ヨルモルキミリ、考察と備忘録
ヨルモルキミリという傑作RPGに関して、備忘録代わりに考察を書き連ねていこうと思います。というのも、僕はフリゲ黄金期時代から「タオルケットをもう一度」シリーズの大ファンで、おそらく5年後か10年後ぐらいに再燃して1,2周またプレイする事があると思うので、自分用に残しておきます。
前提
・以降、ヨルモルキミリ無印をヨルモルキミリ1、ヨルモルキミリ~しっぽ達の絆~をヨルモルキミリ2、ヨルモルキミリ-はじまりの少女-をヨルモルキミリ3と呼称します。
・ヨルモルキミリ1は解説見ずに2周、解説見て1周。ヨルモルキミリ2と3は1周プレイ。それ以前のシリーズは全部プレイ済み(プレイしたの10年前とかかも)。
・理解できてないところがめちゃくちゃある。間違ってても怒っちゃやーよ。
・プレイ中にメモを残していたわけでもないので網羅的にまとめることは不可能。思いついた先から書いていくことにする。
・作者様は天才にして奇才。マジでヨルモルキミリ最高。
・当然ながらネタバレ注意。ヨルモルキミリ3までやってから見てください。
まずヨルモルキミリシリーズは作者様の作品群でも群を抜いて難しいです。タオルケットであった「哲学」「SF」「ファンタジー」などが研ぎ澄まされており、シンプルにボリュームも結構あります。3作品が明確につながりのあるものとしてシリーズものになったのは、作者様でも初めての試みだと思います。(例えばタオルケット1とタオルケット2とタオルケット3は直接的なつながりがなくて、単体で遊べる。)難しさのエッセンスを書き出してみます。
ヨルモルキミリ作品が難しい要因
・(特にヨルモルキミリ1で)わんこと蛹乙女がヨルモルキミリ内の会話を全て聞いていることの対策として、うぃけちゅけ・血反吐結びなどが口で言っていることと考えていることが全く違うパターンが頻発する。
・↑に関連して、真の目的を隠して行動したり、味方すら騙したりすることが頻発するため、プレイヤー視点何を信用していいのか分からなくなる。
・時間軸の概念がある。わんこが時間を飛び越えていろいろ行うせいで3次元生物のプレイヤーの理解を超えることが頻繁にある。
・ヨルモルキミリが具体的に何が可能なのか明文化されていないため、描写で考えるしかない。特に天使の拡大解釈でどこまでできるのかが難しい。
・タオルケットをもう一度シリーズお馴染みの「スターシステム」(シリーズをまたいで同じ顔の別キャラが出てくる)があるため、ヨルモルキミリ123で同じ名前や似た名前を同一人物としていいのか迷う。
・わんこが論理でなく「言葉遊び」で行動してくることがある。
ヨルモルキミリ1
基本的にヨルモルキミリ1は詳細な説明が全部作者様のtxtに書かれているので、考察というか答え付きの作品です。なのでそこまで言うことがない…というか、本当に難解なのでtxtがあってよかった…という気持ちが強い。ただ完全に正解そのままでなく、作者様の製作メモでしかないので、たまにゲームに実装されてないことが書かれているのにも注意です。
基本はtxtに書かれていないことだけ書こうと思います。
現在boothで改善版2021verをダウンロードすると「プレイ後にお読みください」フォルダがないのでそれだけ注意です。
ヨルモルキミリの正体
これはtxtにかかれているし、ゲームでもラストで丁寧に話してくれたので細かくは書きません。
ただ、こんな悲劇が起こった根本的な原因と言うか失敗は、わんこもぱりぱりうめも「逃げた」ことにあります。わんこは世界の大量の死が悲しくてでもどうしようもできないという善のわんこを切り離したせいで、その後一切善なく行動する最悪の存在として君臨してしまいました。
ぱりぱりうめは兄に対する「愛」と兄が助けてくれなかったという「憎」がそれこそ実際に対立してしまって、それぞれ天使あごちゅと蛹乙女に分離してしまいました。構図がわんこと同じですね。ただ天使あごちゅは愛であっても善というわけではなく、ヨルモルキミリが崩壊する直前で癒しを繰り返して、無限ループを行っていたのでした。
