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『正欲』 試写: 試写室で泣く

試写で『正欲』を観た。朝井リョウの原作は未読。公開が11月10日と少し先だし、予告編も特報止まり。だから内容にあまり触れたくないのだが、試写室でこっそりと泣いてしまった。隣に友人もいたのでバレないよう必死にグヌヌと。

悲しいとか、感動したとか、そんな下らない気持ちではなく、ただひたすら辛かった。オレ、なんでこんな辛い思いしながら映画観てるんだろ?と思うくらいしんどかった。

群像劇あるあるだと思うけど、中心となる人物を多数設定すれば、どれかしら自分とシンクロするキャラクターが登場する。『正欲』もそんな群像劇。しかしだ、この映画に登場する連中は揃いも揃って、軸が揃っていない。この不揃いっぷりがしんどいのだ。

そんな中、軸が奇跡的に一致した男と女がこんな言葉を交わす。

「いなくならないで」

これは軸が一致した間柄でないと出ない言葉だ。というのは、オレの嫁さんがよく言うのだ。これ。
この台詞を聞いたとき、ボロボロと涙がでてきて、まあ、情けないったらない。

油断したなあ……。しんどい、しんどい言いましたが、映画そのものは大変面白かったです。新垣結衣も稲垣吾郎も新しい芝居にチャレンジしていると思う。非常にパワフルな作品でした。

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