【2023年度】共同記者会見の様子をお届けします|北欧デンマーク流の探究学習を学び・実践する「なめりかわ未来学校(サマースクール)」
2023年8月、北欧デンマーク流の探究学習を学び実践するサマースクール(夏休みに実施される子ども向けプログラム)が、日本で初めて創設されました。
その名も「なめりかわ未来学校」。富山県滑川市を舞台に行われる、4日間のプログラムです。
滑川の「おもしろい」をつくりたい人、あつまれ!
このテーマに惹かれて集まったのは、滑川市に住む小学5・6年生7人と中学生5人、県内在住の高校生・大学生・大学院生6人、計18人です。
ここに参画する社会人26人を交えて、子どもから大人まで幅広い年代のメンバーが交流し、一緒にフィールドワークやグループワークを行いました。
この記事では、「なめりかわ未来学校」の様子を全7回にわたってお届けします。
<公開中の記事>
【1】共同記者会見の様子
【2】オリエンテーションの様子
【3】サマースクールDay1の様子(前半)
【4】サマースクールDay1の様子(後半)
【5】サマースクールDay2の様子
【6】サマースクールDay3の様子
【7】サマースクールDay4の様子
【8】2023年度まとめ記事
滑川市の特徴
かつて北陸街道の宿場町として栄えた滑川市は、富山県の中央からやや北東に位置する、面積54.62㎢、人口約33,000人の市です。富山湾に面し、ホタルイカや海洋深層水に由来する海の資源と田園風景、3,000m級の立山連峰を仰ぎ見る自然豊かな環境があり、子育て支援策も充実しています。
近年では大型企業の立地が相次ぐなど工業都市としても発展を続けており、2022年2月に就任した水野達夫市長のもと、「滑川市版スマートシティ」の実現と「SDGs未来都市」に選定されるまちづくりを進めています。
なめりかわ未来学校とは?
この「なめりかわ未来学校」は、未来の滑川市を担う子どもたちの探究力を育み、滑川市を面白くする提案を募ろうと、「なめりかわ未来学校協議会」が実施主体となって創設したサマースクールです。
協議会を構成するのは、滑川市と滑川市教育委員会、株式会社レア、株式会社プロジェクトデザイン、富山県、国立研究開発法人産業技術総合研究所、滑川ライオンズクラブ、SOMPOリスクマネジメント株式会社、損保ジャパン株式会社などの9団体。
北欧デンマークの教育プログラムを研究開発する株式会社レアが中心となり、「なめりかわ未来学校」のプログラムを組み立てました。4日間で、子どもたちは企業見学や市内の主要施設の訪問、グループワークなどを通して自分の「志」を立て、滑川の未来を面白くするアイデアを提案します。
なめりかわ未来学校の特徴
これまでのサマースクールとは異なる、「なめりかわ未来学校」の特徴は2つあります。
ミックスエイジ(異年齢)
北欧デンマーク教育の導入
1つ目は、小学生と中学生が、幅広い年齢の人たち(高校生や大学生、大人まで)と関わりながら互いに学び合う点です。バックグラウンドや経験が異なる人々と交流することで、子どもたちの新しい発想を生み出す狙いがあります。
2つ目は、北欧デンマーク教育の良いところ(対話と体験を通した探究力の育成)を取り入れている点です。対話を通して「自分はどのような問いにおいて社会に貢献していくのか」を考え、自分の心と向き合ってやりたいことを突き詰めていく中で「自分の志」を磨いていくこと。それが、デンマーク流の探究学習だと言えます。
共同記者会見
「なめりかわ未来学校」のプログラムは、2023年8月25日(金)~28日(月)の4日間。これに先立ち、8月3日(木)に「なめりかわ未来学校協議会」による共同記者会見が行われました。
共同記者会見の会場は、滑川市中心部にある滑川市複合施設メリカ。まちなかの賑わいの創出と防災の拠点として、2023年4月に全館オープンした施設です。「なめりかわ未来学校」の会場としても用いられます。
はじめに、滑川市の水野達夫市長が「なめりかわ未来学校」の事業説明をし、趣旨を伝えました。
水野市長:夏休みに、普段と異なる環境でいろんな学びを通じて、滑川の地域資源や魅力を感じてもらいたい。学ぶ楽しさや喜び、感動を与え、滑川に留まらずグローバルに活躍する人材の育成につなげたい。
続いて、「なめりかわ未来学校」の運営責任者として、株式会社レアの共同代表、大本綾さんによる挨拶です。
大本さんは、世界中からイノベーターを目指す人々が集うデンマークのハイブリッド・ビジネス・デザインスクール、KAOSPILOT(カオスパイロット)を日本人で初めて卒業し、株式会社レアを立ち上げました。