なぜA-11はうぃけちゅけを殺せたのか
・うぃけちゅけは死んでない。「鉢植えお化け」の効果で死なない。なので「殺せていない」。
・うぃけちゅけがヨルモルキミリの外部の情報を伝えられた理由は、ヨルモルキミリに関する誤った情報を流出させていたから。正しい情報は絶対に伝えられないルールだが、「うぃけちゅけが神であり、リトルミスを治した」というのは全くの嘘であり、A-11の勘違いだから伝えられた。
・うぃけちゅけが本を外部に流出させたのは、目を抉って穴を作ったから。目をえぐるという行為自体がわんこ目線めっちゃビビることだったので、それが穴であるという事実まで意識がいかなかった。
わんこの目的
これはヨルモルキミリ1の段階だとちょっと難しいです。ヨルモルキミリ3で凄い分かりやすくなります。
つまり「ぱりぱりうめを治すこと」です。そのためにヨルモルキミリで人間で実験しまくって理解を深めています。ヨルモルキミリ1の段階だと小難しくて「学校」を作って蛹乙女に学ばせるため?ということを言っているのですが、「飼い主のぱりぱりうめを治すこと」だとめちゃくちゃスムーズに納得できます。凄いシンプルでしかも人間的。
ただ、わんこがそのまま時間軸を遡って、単にぱりぱりうめを治すだけだと、ぱりぱりうめが治った時間軸でヨルモルキミリがあるのはタイムパラドックスが生じてしまうので、それをなんとかするためにヨルモルキミリ3であごちゅを利用して癒やしの天使(時間を戻す天使)を生み出していることが判明しました。なお、あごちゅが天才で騙すのが難しすぎたため、わんこは束縛の力で未来の記憶を持ってくることで、37回チャレンジしてやっと騙せたことが分かっています。
うぃけちゅけとわんこがずっと難しい会話をしているところについて
2章で血反吐結びと懐石想いと未耳とコバトの過去編をやっている間に挟まる本当に難しい会話について。
ヨルモルキミリ始めるとだいたいここが難しすぎて狂いそうになる。なんか孔子の話とかしてる。
実際にはこの会話はあんまり意味がないです。うぃけちゅけは論理・学問的に正しいことしか言っていないですが、うぃけちゅけはわんこを混乱させるために動いています。
・色んな知識を大量に伝えまくってわんこを混乱させ、引用すべきものを増やして決断を遅くさせる。(=モルモッタラが言っていたところの「官僚的にさせる」)
・ムードでわんこを扇動して、焦らせる。(わんこは全く焦る必要がないのにうぃけちゅけのテンションについ扇動させられていた)
・うぃけちゅけを信用させ、尊敬させる。
なので、本当に難しい会話に関してはプレイヤーは「なんか難しいこといってるなー」で済ませればいいだけの回。正面から理解しようとするとこっちも混乱する。
ちなみに、ここの会話があんまりにも良すぎたために、最終うぃけちゅけはわんこの信頼を得て、そしてわんこが善わんこと統合されるラストに繋がるわけですから、実際超重要シーンでもあります。うぃけちゅけの真に凄いところは頭が良いところよりも、ここの会話術にあると思います。そしてわんこすら許して愛をあげられる慈愛の精神もすごい…。
細かいこと
・誤差ってなに?
ヨルモルキミリに訪れるのには誤差がある。ロボットはロボットなので全く誤差がない。これはヨルモルキミリを当たり前に認識していて戸惑いがあると、戸惑いの分だけ4分+何秒かの誤差として現れる。基本的に穴から屋上に来るので、案内役が誤差を確認することで、戸惑いを数値として測ることができる。ヨルモルキミリ情報が流出してしまった後半では、ヨルモルキミリの人数を絞るために誤差があるやつは入れないようにルールを変更した。
・処刑部隊ってなんのためにいた?
色々言ってたけど、実際には石鹸箱の毒=佐竹を殺すためだけの集団として天使あごちゅが仕組んでいたこと。石鹸箱の毒が死なないとヘミオラが癒やしを望むメリットがなくなってしまい、再生の無限ループができなくなる。処刑部隊本人たちも自分たちがそのためにいるという認識はない。
・言葉遊び要素
4分→死に通じる?
