古民家の耐震補強をはじめて設計した話~2/(全4回)【補助金のために審査機関をさがす】
古民家の耐震補強をはじめて設計した話を、4回に分けて書いています。
1回目の記事はこちら↓
やっとみつけた審査機関
そこで、ある関東の審査機関と電話がつながりました。話を聞いたところ、
限界耐力計算の審査可
先生が某大学の名誉教授で、比較的時間があるので、すぐに審査できる
費用は30万円程度
とのことです。
他の審査機関にも問い合わせていましたが、他は1か月や2か月に1回の審査会でしかみてくれないので、すぐにみてもらえるのはありがたい。費用は、他の機関と同じくらいで、お客様からしたら高額だが、補助金がもらえないよりマシかな・・という感じです。
先生に下見してもらう
さっそく、計算書をメールで送り、先生に下見してもらうことにしました。
そうすると、先生からのメモ書きが届きました。
計算根拠となる論文を全てそろえること
地震時に倒壊しないよう、床や屋根の剛性や、基礎の引抜き耐力を証明すること
ひええ! 論文そろえるなんて、やったことない。床の剛性や基礎の耐力・・先生にOKしてもらおうと思うと、壁だけでなく、床や屋根・基礎なども補強工事しないとムリ → 住宅では非現実的(それなら新築した方がいい)
どうやら、歴史的建造物や寺社仏閣などの補強設計を審査する機関のようでした。そのような立派な建物は、きちんとお金をかけ、しっかり計算して補強するべきですが、個人の住宅では、そこまでできません。
下見までしてもらったのですが、その審査機関は辞退しました。
関西の審査機関
今度は、施工会社の方が、関西の審査機関をみつけてきてくれました。
そこなら、そこまで論文そろえなくてもみてくれるらしい。ただし、審査の前に、JSCA(日本建築構造技術者協会)関西支部のレビューを受けるとよい、とのことでした。
JSCA関西にたどりつく
その後、限界耐力計算による耐震改修の研究・普及活動は、JSCA関西の先生が精力的に進めていることを知りました。
他の大学や団体でも研究されていますが、JSCA関西が最も実務に直結した方法を研究しているのではないかと思います。実務的なテキストが発行され、初心者向けの講習会が定期的に開催されています。
初めからここに相談すればよかったのですが、遠回りしてやっとたどり着きました。
ここから、JSCA関西の先生方に教えてもらいながら、限界耐力計算の勉強が始まりました。
(次回へつづく↓)