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アンガーをマネジメント

マネジメントの必要性はさほど感じていない。こう見えて(どうも見えていない)普段アンガーを人前であらわにすることはないからだ。盛大にキレ散らかしたとしても、若ければまだ許される風潮があるように思う。だがたびたび申し上げているように、わたしは結構お歳を召していらっしゃるので、後先考えずに怒りを表明するわけにはいかない。おとなげないとひそひそされた挙句、社会的に確実にタヒぬ。少なくても職場では日々わきまえてふるまっているつもりだ。本来の自分を必死に隠し、穏やかなふりをし続ける。社会的にはタヒなないかわりに心情的にタヒんでゆく。

その見積書に記載した納期は実働40日間だった。およそ2ヶ月である。検討したうえで発注に踏み切ったのではないのか。それを注文して10日ほど経過してから実働20日間で出荷できないかなどとよくもそんな寝言が言えるものだと思う。2ヶ月かけて完成する製品を1ヶ月で作れ。それが可能ならはなからそう見積もっているって話だ。常識的に考えてあり得ない短縮依頼なのでもちろんお断りである。しかしさも心外だと言わんばかりに「できないんですか」と来た。なんだコイツ。何この態度。この時点でちょっとマネジメントできるレベルのアンガーではなくなった。

発注した後に事情が変わって2ヶ月も待っていられなくなってしまったのかもしれないが、それはあくまでそちらの都合である。無理を言っているのは重々承知のうえで誠に申し訳ないがそこをなんとか協力していただけないだろうか的なことが何故言えないのか。こちとら遊びで納期出してんじゃねんだよナメんなとはさすがに言えないので、こめかみに今にもキレそうな血管を浮き上がらせて「2、3日の短縮なら可能だと思いますが、実働20日間を縮めるのはできかねます」と極力やんわり言った。そこをなんとかとアタマを下げるつもりは一切ないらしい。言うに事欠いて「じゃあキャンセルできますか」ですよ。お願いする立場のくせにあからさまにイライラするとは何事か。少しはアンガーをマネジメントしていただきたい。わたしは食い気味に「キャンセル料が発生いたしますがよろしいですか」と言わずにはいられなかった。はっきり言ってケンカ腰だった。

マネジメントしきれない感情があるからこそ、人間と言えるのではないでしょうか。

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