穴でヨルモルキミリに行ける→ヨルモルキミリは理の穴みたいな存在だから
ヨルモルキミリ→夜に守るべき君(ぱりぱりうめ)の理(ルール)。ぱりぱりうめが病気で夜しか外に出られなかったこととかけている。
マジで分からないこと
束縛を抜けられてしまった方法。なんか懐石想いと血反吐結びが姉妹であることとかに関係があると思うんですが、全く意味がわかってないです。どういうこと?
ヨルモルキミリ2
ヨルモルキミリ2はおこちゃん関係を除くとかなり分かりやすい話だったと思います。でぅでぅ学園の楽しい日々。徐々に明かされていく真実。道化猫という敵に対抗する、でぅでぅ学園の能力者達。99回とはループした回数だったという衝撃の真実。結構ラフにタオルケットシリーズやってる気持ちで遊べる話でした。最後以外…。最後のオチはヨルモルキミリ3をやらないとめちゃくちゃ難解だと思います。逆にヨルモルキミリ3やったら全部分かる。
はじまりの少女の正体
ほぼヨルモルキミリ3で明かされた答えになります。
わんこがヨルモルキミリを遮断するために、おこちゃんというきちゅね族の女の子に仕組んだ装置。おこちゃんが惑星ぽんぽこを包むと、全部リセットされます。
そもそも、惑星ぽんぽこという天使が異様に生まれやすい星があり、惑星を愛したゆえに惑星それ自体の天使であるところの天使ぽんぽこ(たんたぬきの天使)が生まれたことが契機です。たんたぬきを愛する少女「おこちゃん」はたんたぬきを守りたいという意識が強く、「はじまりの少女」を仕込むのにちょうどよかったということなんでしょう。また、毎回惑星ぽんぽこが腐敗の影響を受けていることも、リセットしたくなる理由として用意されていました。
言ってしまえば、天使ぶりとばとかと同じ、わんこに誑かされた半分被害者みたいな存在ですね。
なお、おこちゃんが言っている意味深なポエムは大体「はじまりに戻ってループするよ。悲しいけど私がそれをやるよ」ということを理解していると別にそんな難しいこと言っていないです。
ヨルモルキミリ2の世界ってそもそもなんだったの?
謎。ほのめかすだけで明確には明かされていない気がする…。
おそらくなのですが、惑星ぽんぽこが丸ごとヨルモルキミリ内部なのだと思われます。ヨルモルキミリ1でわんこが封印された際に、クローンわんこが生み出したヨルモルキミリです、多分。ここで地球に似た惑星があったのは、わんこが地球を知っていたから。地球に似た惑星に血反吐結びや懐石想いなど、ヨルモルキミリ1っぽい人間が存在したのは、天文学的数字の偶然と言っています。(マジ!?)
惑星ぽんぽこがヨルモルキミリ内部であると仮定すると、天使が生まれやすい理由も天使が現実世界で能力を発動できる理由も意味わからん生物がたくさんいるのも納得です。また、ヨルモルキミリ内部にヨルモルキミリが生成できるのはヨルモルキミリ1で示されていますからね。
ポンの正体と目的
サカバ啓太の天使「ポンのお婿さん」が増殖して存在したものでした。タオルケットのスターシステムで一切違和感がなかったので騙された…。
ポイントは緑茶云々師匠に同意して助言していた、悟りのポンが、実は腐敗の影響を受けていたことです。そもそも惑星ぽんぽこは腐敗の影響を全て受けているので、その影響でらしくないことをポンがやっていたということです。
道化猫の正体
ヨルモルキミリ3の本当にラストで明かされたのですが、もーちゃすです。半分赤くなっていますが、目の色とか黒い部分の髪のドット絵がヨルモルキミリ1のもーちゃすと激似です。つまり、ヨルモルキミリ1で心が壊れたもーちゃすが、結局心が最後まで戻らず、新しいヨルモルキミリで破壊の天使を得て大暴れしていたということでしょう。
道化猫は「狂う前に止めてくれ」と発言していたり、そもそも破壊の天使をもらっていたり、なるほど言われてみればかなりしっくりくる…けど言われるまで一切気が付きませんでした。
なぜヨルモルキミリ3のラストで蛹乙女の中に道化猫がいるのか、これはもはやさっぱり…。
ヨルモルキミリ3
どう見てもヨルモルキミリ1の地続きにして、話を進めてみると実はヨルモルキミリ2の地続きでもある、衝撃の第三段です。話としてはヨルモルキミリ1ぐらい難しいのに、解説txtがないので最も難しい作品だと思います。
主人公の正体はなに?
