梢の擦れる 小鳥のさえずる 風にゆらめく 気取らない五線譜 途絶えることのない 有機のながれに 耳をすまして 朝をむかえる 揺れるつり革 疲労の色 車窓越し 水…
「夜の一時三十分をまわりました。十一月九日木曜日、ここからは、『夜風のRADIO』のお時間です。パーソナリティは、わたくし、室山風花が担当させていただきます。よろし…
はるか遠くの 呑気なチャイム 人類の放課後 昨日おきた 天変地異 (ほんもの) 校庭の遊具の全部がひしゃげて 机や椅子のガラクタが宙に舞う。 ぜんぶ嫌なものだっ…
【まえがき】これを書いた当時、治す(直す)ことと労働について考えていました。 ファミリーレストランは、今日も大勢の客で賑わっている。ここでは、特に夕刻から夜中に…
隣人愛なんて嘘っぱちかと思ったわ だって自分のことさえわからないし 自分のことさえ愛せないから。 でもふと思いついた 隣人のことであれば 自分のことよりもわかる…
①に続けて、拙作ですが、誰かの心を少しでも揺らすことができれば嬉しいかぎりです。 『白玉』 白玉の 甘く冷たいシロップの膜に 提灯の淡いあかりが映る もうじき、…
他の皆様のものと比べるとずいぶんと拙作ですが、私が今年書いた詩のうち、お気に入りのもの①です。 『さるかに』 抜けるように青い空 突如として ぷかりぷかりと宙を…
『白玉』 白玉の 甘く冷たいシロップの膜に 提灯の淡いあかりが映る もうじき、花火が打ち上がる 『生命』 幾本もの手足をばたつかせながら 見えない炎に焼か…
『純粋、時間』 大きく振りかぶって 打ち下ろす 閃光 とび散る煌めき、歪ひずみ、蝸牛の秒針、廻る灯籠、ちりぬるを 知床の流氷 白神の山々 それより…
窓から見える空は、今日も青く澄んでいて、雲はのんびりと漂い、太陽がそこから顔を出したり、隠したりを繰り返している。 時々見える灰色がかった雲は、雲の白さと空の青…
パジャマ姿と寝ぼけ眼。とりあえず器に注いだコーンフレーク 牛乳を上からたっぷりと注いで でも、大して食欲もない。 だから数口だけ食べて、あとはスプーンでそれを左…
コンビニ弁当は、生ぬるくて、それでいて冷たくて、ぼんやりとしている 眠気覚ましのインスタントコーヒーは、気持ちの悪い酸味と、粉っぽさが際立つ エナジ…
開園前のそこは、私の知っている、人で溢れかえった賑やかな場所とは程遠くて、視界に入ってくるのは、風になびく木々と、園内に咲き誇る色とりどりの花々だった。 昨…
日差しの降り注ぐ地方球場のスタンドには、ちらほら人影が見える。 夏の暑さを思い出させるように日が照りつける、六月。まだ少ない蝉の声が微かに聞こえる。そんな甲…
私がこの記事を書く理由。それは、紛れもなく現在進行形で私がそれをプレイし、毎日のように熱狂しているからである。 新作の発売から10年以上の年月が経ち、パワプロ…
鯰川ゆら
2024年8月9日 18:03
梢の擦れる小鳥のさえずる風にゆらめく 気取らない五線譜途絶えることのない 有機のながれに耳をすまして 朝をむかえる揺れるつり革 疲労の色車窓越し 水平線から夕陽に染まっていく思い出されるのは──夕焼けこやけの町内放送枯れ草を積んだのろまの軽トラあぜ道と斜陽大きなランドセル 小学生 黄色い声──暮れなずむ日 影の伸びた駅前で高校生が手を振りあってい
2024年8月9日 16:51
「夜の一時三十分をまわりました。十一月九日木曜日、ここからは、『夜風のRADIO』のお時間です。パーソナリティは、わたくし、室山風花が担当させていただきます。よろしくお願いします〜」 勉強机の上のポータブルラジオが、肌寒い夜に彩りを与える。僕はそんな放送をバックミュージックに、大学入試の過去問とにらめっこをしながら、手元のルーズリーフにシャープペンシルを走らせている。 大学入試を二ヶ月後に
2024年8月9日 16:34
はるか遠くの 呑気なチャイム人類の放課後昨日おきた 天変地異 (ほんもの)校庭の遊具の全部がひしゃげて机や椅子のガラクタが宙に舞う。ぜんぶ嫌なものだったのだけれどちょっとだけ、哀の微動。小さなうさぎ小屋と 揺れる木々の緑の見えるあの窓だけはわたしに寄り添ってくれたっけ。今なら、ほんのすこしだけ、また屋上へ続く階段で ひとりで三角座りをしてもいいよ。
2024年8月9日 16:18
【まえがき】これを書いた当時、治す(直す)ことと労働について考えていました。 ファミリーレストランは、今日も大勢の客で賑わっている。ここでは、特に夕刻から夜中にかけて、多くの客が訪れる。その客というのも、一人暮らしの若いサラリーマンから、部活帰りの学生、家族連れなど、年齢や性別ともに様々である。様々な背景を抱えた様々な人間が、この場所でひとときの時間を過ごし、どこかへ去って行く。 さて、そ
2024年4月22日 01:23
