02.はじめてのリゾートバイト | 上高地
暑い。
日本の夏はこんなに暑かったっけ?
オーストラリアから帰国し、7年ぶりの夏の洗礼に早くもバテていた。
うだるような大阪の暑さに耐えきれず、避暑地に一ヶ月逃げることにした。
どこにしよう、と派遣会社に登録をし、涼しい場所を探していると、運よく上高地での一ヶ月間のリゾートバイトが決まった。
自然の中で稼ぎながらゆっくり過ごせればいいや、と思ってたわたし。
ところがこの一ヶ月が、忘れられない濃い日々となったのだ。
リゾートバイト自体が初めて、そして日本で働くのが7年ぶりだったため、初日は不安と緊張が入り混じっていた。
入る前から話には聞いていた女将さんのキツイ話し方に驚いた。
さらに、ここはまだ昭和なのか?というほどの古いしきたりなようなものを感じ、おや?大丈夫かな、自分・・・と心にもやがかかった。
ネガティブな自分がひょっこり顔を出しかけた中、いやいやせっかく来たんだ、思いっきり楽しもう!楽しくなる!
と思い切って決めてやった。
するとどうだろう?
まさに決めれば叶う、とはこのこと。
個性的な同僚も、クセの強い経営陣も、面白くてしょうがない。
3食無料の賄いは、想像以上に豪華で常にお腹がいっぱい。
オーストラリアで、キッチンの人間は短気だから料理長もきっと気難しいんだろうと思っていたが、正反対。
女子会に参加しても何の違和感もない温和な性格。
おしゃべり好きで怒らない。
ラッキー!
仕事自体はとってもシンプル。
チームの一員として役割を果たさせてもらってることに感謝しつつ、ゲーム感覚でいろんな楽しみを見つけていく。
食器洗浄機が洗い終える前に次の食器たちをセットできたら勝ちゲーム。
クセの強いマネージャーの独特な動きを観察して裏で爆笑。
愚痴を言って過ごすのも、笑って過ごすのも時間の流れ方は一緒。
だったら楽しく生きていきたい。
どうせ働くなら笑顔でありたいよね。
このバイト先がこれがまぁ個性的なメンバーが揃っていた。
正直、このメンバーたちとの出会いが、文章というツールで自己表現をしてみようというきっかけになったと言っても過言ではない。
そこで出会った宇宙人たちは追々紹介していきたい。
夜は同僚たちと流れ星を見に行ったり、何かにつけて『○○パーティー』と称しては集まって談笑。
例えば、万願寺とうがらしパーティー。
刺激物好きな同僚が6袋買ってきたとうがらしをひたすらいろんな方法で食す。
それに味を占めたわたしたちは、ズッキーニパーティーも開催。
これだけでも個性的な面々が集まっていたと想像できるだろう。
こんな宇宙人たち(わたしも含め)は最終日には、また必ず集まろう、と再会を約束した仲間になっていた。
毎日ある中抜けの時間は上高地の中心地である河童橋の方へスイーツを食べに行ったり、近くを散歩したり、河原で石を積んだり。
休みの日には上高地外へ散策によく行った。
忘れられないのが、人生初登山。
どうせ上高地にいるのなら、山に登ってみたい、実はそんな思いを持っていた。
同じ気持ちだった同僚と、このあたりでは一番初心者向けと呼ばれる場所へ向かうことにした。
結果
山は見るもの。登らない。決して。
初心者コースと言われた道のりは、登山未経験のわたしたちには罰ゲームレベル。
開始5分で登ったことを後悔。
道中の95パーセントは愚痴を言う、という今思うと何ともネタ満載なものだった。
登山をしている人たちを心からリスペクトしたと同時に気づいた。
わたしたちには向いていない、と。
あーしんどかった。
リゾートバイトをしてみたいと思った皆さん、ぜひ一歩踏み出してみて。
その時は
楽しくなるぞー!
というおまじないも忘れずに。
全ては自分次第。
〜美しい上高地の自然の写真たち〜
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