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ライターの職業病!?「言語化はやめて、感じて」と言われた話。

最近、カラダのメンテナンスに時間とお金を投入しています。

ニューヨークから帰国して以来、時差ボケがずっと続いているような感じ。なんとなくダルいし、慢性的な肩こりなどもあるし、「忙しくなる前に、体を立て直そう」という軽い気持ちだったのですが、整体やマッサージ、よもぎ蒸し、ヘッドマッサージ、ピラティス…。どんどん沼にはまっています。
(みんな『最初は週2日通え』と言うけれど、私の一週間は7日しかないので、忙しい)

どこに行っても、思った以上に「すごい状態」だと指摘されます。首や肩を触った人はみな「え?」と驚くのです。先日も、若いお兄さんに「華奢な体に似合わず、ガッチガチですね。ヤバいですね」と言われて、「そうなんです。パソコン作業が多いので」と、マッサージでなぐさめてもらって、そんな時間にささやかな癒しを感じたりして。

でも、そんな癒しは偽りだっと気づくきっかけになったのが、最近たどりついた施術。
この施術をしてくれるのは、お母さんのような包容力のある女性。部屋に入った瞬間に、「あなた、大変よ。交感神経がマックス」「呼吸が浅い」と言われました。

私の現状を話すと、お母さん(仮名)の解説はこう。

「まず、引っ越しも長時間のフライトも、思っている以上に精神にも、内臓を含む全身にも負担がかかるので、焦ってすぐに日常生活をこなそうとしたらダメ。休んで」「よい姿勢を保とうとしすぎて、体が常に緊張している」「しかもよい姿勢に見えるのは見せかけで、ただの反り腰」「首肩がガチガチ。ストレートネック」

さらには、私がライターだと告げると、「職業病!うち、ライターのお客さん多いけれど、みんなボロボロ。ムリして精神を病む人もいる」と。

「いえ、私は仕事に関しては、ストレスゼロなんですよね。楽しいので」と言っても、聞いてくれない。

「インタビューするなら、下調べの事前準備して、当日は自分を装って、初対面の人に会って、話を聴くわけでしょ?そもそも、初対面の人に会うって、すごくエネルギーを消耗するのよ?で、そのあと、また家でずっとパソコンに向かって文章書くわけでしょ?」

ライターの仕事をよく理解してくれていて、驚く。確かにおっしゃる通りですが、でも「仕事のストレスは特にない」と繰り返す私。

施術後の会話の途中で、「明らかに、思考優位ね」と指摘され、「そうですか?」と聞くと、「そうよ。さっきも『これは何に効くんですか?』とか、そんなこと聞いてたじゃない。どうせ施術中も、リラックスしないで脳を働かせて、『この施術は…』とか、言語化しようとしてたんでしょ!」と。

私のキーワードでもある「言語化」という表現が出てきて、調子にのった私が、「あぁ、確かに!ライターなので、どこにいても、人やサービスを言語化しようとしているんです」と話を始めると、彼女はそれをさえぎった。

それもいらない!「ライターなので」とか、そういう思考、いらない。
”無”になって!
私もかつてはバリキャラだったからわかるけれど、言語を使う仕事や、マーケティングをしている人は、「これのメリットは」とか「これの意図は」とか、いちいち考えすぎ。
そのうち、「自分は幸せか」「勝ち組か負け組か」とか、いらないことを考えて、脳を使って、疲弊するのよ。
仕事以外では、自分が何者であるかなんて、そういう思考はやめて、ただ、”無”になって!
仕事しても、しなくても、役に立っても立たなくても、意味があってもなくても、自分には価値があると感じられたら、筋肉の緊張はなくなるわよ。

確かに、「脳が休んでいない」というのは、10年以上前から色んなところで指摘されてきたことです。思考の中身が高尚がどうかは関係なく(どちらかというと、無駄な妄想が多い)、とにかく「寝ている間も、脳みそが動いている」「脳を休ませて」と繰り返し言われてきました。
(寝ている間の噛み締めが強かったり、眉間にシワを寄せていたり、側頭筋が硬いのもそのせいとか。でも寝ている間のことは、どうしようもない…)

「言葉で誰かに伝えること」を考える前に、自分で感じて。

彼女の言葉は、いちいち、思い当たるので、耳が痛いのです。

あちこちの施術やクリニックをめぐっては、「これをすれば、これに効きます」という言葉ばかりを求めていた私。

まずは自分の体の変化に敏感になって、「頭ではなく、体で感じて」ということですね。

リラックスしに行っているつもりが、どこに行っても、体の芯からリラックスはできていなかったんだなぁと。お母さんの指摘で、気づくことができました。

オフのときは、体で感じる私になって、全身脱力を目指します。「イメージはスライムで!」
…と書いて気づく。
「スライムとか、そんな言語化いらない」。

言葉にできなくてもいいので、ただ、感じるだけでいいのでした。この訓練は長期戦になりそうです。



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なまず美紀/インタビュア&ライター
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