隣人愛なんて嘘っぱちかと思ったわだって自分のことさえわからないし自分のことさえ愛せないから。でもふと思いついた隣人のことであれば自分のことよりもわかる気がするのでわたしは愛を振りまける。ドーナツ型の愛情でまんまるの穴から 愛が溢れ落ちてゆく。愛が溢れ落ちてゆく。
2023年9月22日 23:17
①に続けて、拙作ですが、誰かの心を少しでも揺らすことができれば嬉しいかぎりです。『白玉』白玉の 甘く冷たいシロップの膜に提灯の淡いあかりが映るもうじき、花火が打ち上がる 『流れ星』わたしが流れ星と添い遂げるこの夜は皆さんにとっては、平凡で、たいそう退屈な夜だと思いますがどうか、流れ星に照らされるわたしをいや、わたしの隣で身を削りながら光る流れ星だけでも こ
2023年9月22日 23:11
他の皆様のものと比べるとずいぶんと拙作ですが、私が今年書いた詩のうち、お気に入りのもの①です。『さるかに』抜けるように青い空突如としてぷかりぷかりと宙を舞う橙──そして降りそそぐ 柿!柿!柿!それは燦爛たるエンドロール『共鳴』きみとの共鳴自と他を超えたその響きにうるおい、隅々にまで沁みわたる親和性の彼方にあってわたしたちは渇きを忘れる『特急列車』
2023年8月13日 13:03
『白玉』白玉の 甘く冷たいシロップの膜に提灯の淡いあかりが映るもうじき、花火が打ち上がる 『生命』幾本もの手足をばたつかせながら見えない炎に焼かれるように 藻掻き苦しみ息絶えるまでの数十秒僕は目をそらして一本の化学兵器を右手に持ったまま 遍く生命が平等であることを願う『スワイプ』眼の前にとまったトンボに人差し指を向け 左から右へスワイプしてみるが
2023年5月22日 19:35
『純粋、時間』 大きく振りかぶって 打ち下ろす 閃光 とび散る煌めき、歪ひずみ、蝸牛の秒針、廻る灯籠、ちりぬるを 知床の流氷 白神の山々 それより、もっと自然。 『生命体系』 命の滴る 鉤爪を食い込ませて 空高く誘われる。 その光景にあっけにとられ 空を見上げる私、それを捉える視線、一閃 そうしてまもなく、私も体系の一部だったのだと知る
2022年6月15日 22:13
窓から見える空は、今日も青く澄んでいて、雲はのんびりと漂い、太陽がそこから顔を出したり、隠したりを繰り返している。時々見える灰色がかった雲は、雲の白さと空の青をより際立たせている。いつもと変わらない日常。しかし────。僕は隣にあるタイマーを見た。デジタルのシンプルな画面には90:00の文字が映されている。そこに示されているのは、地球が跡形もなく爆発するまでの時間だった。
2022年6月13日 14:31
パジャマ姿と寝ぼけ眼。とりあえず器に注いだコーンフレーク牛乳を上からたっぷりと注いででも、大して食欲もない。だから数口だけ食べて、あとはスプーンでそれを左右にかき混ぜていた。サラサラと音が鳴る。爽やかだ。この音、この動き。私は知っている。海だ! 幼い頃、旅行先で見た海に似ている!迫り来る波とサーファー! ヨット! 遠くに見える船! 海面に反射する太陽!砂浜と、砂まみ
2022年4月15日 09:27
コンビニ弁当は、生ぬるくて、それでいて冷たくて、ぼんやりとしている 眠気覚ましのインスタントコーヒーは、気持ちの悪い酸味と、粉っぽさが際立つ エナジードリンクは、香料が脳みそを掻き乱して、得体の知れない液体が炭酸が抜けた身体を巡る それら全てが、慢性的な頭痛を鈍く響かせる
2022年4月14日 23:29
開園前のそこは、私の知っている、人で溢れかえった賑やかな場所とは程遠くて、視界に入ってくるのは、風になびく木々と、園内に咲き誇る色とりどりの花々だった。 昨日の閉園から誰の靴も踏み入っていないこの道には、淡い色の桜の花びらがコンクリートの黒を塗り替えるように敷き詰まっていて、ふわふわと朝日に照らされて眩く光っている。 頭上を覆うように伸びるたくさんの木々から、鳥のさえずりが甲高く響いた。
2022年3月3日 02:08
日差しの降り注ぐ地方球場のスタンドには、ちらほら人影が見える。 夏の暑さを思い出させるように日が照りつける、六月。まだ少ない蝉の声が微かに聞こえる。そんな甲子園の地方予選。 まだ地方予選の二回戦ということもあって、応援とかはほとんどないけれど、そんなことはグラウンドに立つ僕らにとっては関係なかった。 ただ汗を流しながら白球を追うことだけに、僕らは集中し、熱中していた。 プレイボ
2022年3月1日 20:43
私がこの記事を書く理由。それは、紛れもなく現在進行形で私がそれをプレイし、毎日のように熱狂しているからである。 新作の発売から10年以上の年月が経ち、パワプロクンポケット(通称パワポケ)シリーズは、かつての人気は影を潜めていた。 しかし、なんと過去作のリメイクがNintendoSwitchで登場した。これはほんとうに嬉しい誤算だった。 悲しいかな、売上はボチボチだったようだが、それ