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スペイン語あれこれ① ネイティブ(アルゼンチン人)が意外と使わない表現

Hola!
アルゼンチンに滞在して早1年半。
仕事上、基本的に毎日アルゼンチン人に囲まれて四六時中生のスペイン語を聞いて使っているので、来亜(?)時 直接法現在形以外の活用があやふやだったレベルのスペイン語は劇的に上達しました。
(でも昨日は見たことない形式の半セルフレジでスタッフが言っていることが一瞬分からず何度も聞き返し、凹みました。笑
chequearするからguardarしろ =カゴの中に入っているセルフスキャン済商品をこちらでチェックしたものからマイバッグに移していけ、という意味だったのがぱっと理解できなかった。セルフスキャンさせたものをもっかい支払い時にスタッフがいちいち全部確認するのではほぼ省労力になってないのでは….というのは置いといて。。。)

元々スペイン語という言語、スペイン語の地域差etcに興味がある私、
アルゼンチンのスペイン語に関して書きたい紹介したいことはいっぱいあるのですが、ありすぎるので、第1弾はタイトルのテーマで書くことにしました。
筆者は日本で大学時代に少し、就職してから少し、それぞれ授業やオンライン講座などでスペイン語を学びましたが、
その時のテキストでまず第一に出てきたような基本フレーズで、意外と日常会話で使われてないな~、使われる頻度少ないな~、と思うものはけっこうあります。今回はそういったフレーズとこちらでは代わりにどう言うことが多いのかを紹介したいと思います。
尚、筆者はスペイン語圏在住経験がアルゼンチンしかないので、紹介するフレーズが地域的に使われない(他の地域では使われている)のか、スペイン語ネイティブが一般的にあまり使わないのかは分かっていない部分があります。スペインでは普通によく使う!とかあったら知りたいです~
それではいってみましょう。

Usted (あなた)

表現というか二人称ですが、親しい間柄でない人、目上の人に使うと習ったustedはアルゼンチンでは口語で使われることはかなり稀です。接客や、見知らぬ他人に声をかける場面でたまに聞きますが、そういった場合でもvos*をいきなり使うことの方が多い気がします。年齢・役職関係なくビジネス上でも全てvosです。ustedは敬っているというよりかなりよそよそしく聞こえるみたいですね。

*アルゼンチン・ウルグアイではvoseoといって二人称単数でtuではなくvosを用います。活用も微妙に違う。アルゼンチンスペイン語の特徴であるこれについてはまたそのうち別に書こうと思います

Encantado/a (お会いできて嬉しいです)

スペイン語の授業の初回で習った基本中の基本の挨拶。…と思っていましたが、意外と滅多に聞きません。Un gusto (conocerte) / Mucho gusto のほうが圧倒的によく使われます。頻度としてはUn gusto : Encantado 30対1くらい。

Aqui tiene / Aqui tienes (はいどうぞ)

何かを手渡す時に使うと習ったこのフレーズ。汎用性高そうなのにめったに聞きません。Aqui tieneは接客の場面でごく稀に聞きますが、Aqui tienes (アルゼンチンでは言うとしたら Acá tenésになるのか?)に至っては一度も聞いたことがありません。
過剰に丁寧な表現に聞こえるらしく、じゃあ普段なんて言う?と訊いたところ、'Tomá (Tomarのvosに対する命令形)' かな、とのことでした。Tomáはわりと乱暴な表現なので親しい間柄しか使わないように思いますが、そもそも手渡すときにあまり何も言わないような気もします。
※追記: と思ってたんですが、Tomá は同僚がこないだ取引先かつかなり歳上の人にも昼食の場で使ってたので、特に乱暴ということもないようです。しかも、お客さんがわにサラダの味付け用のオイルとビネガーがあったのでこっちのサラダにかけてほしいという場面で使ってました。日本だったらそもそもお客さん相手に、調味料を手渡してもらうでもなくてポンとサラダ渡してこちらのためにかけてもらう、ってのはありえないですよね。むしろ(会社文化にもよるかもですが) お客さんの分まで全てこっちで味付けして取分けまでやるのがスタンダード…。こういったところでも文化の違いを感じます笑

Oiga / Oye (すみません / ねぇ、おい)

人を呼び止めたり注意を引いたりする時に使うと習った言葉。Oirの命令形ですが、こちらでは聞いたことありません。地域的なものかもしれません。
こちらで店員さんや見知らぬ人を呼び止めるときに使うのはDisculpeやSeñor/Señora, 親しい人をねぇ、おい、と呼び止める時にはEw やEy(どう綴るのかよく分かりませんが、エゥ、エィと発音)、
あるいは、てかさ!と話題を変えたりする時に使うのはCheですね。