ヨルモルキミリ1の血反吐結びから別離した元猫まんま。
ヨルモルキミリ2の血反吐結び、及びその天使猫まんまとは別人なので注意。
「大気圏!乙女」とはなんだったのか。
曰く、保険。あごちゅが念の為用意した対策の1個にすぎない。事実としてわんこのコピー戦闘機のアームストロング砲を張り手でふっとばしたこと以外何もやってないが、キセチュー戦艦と皆を1回守っただけで200億の価値はあるか…。
「理外のアホ」を呼び寄せるために「ピザと言い値が報酬メール」を送ったわけだが、そもそもあのメールに引っかかるアホは全宇宙規模だと結構いたと思われる。ただ、実際には宇宙の端っこの方にいたキセチュー戦艦に訪れるためにはワープが必要で、「なんかワープできちゃった」レベルのまさに「理外のアホ」以外はふるいにかけられてて来ないことになる。プレイヤー目線だと「大気圏!乙女」の偶然ワープだが、あごちゅ目線だと全宇宙からその偶然が行えるぐらいの理外をふるいにかけて選考したことになる。あんなバカみたいなメール1個で…。
「さ」は色んな宇宙の生命体の「理」を集合することで、わんこの理では通用しない存在。まさに「夜守君理」の「理」の外にある存在ということ。「理外」というのは「プレイヤー目線の理外」かつ「夜守君理外」だと言っているんでしょう。
っていうかこいつらが一番幸せになってるじゃねーか!
神
マジの神こと目玉が3つある饅頭が4次元空間にいましたね。これはヨルモルキミリ1からずっと「宗教上の人間が作り出した神」に対するやや批判的な言及や「本当の神がいるなら…」のような言及に対するアンサーとしての存在だと思います。マジの上位存在は別にヨルモルキミリに関して助けたりしてくれない…。
時間が消える惑星とうぃけちゅけ
時間が消える惑星は嘘で、実際は「天使鉢植えお化け」によって包まれ、ヨルモルキミリの情報流出を遮断された惑星。うぃけちゅけが原因なので、うぃけちゅけを殺せば出られる。あのうぃけちゅけは天使だったので、永久閉鎖の内部にいたうぃけちゅけは殺されてない。というか、鉢植えお化けの影響で72時間後まで絶対死なないルールがあるので、うぃけちゅけが本人だったら総司令官ズッケの手で殺されるわけはない。なので、あごちゅとかはそれが本人でないと理解していた…んだと思うけど別に明文化されてはない。
ヨルモルキミリの正体
3だと1とは毛色の違った回答が返ってきますね。「ヨルモルキミリとは時間軸移動の隙間から漏れ出た空間」(曖昧な記憶)だと。もはや4次元空間生命体の発言なので、我らプレイヤーからすると意味不明ですが、本当に3次元生命体では理解ができない、4次元空間レベルの現象だったことが判明します。
ぽちゃん
血反吐結びが記憶の束縛を解除するときの音。なんでぽちゃん?多分ラストシーンで湖面が映ったのと関係がある。わからない。
それぞれのキャラの目的は?
