ミュージカル「CATS」の予備知識の予備知識(広島キャッツに向けて)
さて、キャッツの広島公演が11/11に控えているということで(早すぎん??と驚くばかりであるが)、「家の近くでやるし、なんかよく見るけどちゃんとは知らんのよな…興味はないこともないけど…」程度のふわっとした未見の方々の背中を押すそして1人でもこの深いキャッツ沼に沼らせるために暗躍せんと頑張る、そんな記事にしたいと思います。
正直自分もキャッツ及び劇団四季及びミュージカルに本格的にハマってから半年も経っていない初心者プラスアルファ程度の人間ですが、だからこそ分かる初心者のためのアドバイスになればなと。
一回書いておけば広島以後の後々の入門者の方の手助けになるかと思いますので。
書いていたらかなり長くなってしまったので目次を活用して気になったのだけチェックするのがおすすめです。
そもそも観劇未経験者or初心者の方に
さて、そもそも劇団四季に限らず観劇自体ほぼ経験ないですよとか、学生の頃の地元劇団のお芝居くらいですよくらいの方向けに観劇の基本情報をお伝えします。
まず劇団四季公式の「初めての方向けガイド」を貼っておきます!
観劇費用
まず大雑把な金額ですが、劇団四季の場合はあらゆる作品含めると目安として5,000〜15,000円くらいになります。
映画館くらいしか行かない人だとなんやその幅??って思います?
これに関してはいくつか理由がありまして、まず席がS〜C席まで最安値と最高値にまず分かれております。
音楽のライブと似たような感じと思えば分かりやすい捉え方ですね。
見えやすい近方席が良席として高く、見えにくい遠方席が安く設定されております。
次に混雑日と閑散日で金額が変わってきます。
これはディズニーなんかのテーマパークチケットでよくあるやつです。
同じ席だとしても日によって1,000〜2,000円の差が発生します。
あとは劇団四季の会員か否か。
これは再確認したらS席だけなんですが(これ今の今まで気づかなかった)、四季会員だと非会員より1000円安くなります。
最後に公演箇所。
劇団四季が持つ自前の劇場か、地方劇場を借りての公演か。
こう書くと自前の方が安上がりになりそうですが、劇団四季は単純な営利団体ではなく「舞台芸術の興隆」を理念に掲げる団体ですので、その活動の一環である地方公演だと同じ演目でもやや安くなる傾向があります。
今回の広島キャッツの場合でいいますと、一番高い席がピーク日のS席非会員価格で13,000円、一番安いとバリュー(閑散)日のC席で4,000円となります。
安く済ませれば映画2回分でオール生歌のプロ集団のパフォーマンスが観れます。
安い…と安易には言えませんが興味を持った方なら支払う価値があると思います。まぁハマり出すとC席じゃ全然満足しなくなるんですが…。
公演日と休演日
これは「見りゃすぐ分かるだろ」扱いであまり触れてる人がいなさそうな地味な基礎知識です。
劇団四季は毎週月曜を休演とし(祝日は除外)、火曜日も基本的には休演してます(月に1度ほど公演のある火曜もある)。
なので水木金土日が基本的な公演日ですね。
また大抵は1日1公演ですが土曜は1日2公演おこなわれます。
公演時間と開場時間・開演時間
これもね〜〜書いてはある、書いてはあるんですが各作品の予約ページにひっそりととかなんで分かりにくいかもですね。
作品にもよるのでとりあえずキャッツの話となるのですが、2幕制になってまして1幕で1時間10分、そこで20分間の休憩を挟み2幕が1時間10分の計2時間40分が目安です。
それと開場時間は開演時間の45分前となります。
なので13:00開演なら12:15から、18:30開演なら17:45から会場に入れるという形です。
ここで注意がいくつかありまして、
①公演時間は生のパフォーマンスのためあくまで目安
②公演終了後は一斉に退場するため、会場を出るまで10〜30分ほど見る必要がある
③トイレはメッッッッチャ混む(特に女子側)
④特にキャッツは演出の都合上で公演中はホールを自由に出入りできない(ホール外となる会場のトイレを使用したりすると区切りのいい場面や最悪休憩時間まで待つことになる)
というのがあります。
なのでGoogleマップで移動時間を計算する人なんかは、実際の予定としては希望の公演の開演時間を基準に公演見積もり約3時間、そこから前後30分〜1時間ずつ予定を空けておくくらいのつもりだと安心です。
特に会場隣接の駐車場の利用を検討する方は出庫が激混みで30分駐車場から出られませんみたいなこともよくありますのでお気をつけください(行きは間違いなく楽なんですけどね…)。
飲食
これも公式サイトだとどこ見ていいか分かりにくいかも?
会場に入ればアナウンスがあるんで分かりやすいんですが、事前の準備として知りたいって方向けに。
基本的にロビーなら飲食可能、ホール(客席)内では飲食不可となります。
で、普通の四季作品だと客席内でも開演前や休憩中でペットボトル等のキャップ付きドリンクは可能であることがほとんどなのですが、広島キャッツの会場である上野学園ホールのサイトだと「ホールでの飲食不可」と書いてあります。
なのでもしかしたら上記のペットボトルOKが広島キャッツに関してはダメな可能性があります。
他の四季作品に慣れてる方もそこは注意ですね。
服装(ドレスコードはある?)
これは安心してください。特にないです。
強いて言うならシャカシャカ音が鳴るような服や蓄光発光素材は避けましょう。
キャッツ公式のTシャツとか推し猫イメージコーデの人とかもいますが少数派の気合の入った人だけなので気にしなくてOK。
観劇経験者かつキャッツ未経験者の方に
最近だと2.5次元ミュージカルなんかも定着してきてますので、観劇そのものは経験ある人も多いかもしれませんのでそんな方向けに。
予習は必要?
