TeXで化学の構造式を書く(chemfig)

最近Cloud LaTeXを使って構造式を書くのにハマっているので、便利なコードや、構造式の例を載せておきます。
※注意:筆者はただの理系大学生であり、教授や専門家ではないので、間違ったことを言っている可能性があります


まず、構造式をきれいに書くために筆者が使っている初期設定から
一つ目は、構造式のフォントだけをゴシックにできるコード(\begin{document}の前に書く)
これはネットで見つけたもののコピペなのでリンクも貼っておきますが、筆者は仕組みを理解していません!

\makeatletter
\def\Hv@scale{0.90}
\makeatother
\DeclareMathAlphabet{\foo}{OT1}{phv}{m}{n}
\renewcommand*\printatom[1]{\ensuremath{\foo{#1}}}

\newcommand*{\myfont}{\fontfamily{phv}\selectfont}
\DeclareTextFontCommand{\textHv}{\myfont}

二つ目は、結合の太さと長さ、二重結合の間隔の設定
1行目が結合の太さ(デフォルトは0.4pt)、
2行目が結合の長さ(デフォルトは3em)、
3行目が二重結合の間隔(デフォルトは0.2em)
の設定

\setchemfig{chemfig style={line width=0.6pt}}
\setchemfig{atom sep=1.5em}
\setchemfig{double bond sep=0.3em}

次は、(chemfigに関係ないけど)化学でよく使う濃度の書き方
濃度は四角カッコ[ ]で括って、中は斜体ではなく立体で書くことになっている。しかしこれを毎回書くのは面倒なので、新しいコードを定義した方が早い。

\newcommand{\noudo}[1]{\left[ \mathrm{{#1}} \right]}

とすれば、\noudo{}の{ }内に化学式を書くだけで済む。例えば

$$\newcommand{\noudo}[1]{\left[ \mathrm{{#1}} \right]}
K_\mathrm{a} = \frac{\noudo{A^-}\noudo{H^+}}{\noudo{HA}}$$

とすれば、$${K_a}$$の公式が出せる。


さて、本題の構造式のコード
ネットにないものを載せているつもりですが、もし被ってしまったらすみません。指摘していただけたら幸いです。

ジエチルエーテル(diethyl ether)、エトキシエタン(ethoxyethane)

\chemfig{-[:30]-[:-30]O-[:30]-[:-30]}

エチレンオキシド(ethylene oxide)、エポキシエタン(epoxyethane)、オキシラン(oxirane)、オキサシクロプロパン(oxacyclopropane)、酸化エチレン・エチレンオキサイド(ethylene oxide)、EO、1,2-エポキシエタン(1,2-epoxyethane)

\chemfig{[:-30]*3(--O-)}

ピロール(PyrroleまたはPyrrol)
※Hが文章と被ってしまうため、下に空行を1行入れる必要がある
(二重結合を単結合に変えれば、ピロリジン(pyrrolidine)にできる)

\chemfig{[:-18]*5(-\chembelow{N}{H}-=-=)}

フラン(furan)
(二重結合を単結合に変えればテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)に、OをSに変えればチオフェン(thiophene)にできる)

\chemfig{[:-18]*5(-O-=-=)}

ピリジン

\chemfig{*6(-N=-=-=)}

ピペリジン
※Hが文章と被ってしまうため、下に空行を1行入れる必要がある

\chemfig{*6(-\chembelow{N}{H}-----)}

アセチリドアニオン

\chemfig{H-~[,1.5]\charge{0=\:}{\vphantom{H}}\hspace{0.5em}^{-}}

2,4,6-トリニトロトルエン(TNT)

\chemfig{*6(=(-NO_2)-=(-NO_2)-(-CH_3)=(-O_2N)-)}

シクロヘキサンのイス型配座2つ(置換基をR1〜R12としている)
(高さを揃えるために、出発している炭素が異なります。)

\chemfig[atom sep=3em]{?(-[:190,0.6]R_1)(-[2,0.5]R_2)-[:-60](-[:170,0.6]R_3)(-[6,0.5]R_4)-[:10](-[:-55,0.6]R_5)(-[2,0.5]R_6)-[:-10](-[:10,0.6]R_7)(-[6,0.5]R_8)-[:120](-[:-10,0.6]R_9)(-[2,0.5]R_{10})-[:190]?(-[:140,0.6]R_{11})(-[6,0.5]R_{12})}
\chemfig[atom sep=3em]{?(-[2,0.5]R_{11})(-[:190,0.6]R_{12})-[:-10](-[6,0.5]R_9)(-[:40,0.6]R_{10})-[:10](-[2,0.5]R_7)(-[:-10,0.6]R_8)-[:240](-[6,0.5]R_5)(-[:10,0.6]R_6)-[:170](-[2,0.5]R_3)(-[:235,0.6]R_4)-[:190]?(-[6,0.5]R_1)(-[:170,0.6]R_2)}

上:[12]アヌレン
下:[18]アヌレン

\chemfig{*6(-=-=*6(-=-=*6(-=-=)))}
\chemfig{[:-60]*6(-=-*6(=-=*6(-=-*6(=-=*6(-=-*6(=-=))))))}

シクロヘプタトリエン

\chemfig{*7(-=--=-=)}

ヘプタレン

\chemfig{*7(-=-=*7(-=-=-=-)--=)}

アセチルCoA(向きが違う2つを作りました)

\chemfig{CH_3-[:30,1.2](=[2]O)-[:-30,1.2]SCoA}
\chemfig{H_3C-[:-30,1.2](=[6]O)-[:30,1.2]SCoA}

マロニルCoA(CO_2Hを1原子ずつ書いたのが上、CO_2Hと省略して書いたのが下)

\chemfig{(-[6](=[:210]O)-[:-30]O-[6]H)-[:30](=[2]O)-[:-30,1.2]SCoA}
\chemfig{(-[6]CO_2H)-[:30](=[2]O)-[:-30,1.2]SCoA}

ジメチルアリル二リン酸(Dimethylallyl Diphosphate, DMADP)、ジメチルアリルピロリン酸(Dimethylallyl Pyrophosphate, DMAPP)

\chemfig{-[:30](-[2])=^[:-30]-[:30]-[:-30]OPP}

イソペンテニル二リン酸(Isopentenyl Diphosphate)、イソペンテニルピロリン酸(Isopentenyl Pyrophosphate, IPP)

\chemfig{=[:30](-[2])-[:-30]-[:30]-[:-30]OPP}

また何か作ったら、追加していきます


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