わんこ→ヨルモルキミリの情報を遮断。天使ポンの全滅。
あごちゅ→ヨルモルキミリの閉鎖。
血反吐結び→ヨルモルキミリの完全なる終結。ヨルモルキミリに関する人間と天使とわんこ全員殺害。
すごくないですか?敵対しているのに全員似たような方向を向いています。これが大規模呼び出し時間がスムーズに進んだ理由です。全員思惑が同じだったんですね。細かくはちょっと違いますが…
ヨルモルキミリに呼び出されたほとんどの生命体=ヨルモルキミリを知っている生命体は大規模呼び出しのときに死滅しています。ポンは蛹乙女を殺すために相打ちして消えました。特にポンが無限増殖できるという事実は関係者たちにとって、かなりネックで強大な問題だったため、ある種全員の協力関係でこれは為されました。
なお、魚帽子たちはこの構造がわからなかったので一旦混乱していました。うぃけちゅけや啓太(ポン)は自分が殺されることも覚悟と納得の上だったっぽいのが少し救いですね。
ヨルモルキミリ3のわんこが小悪党みたいになっている件
善のわんこはうぃけちゅけと一緒に閉鎖されているせいで、わんこは「飼い主=蛹乙女=ぱりぱりうめ=もーちゃすの妹を助ける」という当初の目的がわからなくなり、単に「ヨルモルキミリで実験する」という手段だけを残してしまった。しかも、この状態で複数のわんこに増殖してしまった。ヨルモルキミリ1個に対して目的を失ったわんこが4000万ぐらいいるということで、もはやわんこの中には暴走するやつも現れたということ。ちなみに、再生の天使を使い飼い主を再生しようとしたわんこもいたけど、暴走したわんこに処分された。全員が小悪党みたいになっているわけではなく、数あるわんこの中で、特に暴走した小悪党みたいなわんこが大規模呼び出し時間を起こしたということ。完全に分離して増殖すると個性をもつので、全員が全員同じわんこじゃないし全員が全員同じポンじゃないという描写もある。
天婦・羅ザ煮ア、雲隠れ狸御膳、紺の血ゑ瑠は何だったのか
少なくともヨルモルキミリ3時点ではそんなに重要な役割は持っていないような…
今作では「ヨルモルキミリを完全に終結させる」という血反吐結びの目的を果たすために殺されました。その後、わんこが利用するために復活させました。羅ザ煮アはたぬき達を復活させるついでに復活しちゃっただけらしいです。
血反吐結びによる無限ループって何が起こっている?
血反吐結び(=ヨルモル1の血反吐=猫まんま=束縛の悪魔=束縛の天使=予測の天使)は束縛によって過去に戻ることができるようになっている。
・ヨルモルキミリの0回目ぐらいの初期も初期のわんこと血反吐結びが接触
・わんこと血反吐結びと「鉢植えお化け」を束縛することで、絶対に外部から手出しできないようにした。鉢植えお化けは外部との接触を遮断する装置としてがメインの使用。
・わんこと善わんこを束縛することで統合。わんこは今までとんでもない悪事をやってきたので、善わんこの考え方が戻ってきてしまうと、もう自責の念で狂うしかなくなる。
・血反吐結びは「鉢植えお化け」の効果で72時間後に死ぬが、束縛の効果で過去に戻れる。つまり永遠にわんこを束縛し続けられる。これが無限ループということ。わんこは時間軸とは離れた生物なので、わんこ視点永遠に善わんこと統合されたまま、自責の念で苦しみ続ける。
・血反吐結び視点だと過去に戻り続けてこんなことをやり続けているわけなので、そりゃわんこは「狂ってる」と評するよね。
・単にわんこを倒しておわり!とならなかったのは血反吐結び視点では何をしても「姉上」とか「楽しいあの日」が戻ってくるわけではないから。過去に戻って姉上を助けてもその時間軸にはもちろんその時間軸の血反吐結びがいるので、過去に戻った血反吐結びだけが浮いてしまって、彼女自身は救われない。なので、全員殺害して完全にヨルモルキミリを終結させる道を選んだ。シンプルに言えば怒り狂った復讐者なんですが、とはいえヨルモルキミリの悲劇をこれ以上無くしたともいえる。もっと表現がある気がする。悲しすぎる…。
・ちなみに、わんこすら許して愛したうぃけちゅけとそんな感動的な感じでわんこのやってきた極悪非道を許すなやという血反吐結びは対比として描かれています。そして、どっちが正しいと言えないぐらいどっちにも理がある…。
