THE YELLOW MONKEY「ソナタの暗闇」の歌詞を自分なりに考える
これまで私がTHE YELLOW MONKEYで一番好きな曲は「天国旅行」だったのだが、「ソナタの暗闇」はそれを上回りつつある。何度聴いても飽きない。曲を構成する要素の全てが神がかっている。3分という短い曲であるが、その分爆発力が感じられる。
「ソナタの暗闇」で一番好きなところは、2番Bメロの歌詞。
という部分だ。
2番のBメロという比較的目立たない部分で吉井和哉は凄いことを言っている。
「偉い人」。「ソナタの暗闇」には「ベートーべン」「フェイクニュース(=トランプ?)」などの偉人が登場する。この場面での「偉い人」とは、歴史を変えるような人物のことだろう。だが、私にはもっと深い意味が感じられる。それは戦争だ。
戦争の勝者はしばしば偉人として肖像画を描かれたり、紙幣の柄になったりする。その偉人たちが描かれている紙を、「まだまだ足りないの?」と言うことで、「戦争はこれからも繰り返される」「この世界はまだ未完成のままである」というメッセージを受け取ることが出来るのだ。
この世界はこれからも偉人と共に変わっていくだろう。そんな無常観を感じさせられるフレーズである。これを2番のBメロに置くセンス、なかなか真似できたものではない。
これは私の感じたことなので、本当の寓意は吉井和哉本人に聞かなければわからないが、この歌詞には考えさせられるものがある。それ以外にも「ソナタの暗闇」は聴き甲斐があるので、聴いたことのない方は是非。