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【季節の移ろいが感じられる時期になりました】なみある?塩田気象予報士の波や天気のお話。

2年連続の厳しい寒さとなったこの冬。1月には10年に一度ともいわれる強烈寒波も襲来しました。
太平洋側は、アリューシャン列島やベーリング海で猛発達する低気圧からの周期(波長)の長い北東ウネリや、東海上で強まる北寄りの風によるウネリが周期的に入り、ウネリをダイレクトに拾うポイントではハードでクローズとなった日がよく見られました。

Windyからお借りしました

17日(金)は沿岸の風は比較的弱かったものの、この日も周期の長い北東ウネリがしっかりと入ってきて、はるかアウトからウネリの筋が並んでいるのが確認でき、サイズある波が押し寄せていました。


また、日本海側も波はあるものの荒れた日が多く、大雪の厳しい冬となりました。
 
さて、立春から2週間が経ち2月も後半に差し掛かり、ようやく寒さも少しやわらいできました。
2020年の夏に始まり、21年の夏に一瞬平常に近くなったものの、2年半の間ほぼほぼ続いていたラニーニャ現象が終息しつつある、と先日気象庁から発表され、冬が終わるころには平常に戻りそうです。
現在発表されている1か月予報、3か月予報ともにほぼ全国的に平年より高い確率となっており、暖かい春がすぐそこまで近づいてきました。
19日(日)は低気圧が本州を通過していきますが、西~東日本では南西風が吹き荒れて気温もグンと上昇。関東や東海では春一番となるかもしれません。
その後週明けは冬型の気圧配置となり、春の空気感は一瞬で終わりそうですが、冬型がドーンと居座っていた時期が終わり、日本付近には低気圧と高気圧が交互にやってきて、南側の暖かい空気が少しずつ入るようになり、季節が移っていきます。
日本海側はシーズンの終盤となり、太平洋側は、暖気を運び込む南寄りの風により、南向きのポイントでもサイズアップする日が増えていきます。
がしかし、時には爆弾低気圧となり、日本付近を通過した後には台風並みに発達するものとなりやすいのもこの季節。
低気圧が日本海を進む場合は、強い南風が日本海側まで吹き込むため、フェーン現象で気温が急上昇し、融雪による雪崩などを引き起こす原因ともなります。
ちなみに、フェーン現象でなぜ温度が上がるのかというと、、、
高度が上昇することで空気の温度が変わりますが、湿った空気と乾いた空気では、その変化が異なるためです。
湿った空気は100m毎に0.6度ぐらい、乾いた空気では1℃程度変化します。
湿った空気は山の斜面にぶつかり上昇することで雲が発生し雨が降り、頂上を超えて山を吹き降りるときには乾いた空気となります。
風上側から0.6℃ずつ下がって上った空気の温度は、今度は1℃ずつ上がりながら麓に吹き降りることで上がるのです。
例えば2000mの山であれば、風上側に比べ頂上では温度が12℃下がり、風下の麓には頂上よりも20℃上昇して届くことになります。
本州には脊梁山脈が連なっていますので、これらの山を南からの空気が乗り越えていくことでフェーン現象が起こります。
また、湿った空気よりも乾いた空気の方が重いため、勢いが増し風速が上がります。
 
そんな時の日本海側の波は、南寄りの風にウネリが抑えられるか、南西風による波がやや強まり、その後前線の通過とともに、一時的に冬型となり強まる北西~北風とともにサイズアップ。
これからの時期は真冬と違って冬型が長続きしないため、ジャンクな日が短くなり、落ち着くのも早くなっていきますね。
昨年に続き、大雪の厳しい冬シーズンとなりましたが、北部でも楽しめる日が増えてくるのではないでしょうか。
 
19日(日)は二十四節気で「雨水」です。
降っていた雪が雨に変わり、冬の間に積もっていた雪や張っていた氷が解けて水になる頃という意味です。
三寒四温を繰り返し、装備が一つずつ減っていくのが待ち遠しいですね。
 
しかし、春が近づくことで天気図や予想データもくるくると変化するようになります。
寒気の強い風に抑えられがちだったポイントでも、なみある日が増えていく時期になりますが、日本列島に届く波も日ごとに変わりやすくなり、データが半日とか1日ズレ込むこともしばしば。ガラッと変わることもあり、予想担当はデータとにらめっこしながら、その都度書き直しています。
移ろいやすい春の空の時期、海へ向かうことを予定している日は最新情報もまめにチェックしていただきますようお願い申し上げます。
出来るだけご期待に沿えるよう精進いたしますので、今後ともなみある?をよろしくお願いいたします~。
 
気象予報士 防災士
塩田久実