はじまりの少女の正体
かなり熱いんですが、サブタイの「はじまりの少女」が実はおこちゃんではなく血反吐結びだったという真実が明かされます。ここではじまりの少女とは、はじまりに戻すおこちゃんという意味ではなく、はじまりに戻る血反吐結びという意味の「はじまりの少女」でした。
血反吐結びの凄いところ
ヨルモルキミリ1のラストで「束縛の天使をあえて残す」ことでわんこが善なるわんこを統合してうぃけちゅけと永久閉鎖になることを誘導しました。この時点で、「わんこがクローンを生成する」「生成したクローンが大量増殖して暴走する」「最終的に自分はわんこのはじまりに行って善なるわんこと統合する」というところまで含めてヨルモルキミリ3のオチを予測していたということです。もう一回いいますよ、ヨルモルキミリ1の時点でヨルモルキミリ3のオチを予測していたんです。やばすぎる…
ヨルモルキミリ1の時点ではヘミオラと血反吐結びの入試の成績が同率満点一位だったのを見て、まあヘミオラの方が頭いい感じするけどな…と思っていましたが、ヨルモルキミリ3までやると、ダントツで血反吐結びが天才だ…。
最後の描写に関して
罪の十字架が希望の花の根で覆われている…。こんな悲しい話なのに、蛹乙女の心にも、最後にも、希望の花が出てくるのが逆に物悲しいです。これは考察ではなく、完全なる感想─────────
別作品とのつながり
鬼マガツ時
一番回収された話です。単体で見た時はオチが本当に難しく、「大淫婦バビロン」というキリスト教の聖書のパロディとしての話だったのかな?としか考えられなかったのですが、ヨルモルキミリ3でまさかの大回収が行われました。
蛹乙女のヨルモルキミリこそが鬼マガツ時の世界観であり、おかっぱとは蛹乙女=ぱりぱりうめ=ヨルモルキミリ1のもーちゃすの妹だったのです!(@₋@)sounano!?
おかっぱは鬼であり、人であり、神であるということが鬼マガツ時で描写されていましたが、ヨルモルキミリと合わせるとつまり、蛹乙女は「鬼=怒り狂っている存在」であり「人=人間」であり「神=ヨルモルキミリに君臨する存在」ってことですね。
鬼マガツ時に大量にいた「神」はどうやらトカゲです。ノ(@₋@)Tadano Tokagekayo!(張り手)
ヨルモルキミリ3のラストでギターを弾いている「しんし」も出てくるのですが、ヨルモルキミリ2の魂を司るあの世の「しんし」と別枠とは思えません。同じシリーズだもし… だとしてもあそこに「しんし」がいるのはいまいち意味が分からないですが… おかっぱ=蛹乙女が「しんし=魂を司る存在」に恋しているのはちょっと示唆的な気がしますね。
タオルケットをもう一度1
ヨルモルキミリ3のあごちゅ博士とタオルケット1で名前だけ出てきたちびロボの制作者「あごちゅ博士」は同一人物だと思われます。実際にヨルモルキミリ3だと地球人はほぼ全滅しており、あごちゅ博士を恨んでいるだろう元地球人のトカゲ(あげるくん?だっけ)も登場します。あごちゅ博士のタオルケット1での人類滅ぼしの目的はちゃんと語られておらず妄想の域を出なくなってしまいますが、ヨルモルキミリ封鎖のためのやりすぎ対策・愛の唇星人などの異星人侵略対策なのでしょうか?
作者様のブログでも、タオルケット1とヨルモルキミリが時系列が同じことが記載されていました。
これが本当なら、ヨルモルキミリと「ちゅん」を始めとする超規模のSFが両立しているとんでもない世界線となっていて、やばすぎて震えます。
その他
タオルケット2のぱりぱりうめの謎空間や「笑う、わらわぅ」の世界などタオルケットシリーズでたまに出てくる心理・思考を反映した空間が全部「ぱりぱりうめのヨルモルキミリ」「わらわぅのヨルモルキミリ」として説明がついてしまい、今までの作品の見る目が変わる。ぱりぱりうめのヨルモルキミリに関しては実際作者様のブログのどこかで言及されていた覚えがある。正直めちゃくちゃ衝撃的なんですが…。
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