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NASCAR ARCADE(ナスカーアーケード)はアーケードの域を超えていた。

今回バック・トゥ・ザ・アーケード(通称:BTTA)さんでナスカーアーケードをプレイし、無事初級コース(ある意味最上級)一位を獲得したので、レビューを書かせていただく。

NASCAR ARCADEの概要

セガから出たナスカーを題材にしたレーシングゲームであるが、セガでナスカーと言えば「デイトナUSA」がまず思い浮かぶ。
クラッシュしたときのダイナミックさ、ユニークな小ネタ、そして爽快なドリフト。かつての代表的なアーケードレースゲームの一つとも言える。
しかし、2000年に稼働開始したナスカーアーケードは根本から違った。

なんといっても挙動の素直さ、ハンドルから伝わるインフォメーション(情報)の豊かさ、敵車達との駆け引き。気を抜いたらスピンしてしまう緊張感。
特に面白い点は従来のアーケードレースゲームでは一周、もしくは1セクターするごとに時間延長されるが、このゲームでは指定された順位を上げていくたび時間延長される。

NASCAR ARCADEの難しさ

ただただラインどりがうまいだけでは順位は上がらず、ドラフト(スリップストリーム)を使ってスピードを上げていく。そのため、一番スピードがでやすい初級が一番熱く、上位を取るのはとても難しい
いくらタイムランキングで早くても、レース結果では6位などザラである

敵車を追い抜くだけではなく敵車にくっついていき、上位を狙う
3位圏内になったところで勝負所。ここはもう完全に駆け引きである
なぜアーケードなのにこんなにも難しいのか?
忘れてはならない。題材はナスカーだからだ。

NASCARの偏見と本当の魅力、そしてアーケードへの落とし込み

ナスカーといえばよく映像で見るのはハイスピード故のエクストリームなクラッシュ。車は炎上し、ピットでドライバー同士で殴り合う。まさにアメリカンな光景だ。

しかし、ナスカーは極めて繊細なモータースポーツともいえる。
大きなオーバルコースとなると4レーンの中で車達が魚群になり、それを崩さないように順位を入れ替えていく。少しでも取返しのつかないミスをすればすべての車が巻き添えになってしまう。
競馬でもツール・ド・フランスでもそう、魚群になることで空気抵抗が少なくなりより互いに速くすることができる。その面白さを追求し、実現できたのがナスカーアーケードと言えるだろう。

当時の本気さを味わえるNASCAR ARCADE

今でこそシミュレーター(iRacing等)でNASCARカテゴリーがあったり、家庭用でいくらでも楽しめるようになった。
一方で、今のゲーセンの頭文字Dや湾岸ミッドナイトで、白熱の抜き合いも手軽にできるようになった。
ただ、絶妙な駆け引きができ、体感ゲームとしてインスタント且つ戦略性のあるゲームとしては、ナスカーアーケードは存在意義のある貴重なゲームと言えるだろう。

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