「ライターになるならやっぱり東京」なのか?・関口威人の「フリー日和 (⌒∇⌒)□」
今週、久々に東京に出張していました。
選挙とはまったく関係のない取材でしたが、アレは見ないわけにいかないだろうと、ちょっと寄り道してアレを探し歩きました。
ありましたよ、確かに。
やっぱり、なんだかなあとは思いました。でも、告示直後の過激なものもX(旧Twitter)でさんざん見てしまっていたので、これぐらいならまだおとなしく見えてしまいました。
ちょっと郊外に行くと、NHK党やジョーカーたちも手が足りていないのか、主要候補中心に10人ぐらいのポスターしか張られず、スカスカの掲示板もありました。投票まであと1週間ちょっとしかないんですけど、もうやる気はないんでしょうね……。
とにかく不思議なことが起こる東京ですが、個人的には名古屋から行くと、いつも感じることがあります。
電車の中に「本」の宣伝がやたら多いなということです。
しかも東洋経済のビジネス本から、いかにもマイナーそうな自己啓発本まで、けっこう幅広い。こういうのはもう名古屋の電車内ではほとんど見かけません。
書店も少なくなったとはいえ都心の店は十分多いし大きいし、中に入ると品ぞろえに圧倒されます。やっぱり東京は文化の中心地だなあとあらためて実感させられます。
「名古屋ローカルでいこう」と思ったわけ
僕が16年前に会社を辞めて独立すると宣言したとき、周りからは「へぇー、じゃあ東京行くの?」と普通に言われました。
そこには「名古屋でフリーでなんかやっていけないよね」という含みがありました。
確かに僕もそう思ってました。
でも、だからこそ「名古屋でやっていこう」と思いました。
一つは、中日新聞というローカル紙でローカル魂というかローカル根性というかを、徹底的にたたき込まれたから。
もう一つは、そこでの経験や人脈を、フリーで深めたいと思った防災や環境といったテーマで生かせそう、いや生かさなきゃと思ったからです。
防災ではレスキューストックヤードとの出会いがあり、環境ではちょうどCOP10が始まろうとしていたのが大きなチャンスでした。
それが東京との差別化にもなる。
よし、だから名古屋で、フリーで、勝負しよう!
と決意しました。
とはいっても無謀でしたから、いきなり裁判沙汰になるぐらいの痛い目にあったのは前々回に書いた通りです(^ ^;
でもその後、名古屋エリアでも思っていた以上にフリーの人たちが多いことを知り、そうした人たちの縁に助けてもらいながら、なんとか前に進んでいけました。
東日本大震災後はフリーの収入がほとんどゼロになった時期もありましたが、風媒社から継続的に仕事をもらったり、中日メディアブレーンから環境情報紙「Risa」を任せてもらえたり。当時、毎年発行されていた東洋経済の名古屋臨時増刊号も2012年から関わらせてもらい、後に東洋経済オンラインにも執筆できるようになったのは大きかったです。
「ニュース砂漠」は危機かチャンスか
そんなフリーランスつながりの一人に、東京在住の亀松太郎さんがいます。
亀松さんとは「ニコニコ動画」(今いろいろ大変なところですが)時代に河村市長の取材で名古屋に来られていたときに初めてお会いし、その後「弁護士ドットコム」編集長時代にも名古屋のさまざまな裁判記事の執筆を任せてもらいました。
今は「なメ研」と兄弟関係?にある「あしたメディア研究会」を主宰されていて、互いに会員(ニュースレターのサポートメンバー)にもなっています。
その「あメ研」で先日、「ローカルメディア」をテーマにしたオンライン勉強会が始まったので、さっそく参加させてもらいました。
亀松さんがアメリカから取り寄せた(まだ日本語の翻訳書がない)『What Works in Community News : Media Startups, News Deserts, and the Future of the Fourth Estate(地域ニュースの成功事例:メディア・スタートアップ、ニュース砂漠、そして、第四の権力の未来)』という書籍の内容を紹介しながら、参加者が感想や意見を述べ合うという形式。
6月26日の第1回を皮切りに、最低3回ほどのシリーズとして行いたいそうです。(2回目以降の日程は未定)
有料(月額980円のサポートメンバーは無料、非会員は1回1200円)なので詳細には触れませんが、初回の第1章までの内容だけでも、めちゃくちゃ興味深い事例やその分析が示されて、パソコンの前で思わず身を乗り出しながら聞いてしまいました。
(※ 本記事は2024年6月29日のニュースレター配信記事のnote版です)
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