「the PROM」が好きすぎる話
Netflixで映画化もされている「the PROM」というブロードウェイミュージカルの日本版の上演が始まったので、早速観に行ってきました。
はあ〜〜幸せな時間だった。映画も好きすぎて何度も観たし、サントラも常にBGMにしてるくらいなので、大好きな曲を生オーケストラの迫力ある音と役者さん方の素敵な歌声で聴けたのは本当に最高だった。
最初にNetflixで映画を観た後に「the PROM」を語ろうとしてはみたものの、良すぎてもはやその時は言葉が出てこない状態でした。やっと今なら語れそうなので「the PROM」の良さについて語ろうと思います。
大まかに言うと、「音楽がとてつもなく良くてハッピーになれる」、「自分の物語だ、と思って見れる」というのが大好きな理由です。
まずは、簡単にあらすじを。
舞台はアメリカのインディアナ州の高校。レズビアンの生徒が恋人の女性をプロムに連れて行こうとするが、同性愛者を良く思わないPTAがプロムを中止にさせてしまう。
そこへ社会問題解決に貢献することでイメージアップを図りたいブロードウェイスター達がやって来て…というお話。
ではでは、ここから詳しく好きな理由について語っていこうと思う。
好きポイント①音楽が良い
音楽がとにかく良いんです!!!曲調も華やかで元気を貰える。そして何より歌詞がすっごく素敵。
特に好きなのが「Dance with you」という曲。
I don't want to start a riot(暴動を起こしたくはない)
I don't want to blaze a trail(先駆者となりたくもない)
I don't want to be a symbol(シンボルになりたい訳でもない)
I just wanna dance with you(ただ貴方と踊りたいだけ)
そう…そうなんだよ、ただ貴方と踊りたいだけ。
私はアロマンティック・アセクシャルで恋愛感情や性的欲求は誰にも向かない人間だけど、恋はわからなくても愛はわかる。パートナーだって欲しいし、出来ればそれは同性が良い。
でもそれは社会を変えたいとかそういう大きな欲求ではなく、ただ好きな人と自分達なりの愛情表現をし合いたいだけだ。よくある異性愛とは違った形の愛もあって良いと認めて欲しいだけなんだ。(それは結局社会が変わってくれないと叶わない願いなんだけどね。)
単純で純粋な愛を歌った歌であるから、自分の気持ちにも重せて聴くことが出来て本当に大好きな曲だ。
あとはこの曲の歌詞も響く。
Life's no dress rehearsal(人生はリハーサルではない)
何の偶然か私の1番の憧れであり、人生の指標にしている人が「人生はリハーサルではない」と過去に言っていたらしい。その事をこの曲を1番聴きまくっていた時期に知ってしまったものだから、当然のようにこの言葉は私の忘れられない大切な言葉になった。
そんな理由もあり、この曲も大好きだ。
あとは、エマが皆に訴えかける為に歌った歌も素敵。
自分の心を偽らないで良いんだよ、とそっと柔らかく包んでくれるような歌だ。
好きポイント②ストーリーに感情移入できる
プロムに恋人を連れて行きたいとはっきり言えて、怖気付きながらも傷つきながらも闘えるエマ。それに対し、親や周りの目を気にしてカミングアウト出来ないアリッサ。
エマはとてもとてもカッコイイし、彼女みたいな人が居るから世の中は少しずつ良い方向に向かって行ってるんだと思う。だけど私が同じ環境に居たとしたら、おそらくアリッサのような行動を取っていただろう。
周りにカミングアウトするのが怖い気持ち、すごくわかる。ましてやブロードウェイスターまで来ちゃって、あんなにおおごとにされて。
エマの“ただ貴方と踊りたい”という気持ちも、アリッサの恐れる気持ちもどちらも理解出来るから、苦しい程泣けてしまうんだ。
これまで異性愛の恋愛映画も楽しんで観れていると思っていたが、最近クィアな映画を見ていると没入感が格段に違って驚いている。“これは自分の物語だ”と思って見れるのと見れないのではやっぱり全然違う。
あとは、校長先生のブロードウェイミュージカルへの愛も同じエンタメオタクとして激しく共感してしまう。ブロードウェイを観て「ここが家だ」と感じる感覚とてもわかるよ、私も推しを見ると本当に安心する。心の故郷だよね。
好きポイント③クィアな役者さんを使っている
これはNetflixの映画の話であるが、エマ役、アリッサ役共にクィアな役者さんを使っており、LGBTQの人達がより行きやすい社会にする為に支援を呼びかけたりもしている。
ブロードウェイでも、エマ役、アリッサ役共に役者さんはクィアだ。
日本では集客の問題やカミングアウトしている人が少ないこともありまだ難しいのかもしれないが、クィアな役はクィアな人が優先的に演じるようになって行って欲しい。だって男性は男性、女性は女性を演じることが大半なんだから、クィアな人はクィアな役者さんが演じるのが自然だと思う。
最後は願望の話に着地してしまったが、こんな感じの理由で私は「the PROM」が大好きだ。
いつかブロードウェイにも「the PROM」を観に行きたい。