波打際。

おしゃべりの文字起こし。めも。日記。

波打際。

おしゃべりの文字起こし。めも。日記。

最近の記事

暮らしの現在位置。-24/10/01

銀だこの店員さんは、商品を手渡す時に「美味しく召し上がれますように。」と言ってくれる。それに気がついたのは数ヶ月前のこと。 目を見てまっすぐ、この言葉を言い終わらないとこのたこ焼きは渡せない、くらいの勢いで。そんな素敵な「美味しく召し上がれますように!」を貰って以来、何度も思い返している。 父のご飯をよそう手に、母のボウルを混ぜる手に、たこ焼きを焼く人の手に、ポテトを揚げる人の手に、生地をこねる人の手に、餃子を包む自分の手に。つくる人の手に込められているのはきっと(美味しく

    • 暮らしの現在位置。-24/9/24

      9月の初め。九州で。 「すみません、ぼく今日が初めてで…」 震える手で、わたしが選んだ波佐見焼のお皿2枚を包んでいる男の子が目の前に。 (その包材、そのお皿を包むのには少し足りないよ)と思いながら、自分も初めてお客さまの割れ物を包むとき、「すみません、包むの初めてで…」と言ったことがあったなぁと思い出した。 ゆっくりゆっくり、包んでもらっている間に、どこからきて…とか、このお皿は…とか、ぽつぽつ話す。帰ってきた、と男の子が言うので「ご出身がこちらなんですね、」と相槌を打つと

      • 9月の初め。坂のまち。

        「長崎のまちはその約8割が斜面と言われております。住民の皆さんは大変な苦労をされながら生活しているのです。」 ガイドの方の声が説明する。 長崎に着いて街中にとった宿までの道すがらも、急勾配の斜面をくねくねと折り返しながら下る道に坂のまちを実感したけれど、長崎港の海の上からまちを見上げて改めて暮らすひとはさぞ大変だろうと思った。海上からのまちは言葉通りぐるりと"見上げる"ものだったから。 長崎はその地形から貿易港に適していると判断され、外国からの影響を受けながら港湾都市と

        • 2024/1-7/iPhoneのメモより

          生活の中で考えた、浮かんだ、出会ったものの断片。共感だったり、衝撃だったり、腑に落ちたり、消化しきれなかったり、そのどれでもなかったり。 読んだり、読みきれなかったり、観たりしたものたちも。 202407 季節においていかれないように必死/多島美といわれる、瀬戸内海の美しさ/紺屋/留紺は、これ以上染まりようもない濃紺色です。/アルバイトの秋くん/人間は国家じゃなく、言語と文化に住む/午後の遠景/「生活」と「暮らし」の意味分析/前置きの軽量化/常識はありゃせぬ/“Some p

        暮らしの現在位置。-24/10/01

          日記未満。3

          風光る。春の季語。 旧暦の1〜3月の季語だそう。 少し調べてみたものの、風の向きや強さに明確な決まりはないみたいだった。 車通勤30分ほどの道中。最近は陽気がいいから窓を少しだけ開けて風を感じたくなる。職場の従業員駐車場は立体駐車場の最上階で、そこからは富士山と太平洋が見える。 通勤中窓を開けるようになって数日。ふと職場の駐車場に降りて「風光る」という言葉が浮かんだ。私はどこで習ったか記憶もないけれど、屋上から太平洋が遠くできらきらしているのをみて「風光る、だ。春だ。」と

          日記未満。3

          日記未満。

          忙しい時。時間的にも、気持ち的にも私生活に仕事が侵略してくる。生活のいろいろが仕事に塗りつぶされている。 私は知っている。これまでの経験から、こういう忙しい時ほど自分で自分のご飯を作る時間を捻り出すことが大事だ。わたしにとって、食べることと同じくらいの作る時間も大事。 無心で玉ねぎをみじん切りにしたり、ふつふつと沸く鍋を見つつ突っ立って待ってみたり、そういう時間。 もちろん、「忙しい時」だから手間暇かけてやってられないけど、インスタントのみそ汁に少し豆腐を入れたり葱を足

          日記未満。

          日記未満。

          人が何かの美しさに気付く時、 心が動く時、 想像力が働く時、 無防備にならざる得ない瞬間がある。 安心して、心を開かないと感じられないこと、 浮かんでこないことがある。と思う。 そんなことを考えた岡山の海辺のお宿。【Heima】 Heimaの質感 お宿の全体感などを伝えるにはきっと足りない。 断片的で偏りのある個人的な記録です。

          日記未満。

          誠光社に行く道

          2023/12/16 昼過ぎまでとろとろ微睡んで、今日は滋賀の草津から静岡に帰る日。 京都行の電車に揺られながら、京都に寄っていくか、真っ直ぐ帰るかぐるぐると悩んでいたら、きーっと音を立てて電車が止まった。急ブレーキに車内で立っていた人たちが一斉にぐーっと前に傾く。行先の駅で緊急停止ボタンが押されたらしい。運転再開は未定。しばらくして、ようやく下りることができたのは山科という駅だったから、どちらにしても線を乗り換えて、一度京都の街中に出ることになった。 これは京都でちゃんと