Diga / Álo (もしもし)

電話に出る時のもしもしは、Diga、南米ではÁloが使われると習いましたが、どちらもアルゼンチンでは聞いたことがありません。かけるほうも受ける方ももっぱらHolaですね。仕事上の電話などで丁寧に言う時は (これは対面でもそうですが) Hola buenos dias など丁寧バージョンの挨拶をくっつけることも多いです。
また、親しい間柄でかけてきた相手がディスプレイ表示で誰だか分かっている場合は〇〇(←名前、あるいはamiga, mamáなど)Como estás? と出る場合が多いように思います。
さらに親しく頻繁に電話する間柄だと、短くEw や Siも使われたりします。日本語で「はい」と出るようなもんでしょうね。

De acuerdo (了解、承知しました)

了解の返答のde acuerdo。すこしフォーマルな表現と読んだことはありますが、ビジネスや接客含め実際に使われているのを一度も聞いたことがないように思います。
了解・合意の返答でよく使われるのはdale, bueno, listo, estamos, ok など、書き言葉ではプラスでentendido, anotadoなど。
因みにEstoy de acuerdo (同意、自分もそう思う) は普通に使われます。

Hasta la vista (またね)

親指を立てて沈んでいくサイボーグが思い出されるフレーズですが、残念ながら(?)実際の挨拶で使われているのを聞いたことがありません。
別れ際の挨拶でいちばんよく使われるのはChao nos vemosだと思いますが、
Hasta系ではHasta mañana, hasta luego, hasta la proxima, hasta prontoあたりは日常使われます。(それぞれ、次会うであろうタイミングによって使い分けられる)

Por supuesto (もちろん)

これは普通に使われはするのですが、当初思っていたような場面・頻度では使われないことにこちらに来てから気づきました。英語のof courseと感覚的にイコールではないみたいです。
具体的には、~だよね? -もちろん! みたいな軽い返しには使われず、わざわざ「当然そうである」ことを強調するような文脈で用いられているように思います。
軽い返しの'もちろん'では、claro, obvioが頻繁に使われます。(obvioはちょっと若者言葉)

Cuanto cuesta? (いくらですか)

大学時代に南米旅行した時は丸暗記したこのフレーズをひたすら使ってサバイバルしていたのを思い出します。
これは地域的なものっぽいのですが、アルゼンチンではCuanto sale?が一般的に使われておりCuanto cuesta?はほぼ聞きません。
あとは、Cuanto es?も言いますね。

Podrías ~?/ Podés ~?(~してもらえる?)

お願いするときの疑問形での表現。もちろん使われることは普通にありますが、英語のCan you ~?みたいな頻度では使われていません。改めて何かちょっと普段と違うことをお願いする時なんかには使いますが、それ取ってくれる?とかレシート発行してもらえますか?なんかの時にはちょっと仰々しすぎるイメージです。
ではどう言うのかというと、Me pasás el sal? (塩取ってくれる?) Me das el ticket? (レシートもらえますか)のように、二人称単数文の語尾を上げて言う表現が頻繁に使われています。
因みにスペイン語に慣れていないころ、何かを注文する時英語のCan I have ~? の直訳でPodría tener ~?とよく言っていたのですが、これは表現として完全におかしいそうです。あと、英語で注文する時 I want~はかなり直接的というか幼稚に聞こえ、まず使われませんが、こちらのスペイン語ではYo quiero ~は大人でも普通に使います。

Pequeño (小さい)

スペイン語をやり始めていちばん初めに覚えた形容詞の一つですが、アルゼンチンで使われているのをほぼ聞いたことがありません。全て、chico, chiquito, chiquititoですね。はじめはpequeñoが「小さい」に対してchicoが「ちっちゃい」みたいな口語表現なのかと思ってましたが、そういうわけでもなさそうです。 他の国ではpequeño使われるのか、気になってます。

Esposo / Esposa (夫、妻)

これは日本語で普段、夫が、妻が、よりも旦那(旦那さん)が、嫁(奥さん)が、という人が多いのと似ているかもしれません。esposo, esposaはかなり形式ばって聞こえる(おそらく日本語の夫、妻よりも)っぽいです。
ではどう言うのかというと、たいてい夫はmarido, 妻はmujerです。妻をmujerと呼ぶのは少し乱暴な響きがあるようで、mi señoraと意識的に呼ぶ人も多いです。またアルゼンチンは事実婚が多いので、パートナーを夫・妻ではなくmi parejaと呼ぶ場合も多いです。


とりあえず以上ですがまた思い出したら追加するかもしれません。
それでは、
Hasta la vista, baby


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