いても、2月はまだまだ厳しい寒さが続く頃ですが、九州や太平洋側の暖かい地方から梅が咲き始めています。
ここからは低気圧と高気圧が交互にやってきて、寒気と暖気がせり合いながら、暖気が少しずつ北上して暖かくなっていきます。
余寒が厳しい日もめぐってきますが、日に日に太陽の光の力が強くなっていくように感じます。
春は光の季節ですね!
さて、昨日2月11日気象庁発表の1か月予報の平均気温の確率を見てみると、全国的に平年よりも高いという予想になっています。
解説にもあるように、今後1か月の日本付近では冬型の気圧配置が長続きせず(上空の寒気が居座らず)に、低気圧と高気圧が順繰りにやってくることになりそうです。
すでに1月後半からこの兆候がありましたが、
では、本格的な春にかけて波は!?というお話をいたします。
この週末(13日(土)14日(日))は全国的に気温が平年を上回り、春本番のような陽気で今年一番の暖かさとなるところもありそうです。
そして、週明けは一転して春の嵐が!
14(日)に九州の南と日本海にそれぞれ発生する低気圧が爆弾低気圧となって16日(火)にかけて日本付近を通過する見込みです。その後、冬型の気圧配置となり、来週半ばは真冬の寒さに逆戻り。
太平洋側では、14日(土)は千葉以北を中心に、冬の象徴でもあるアリューシャン低気圧からの北東ウネリが入ってくる予想ですが、九州の南の低気圧が徐々に発達していく15日(日)は北東ウネリは反応を弱め、南の低気圧へ吹き込む南東風による風波や、南東~南ウネリが強まり、そのウネリを拾うポイントでサイズアップ。風を受けてジャンクやハードとなるポイントもある見込み。
そして、低気圧が離れる西日本から徐々に風が西~北西へシフトして、風波で荒れていたポイントでも波がまとまっていくでしょう。
一方、日本海側では、15日(日)は南西~西~北西風が強まり、まず西向きのポイントから、次第に北向きのポイントでも風波でサイズアップ。冬型の気圧配置となる16日(月)は、北海道や東北、北陸などでは雪となり、広い範囲で波も荒れるでしょう。
先に、寒気は居座らない、とお話ししましたが、今回はどうやら3日ほど冬型の気圧配置が続いてしまい、19日頃に南西風に変わり、北向きのポイントではようやく波がまとまりそうです。
と、この週末から週明けに変えての波をざっとお話ししました。
2月は、南の海上や本州沿岸を進む南岸低気圧や、日本海を進む日本海低気圧、また、その2つがセットになった二つ玉低気圧が、移動性高気圧と交互に日本付近を通過していきます。
低気圧や前線の南側は暖かい空気が、北側には冷たい空気があります。
今後1か月の日本付近の気温は平年より高い傾向ですから、南側の暖気が入ってきやすいということになります。
ということは、日本海を進む低気圧が多くなりそう!?
↑は19日以降の千葉北部の東向きのポイントのLola予想データです。
風を見てみると、南西~西風と北西~北風が数日おきに交互に表示されています。
低気圧と高気圧が交互にやってくることが予想されます。
太平洋側では、南西風が強まる日には、南向きのポイントでは風波でサイズアップするでしょう。風が変わって波がまとまった時が狙い目となります。
東向きのポイントは22日頃までは反応が弱そうですが、その後は南西風が吹いたとしても、周期12秒の東~南東ウネリ(遥か東海上の高気圧の吹き出しだと思われる)が入る日もあり、しばらく波が続きそうです。
↑は新潟の北西向きのポイントのLolaの予想データです。
日本海側でも、アップダウンがありながら風と波が続きます。
太平洋側は、南岸低気圧や二つ玉低気圧の場合、東向きのポイントでは、低気圧が東海上に抜けたあとに、東ベースのウネリが反応する可能性は高いですが、南向きのポイントでは、北側で吹く北東風にウネリが抑えられたり、発達状況により、風が強まらず、思いのほかウネリが入らずにさほどサイズアップしないことがあります。
日本海低気圧の場合は、海上から吹き荒れる南~南西風によって、南向きのポイントではジャンクアップし、その後波がまとまって出来る!というパターンになります。東向きのポイントにも回り込むウネリが届くこともあります。
日本海側では、当然ながら太平洋よりも日本海を発達しながら低気圧が進むことにより風やウネリが強まります。
ということで、
日本海を進む低気圧が多いということは、なみある!期待が持てるでしょう。
だんだんと春の気配を感じるこの季節。
水温はまだしばらく低い日々が続きますが、頬にあたる風が優しくなっていくのは嬉しいですよね~。
気象予報士
塩田久実