          誠光社に行く道

          ラーメンを食べたい日

          ラーメンは美味しい。美味しいけど、なかなか自分の「食べたいもの」にはならない。自分で選んで食べるより、人に連れて行ってもらう方が多い。自分から食べたくなって食べるのは年に片手で足りるくらいの数。 朝はラーメンが食べられるほど胃腸の許容範囲が広くないから、それを抜いても昼夜で年間730食何を食べるか選ぶのに、浮かぶとしても片手分。5回。暇なわたしはスマホの計算機で計算しました。0.006%に届かないらしいです。わたしがラーメンを食べたくなる可能性。 そんなわたしがラーメンを

          ラーメンを食べたい日

          箱を開くとき

          新しく買ったものを開けるとき、 お米を出すとき、 大事に毎回しまうアクセサリーを身に着けるとき、 職場での開梱作業のとき、 お弁当を食べるとき。 箱を開く動作は生活のいろいろな場面で登場する。 わたしの最近一番わくわくした「箱を開く」は実家からの久々の仕送り。大学生の時は何もなくても、一カ月か二カ月に一度くらいは不定期でも何かしらが実家から届いていた気もしますが、娘は社会人になったから少しは心配が薄れたのでしょうか。そうだといいな。 父からの「栗を送ります。」というLI

          箱を開くとき

          きなことヨーグルト

          記憶にあるばあばとじいじのお家にお泊まりした時の朝ごはんは、朝ごはんなのに夜ご飯か?と思うくらいの量とメニューだった。出てきたものは色々だし、孫が泊まりにくるからともしかすると張り切ってご馳走を用意してくれていたのかもしれない。 そんな朝ごはんの中で私が好きだったのは、私がいてもいなくても、いつも祖父母が食べていた「きなこフルーツヨーグルト」だった。ヨーグルトに、フルーツに、きなこ?にと思うひともきっといると思う。わたしも思った。私も初めて食べたのが何歳だったかという記憶は

          きなことヨーグルト

          大好物

          些細だけど確かな幸せ 最近流行ってる言葉だよ、といつか韓国人の留学生の友人に教えてもらった言葉のひとつだった。 確かな幸せ。確実な幸せ。 この言葉を知った時からずっと、ことあるごとに思い出す。 幸せだなぁと思ったその瞬間も、しんどい時も、悲しくてやりきれない時も、お腹がいっぱいであんまり頭が働かなくても、何かを選んで何かを選ばない時も。 「確かな」幸せが何かまだわからない。 でも「あのとき、このとき、確かに私は幸せだった。」 と思うことはたくさんある。 話さないと、

          がんもどき

          お箸で四等分にしてもまだ一口には収まらない、大きながんもどき。 この子が「そうです、私が主役です」と言わんばかりの大皿に盛られてほかほかで出てきた時の驚きと嬉しさが忘れられない。 出会いは8月の終わり、9月の初め。突然現れた二連休に富山に行った時のお宿HOUSEHOLDさんの朝ごはんで。私の前にどーんと現れたがんもどき。 写真では伝わりづらいので大きさをお伝えすると長野のおやきサイズである。両手にすっぽり。他のもので例えるとなんだろう。多分、大きめのハンバーガーのバンズ

          がんもどき

          与えられるものこそ、与えられたもの

          ドライブ中に聞き流してた音楽の中に 与えられるものこそ、与えられたもの ありがとう、って胸を張ろう という歌詞があった。ここ何日かこの曲を延々とリピートしている。  最近の私は誰かから、何かから、私を取り巻く環境から、何にせよ貰ってばかりな気がしていて。それはこれまでも貰うことばかりだったはずだけど、この頃輪をかけて実感する機会が多い。落ち込むことはないけれど、焦りに似た感じではあるかもしれない。 「貰ってばかり」。  新入社員で助けてもらってばかりだったり、歳の離

          与えられるものこそ、与えられたもの

          2023memo

          拾い集めた言葉たち。わたしのiPhoneのメモより。 集めた言葉たちは共感だったり、衝撃だったりします。 腑に落ちて、または腑に落ちなくて記したもので、 この時の私が何に悩んで、何を考えていたのか わかるようでわからないメモです。 2023年の分から最近の私から遡る形式でお送りしております。 2023.12 結果を先読みせずに、愛をもってひとと関わる』/ハードルはひくく、倒れても気にしない。/ 2023.11 何度も間違ってみようね、何度もやり直してこうね、思い通りの愛

          2022memo

          拾い集めた言葉たち。わたしのiPhoneのメモより。 集めた言葉たちは共感だったり、衝撃だったりします。 腑に落ちて、または腑に落ちなくて記したもので、 この時の私が何に悩んで、何を考えていたのか わかるようでわからないメモです。 恋したり、恋を終わらせたり、恋を始めるたりする時、 程度の差はあれ正気じゃない。 2022.10 自分の人生の主人公じゃない。/ともだちだったらいい少し離れたらいい、でもこいびとの男女はそうはいかない。/"偶然"は、予期せず点と点が交わった瞬間