大本さん:2021年に出会った柿沢副市長の強い想いがあり、今回のサマースクールが実現した。多様なメンバーが集まって学び合う場所をつくり、アントレプレナーシップや探究力を養う。『自分の想いがあるからやってみよう』と新しいアイデアを創出するなど、次世代の希望を共につくりたい。
この後、なめりかわ未来学校協議会メンバーの紹介がありました。
<なめりかわ未来学校協議会メンバー>
富⼭県庁知事政策局 川渕さん
上田良美滑川市教育長
柿沢副市長
水野市長
株式会社レア 大本共同代表
株式会社レア 坂本共同代表
株式会社レア プロジェクトディレクター 外川さん
株式会社プロジェクトデザイン 竹田取締役
滑川ライオンズクラブ 堤谷さん
SOMPOリスクマネジメント株式会社 伊橋さん・鈴木さん(オンラインで参加)
※集合写真の左から順に掲載
また、取材に訪れていた富山テレビ・北陸中日新聞・北日本新聞・読売新聞の記者からの質問に応える形で、それぞれの想いを語りました。
水野市長:滑川の子どもたちがこのまちに住んで良かったと感じ、未来へ向けてどうやって進んでいけば良いかを考える機会にする。
大本さん:子どもが家と学校の往復だけでなく、新しい出会いやワクワクする出来事を体験してもらう。
坂本さん:日本では家庭の所得格差により教育格差が生まれているが、デンマークのようにどんな子も簡単に参加できる機会をつくることで未来のキャリアデザインにつながる。熱中する体験を通して、これからの人生のキャリアや仕事のロールモデルについて考えるきっかけにする。未来の主人公である子どもたちの心(大切な思いやアイデア)から地域の大人が学ぶことで、子どもの希望を膨らませ、地域の希望にする。
また、大本さんは「なめりかわ未来学校の楽しみ方」として、次の4つを紹介しました。
すべては私から始まる
まずは一歩踏み出してみよう、失敗大歓迎
対話の力を信じる
実践から学ぶ
サマースクールを通して滑川市について知ること、多くの人と関わって対話を重ねること、体験を通して自分の心と向き合うこと、それらが、今後の人生を生きる上で大きな意味を持つと言えます。
メディア掲載
記者会見の様子は、各メディアのサイトからもご覧いただけます。
滑川をもっと良い町に 小学生から大学生参加「未来学校」創設、市にアイデア提案へ|北日本新聞webunプラス(※有料会員限定の記事です)
「なめりかわ未来学校」のプログラム内容
「なめりかわ未来学校」のプログラムは以下の内容で行われました。
2023年8月3日(木)Day0
オリエンテーションアイスブレイク
自己紹介
サマースクールに向けた意気込み
2023年8月25日(金)Day1
市内の企業見学、自然を学ぶフィールドワークデザイン思考をベースとしたインプット
産業機械メーカーのスギノマシン本社・早月事業所の見学
私の「こころざし」グループ内での発表
早月川河口で河原遊び
早月川上流のみのわ温泉村で川の見学
東福寺野自然公園
2023年8月26日(土)Day2
自分たちで問いを考えるグループワーク滑川市内の主要施設(※)を訪問・関係者にインタビュー
グループワーク
※市役所、メリカ、ほたるいかミュージアム、博物館、ショッピングセンター・エール、朱雀堂の6か所のうち、グループごとに2か所を巡る
2023年8月27日(日)Day3
「面白い未来」を考えるワークショップイラストの描き方レクチャー
4コマ漫画のプロトタイプ作成
2023年8月28日(月)Day4(最終日)
アイデアの発表、修了者に「なめりかわミライクリエイターズ認定証」授与4コマ漫画のブラッシュアップ
グループごとの発表
私の「こころざし」全体での発表
「なめりかわミライクリエイターズ認定証」授与
ご案内
次回の記事では、記者会見と同じ8月3日の午後に行われたオリエンテーションの様子をお伝えします。
オリエンテーションの様子をお届けします|北欧デンマーク流の探究学習を学び・実践する「なめりかわ未来学校(サマースクール)」
本格的なプログラムの開始前にも関わらず、アイスブレイクのゲームやサマースクールへの意気込みの発表などで盛り上がりました。
次回もお楽しみに!
<公開中の記事>
【1】共同記者会見の様子
【2】オリエンテーションの様子
【3】サマースクールDay1の様子(前半)
【4】サマースクールDay1の様子(後半)
【5】サマースクールDay2の様子
【6】サマースクールDay3の様子
【7】サマースクールDay4の様子
【8】2023年度まとめ記事
テキスト・写真:なめりかわ未来学校協議会/
株式会社プロジェクトデザイン 古野知晴
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