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映画とAI

生成系AIが爆発的に普及している。ChatGPTのリリースから利用者が1億人を越えるまでたった3ヶ月。1億人利用を基準に考えると携帯電話は16年、インターネットは7年、諸々のSNSは4.5年かかっているから、そのスピードは異常だろう。(マイクロソフトの偉い人が言っていたので、そうなんでしょうよ)

急速に普及しすぎたせいか、「労力ゼロで無限に”モノ”を生み出せる」と考えている人が多いような”気がする”。

実は”ちゃんと”生成系AIを利用するためには、労力を結構使う。プロンプトエンジニアリングという言葉がある。生成系AIに何をどう食わせる(入力する)かの技術を磨く必要があるのだ。

ChatGPTやDALL・EやSUNO AIは、文書でも絵でも音楽でも何でもいい感じにしてくれると思われがちだ。でも「うまいことやってくれ」と言わないとやってもらえないのだ。

うまいことやって生成した”モノ”は人力と見分けが付かないから「なんか危ない気がする」となるのは分かる、しかし”まだその域に達していない”のが実情だ。

数年前のAIブームの時は「AIに取って代わられ、仕事が無くなる」などといわれたが、昨年からの大きな波は「AIを上手いこと利用しましょう」である。

機械学習から派生した深層学習は、人間の頭に近いニューラルネットワークをモデリングしているので、未知の事象に対して推論が出来ることが特徴だ。非常に便利なのだが、100%の答えは得られない。過剰(フォールス・ポジティブ)であったり不足(ポジティブ・フォールス)であったりするのだ。それが今の深層学習の利点であり弱点だ。

で、映画の話。『2001年宇宙の旅』のHALにしたって、プロンプトエンジニアリングの未熟さによるものじゃないかと。夢が無いけどさ、現状でも監視制御を100%AIにやらせたら、ある程度誤動作するにきまっているわけで。ぶっちゃけ誤動作して人をぶっ殺している限りは、どんな映画のAIもシンギュラリティは越えてないやんけ!と思うわけですよ。今の技術で旧作を観ると、なかなか面白いモノが見えてくるなあと。

というわけで今、AI関連の映画を楽しむ視点としては、人間のプロンプトエンジニアリングの未熟さを楽しむのがいいんじゃないかなと。『ミーガン』だって確実にミスってるでしょ。アレ。

ところで、みんな喜んで使っているChatGPTですけど、ちゃんと「履歴と学習」を切ってます?ん?切ってないの?それ、あなた入力したモノ、全部もっていかれてますよ。

所要時間:1H
画像:DALL・E2で適当につくったやつ


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