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20,05,11。家庭用ゲームの思い出⑧

「プレイヤーがより感情移入しやすいように」とのコンセプトが基本にあったといわれるファイヤーエンブレムですが、その狙いは見事に成功と言うかそれ以上でした。

ひいき目に見てもパッとしないグラフィックで表示されるキャラクター達であってもセリフはあるしバックボーンが描かれているとなるとやはり戦車や航空機のように消耗品扱いなど出来なくなっていきます。

戦闘における敗北=マジで死ゆえにそのシステムを理解すると同時に戦闘シーンには毎回緊張感が付きまとう事に。

当然毎回すべてのキャラが出陣できるわけではありませんから自然とレギュラーユニットと補欠達になっていくのですがレベルUPでユニットを強くする為には戦わなくてはいけない以上、マップ攻略が進んでストーリーが進行していくに従いレベルの差は大きくなっていきます。

いくつかのマップには闘技場と言う施設がありそこで戦闘する事でレベルも上がり賞金まで稼げることが分かりました。これで補欠達のレベル上げが出来るかなと思いましたがどっこいそう簡単には使えません。この闘技場での敗北も死だったからです。

また、レベルの高いユニットや優秀な装備でさえ気休めに過ぎません。
戦闘にはクラスごとの相性と言うか得手不得手が存在し、天馬にまたがり大活躍なペガサスナイトですら弓で射られるとあっさり死亡したり、異常に魔法攻撃に弱いユニットがいたりするので気が抜けません。

特に腹ただしかったのが僧侶ユニットのレベルUPでした。

通常のRPGであれば回復等の魔法を使う事でレベルが上がってくれる物なのにファイヤーエンブレムの世界ではレベルUPの手段が「敵に攻撃される事」なのです。うっかり強力な攻撃を食らえば死に直結ですし、見た目がいかにもな坊主頭のお年寄りであればドライに接する事も可能ですが、うら若き乙女の僧侶が敵の攻撃でレベルUPなんて背徳感満載過ぎでしょう。

戦闘に欠かせない武器に耐久力がある事や持ち運べるアイテムに上限があったりアイテムの受け渡しにターンを消費する等、今思い出してもやたらプレイヤーを苦しめる縛りの多かったゲームでしたが、そんな縛りに耐え抜いて困難なマップを犠牲者を出すことなくクリアした喜びもまた格別でした。

確か全25のマップで構成されていた記憶があるファイアーエンブレムですが序盤のフレンドリーなバランスに対して後半のマップの攻略困難さは後の多くのSLRPGに比べると正に極悪非道と言っても過言ではないレベルだったのです。

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