家族って何? Vol.18 〜父の怒り〜
姉妹でもいつも怒られるのは姉の方だけだった。
「お姉ちゃんなんだから」という理由ではなかった。
「勉強しない」
「片付けをしない」
という理由だったと思う。
ただ、それだけで姉は父からめちゃくちゃ怒られていた。
怒鳴られ、泣かされ。
母と父のダブルパンチの日もあった。
その姿を見て怒られたくないという一心で親の顔色を伺い、姉がやってから自分もやるというずる賢く、容量の良い生活をするように心がけるようになった。
父はろくに家にもいないし、勉強も教えない。
仕事ばかりで何にも知らないのに、なぜかこういう時だけ最終手段の様に口を出してくる。
「昭和の教育だ」と思えばそこまでだが、
その怒りに愛がこもっているのかと問いたくなるような怒り方だった。
母は父が怒った時にはずっと黙り込み。
片隅から見るだけ。
父に何にも逆らわず、姉を守ろうとしない母にも疑問が湧いた。
この光景を見て親に対して疑問と怒りを覚えていくようになったのだ。
そんな、父。
激怒するのは家族だけではなかった。
駐車場でたむろしているヤンキーがいて何日も同じ状況が続くとそのヤンキー達に怒鳴りに行っていた。
正義感なのかもしれないが、その正義感が少し違っているようにも思えた。
怖い父に振り回されることも多かったが、それが逆によかったこともあった。わずかだが。