《医薬×知的財産 シリーズ》 (2)医薬に関わる公定書:「日本薬局方」
こんにちは。
今回は、このようなテーマで書きます。
日本薬局方?
今回のテーマである「日本薬局方」、お恥ずかしながら、医薬品業界に入って初めてその存在を知りました。
イメージとしては、「罰則の書いていないルールブック」でしょうか。
「日本薬局方」とGoogle検索をかけてみると、厚生労働省や独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency))のページが出てきます。
薬剤師さんの間ではPMDAを「パンダ」と読むようですが…そんなことは知りません。
冊子版も存在しますが、けっこういいお値段がします。
これでも、値下がりしたのか聞きたくなるくらいです。
日本薬局方について、薬機法には下記のように書かれています。
第四十一条
厚生労働大臣は、医薬品の性状及び品質の適正を図るため、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、日本薬局方を定め、これを公示する。
2 厚生労働大臣は、少なくとも十年ごとに日本薬局方の全面にわたつて薬事・食品衛生審議会の検討が行われるように、その改定について薬事・食品衛生審議会に諮問しなければならない。
3 厚生労働大臣は、医療機器、再生医療等製品又は体外診断用医薬品の性状、品質及び性能の適正を図るため、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、必要な基準を設けることができる。
何が書いてある?
PMDAのページを見てみましょう。
リンクの分割PDFには、大雑把にタイトルが書いてあります。
イメージをもてる程度に書いてあることを説明すると、
・通則:使用されている用語の定義などについて記載
・生薬総則:生薬特有の用語の定義などについて記載
・製剤総則:各剤形について製法の原理などを記載
・一般試験法:原薬や中間製品、最終製品の試験方法を記載
・医薬品各条:原料について、性質等の詳細を記載
他にも、薬局で処方箋に則って調剤した際の請求額の計算に関することなども載っていますが、薬剤師ではないですし、趣旨と異なるので、本noteでは取り上げません。
日本薬局方 at 製薬会社
入社したら、最初に通則を教わります。
例えば「直ちに」という言葉。
実は「●秒以内」という規定があります。
あと「正確に」と「精密に」。
似ているようで実は異なる用語です。
このような感じの規定があるのが通則です。
生薬総則は、漢方薬みたいな医薬品を取り扱う企業では必須です。
製剤総則は研究開発部門や製造部門、一般試験法は研究開発部門や品質管理部門で勉強します。
製剤総則と一般試験法に関しては、コツをつかんでしまえばけっこう面白いです。
例えば、硬カプセル剤の中身を充填する方法の一つである「ダイコンプレス方式」。
空カプセルの中に粉状あるいは顆粒状のものを詰める際、上から圧をかけて押し込む方式なのですが…
最初、
「ダイコンプレス」
→「ダイコン プレス 方式」
→「大根 プレス 方式」
だと思っていました。
実際は…全然異なりました。。
「ダイコンプレス方式」
→「ダイ コンプレス 方式」
→2段階圧縮方式
インパクトがあると覚えやすいです。。
もう少し、絵など載せたいなーと思ったのですが、どうやって載せようか、盛大に迷っている私でございました。
何が言いたかったか。
医薬品の製造方法って、実はパターン化できます。
また、製造機器の中には、ボタン操作でコントロールできそうな部分が未だにハンドル操作、という機器もあります。
あえて上流から見ないで、医薬品業界の流れの途中から見ると、もともと得意な分野が化学やバイオでなくとも、十分におもしろいと感じる部分はあると思っています。