これは初めて観る作品に関しては気になる点ですね。
結論から言うと事前に履修しなければいけないストーリーはありません。
でも完全に何も知らない状態だとずっとハテナマークを浮かべたまま最後まで行くかもしれません。
矛盾してない?って思うかもですが、この作品のストーリーと設定でどうしてもそうなってしまいますのでその点を説明していきます。
まず、この作品は他のミュージカルや舞台、映画等とはちがい大きく動く起承転結を土台にしたストーリーは存在しません。
この舞台の根幹・見どころは歌・ダンス・猫のロールプレイなのです。
この作品はそもそもイギリスの詩集「The Old Possum's Book of Practical Cats(日本では『キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法』という和訳の本が一番有名です)」が原作となっております。
そのため普通のストーリーの心づもりで観てしまうと後半まで大きな物語がなく、何がなんだか分からないまま終わってしまいます。
それの影響を一番受けたのは2019年の映画「CATS」(日本では2020年公開)の評判ですね…。
あれ半分くらいは舞台の物語だいたいそのまま話を展開したのが原因だと思います。
完璧なロールプレイとパフォーマンスによる野良猫達の生命力、気高さを感じ取り楽しむというのがミュージカル「キャッツ」の1番の醍醐味だと思っています。
なのでストーリーを追おうという意識は基本的に必要ありません。
ちなみにですが個人的なこの作品の楽しめる/楽しめないネタバレラインとして、ストーリーはいくら知っても楽しめますが演出なんかは極力知らずに観る方が新鮮な驚きを得られると思います。新規の方の驚きからしか得られない栄養、ありますもんね!
必修ではないけれど
この作品は固有名詞となる造語・猫名が盛りだくさんのため初見での聞き取りが難しく感じると思います。
特に猫の名前は一般的な命名規則とはちがう、単語をくっつけたような名前や世界中の神話の登場人物、創作上の人物、歴史上の人物をもじったような聞き馴染みのない名前ばかりです。
猫達の名前に関しては一度パンフレットか公式サイトのキャラクター紹介に目を通すのをお勧めします。
さて、そんな中で作中特に出てくる造語として「ジェリクル」があります。
…うん、よく分からん…。
こちらの言葉は原作の詩集の作者、T・S・エリオットの造語で「ジュエル」と「ミラクル」を合わせた言葉だそうです。
おそらくイメージとしては猫の気高さ、尊さをイメージした造語なのかと思います。
観劇中は「これどういう意味?」とかは考えなくていいです。
作中での使われ方としては「気高く素晴らしい自分(猫)達」を指す言葉ぐらいに捉えればいいと思います。
オススメ座席
次に予約時のオススメ箇所をご案内しようかと思います。
劇団四季はWEB予約の時は映画館の座席指定のように空いている部分を自分で選んで予約できます。
もちろん良い席は真っ先に気合の入った四季会員から取られていくんですが、先の方の予定だと空いていたり逆にたまに直前で予定が合わず…という方のリセールがあったりで意外と良い席を取れたりしますので、良席を把握しておくのをお勧めします。
①1階最前列、もしくはそれより後ろ4〜5列目くらいまで
まあさすがにこれは大抵の人が分かるだろって感じなんですけど。
音楽ライブとちがい大型モニターもありませんので、遠ざかれば遠ざかるほど役者さん達が小さく見えにくくなります。
この距離だと双眼鏡不要で生声まで聴こえてくるので取れたらラッキーですね。
②通路そば
通常は一番バランスよく観やすい席としてセンター付近の席がオススメではあるんですが、この作品は猫仕草の性質上四つん這いや寝転がる動作が多いので、前の人の頭が視界に入らない方が観やすくなります。
なので目の前が通路の各ブロックの前や、視界の一部は確実に確保されてるサイドが通路の席はオススメです。
単純に四方を人で囲まれるより開放的だし座る時に楽って点でもオススメ。
あと…!ネタバレなんで詳しくは言わんけど…!演出上…!通路横の席だと…!楽しい…っ!
③1階前方ブロック(座席番号で言うと2〜18列目)
前ばっか勧めるじゃんって感じなんですが、これには理由があります。
何かしらの写真を見た方はご存知かと思いますが、キャッツはステージ上だけではなく客席側のホール壁面まで大道具の装飾が施されるんです!
ただ静岡や広島のような四季劇場でないホールの場合は前から後ろ全てとまではいかず、だいたい1階の中央を横切る通路を境目としてそれより前が装飾されます。
客席番号で言えば18列目までです(もしかしたら静岡と広島では装飾の範囲が変わるかもしれません。あくまで静岡と同じ範囲なら)。
ただ厳密に言えば通路すぐ後ろの19〜20列目とかも視界いっぱいが装飾で埋め尽くされますし、オススメ席②に該当しますので例えば15列目と19列目がどっちも空いてたとかなら自分なら19列目を選ぶと思います。
④C席
安い。以上!
これに関しては自分のお財布と相談って感じですが、例えば一列でも前に…!B席も…!とちょっと欲張るとそれだけで一気に3000円高くなるんです。
それだったら双眼鏡完備で安い席の方がQOL上がるんじゃないかと。
1階後方通路席と2階C席隅っことかなら自分なら1階の方を選ぶとは思うのですが、旨みを感じない席かC席かならC席で十分だと思います。
ただし双眼鏡はぜひ持っていきましょう。
観劇慣れしたベテランのオススメするようなクソ高いやつじゃなくてアマゾンなりその他通販サイトなりで売ってる2〜3000円くらいのやつ(8〜10倍倍率のもの)で充分です。
四季専用劇場とかだとC席って最後列1列しかないとか結構あるんですが、地方公演だと3列くらい用意してくれるので助かる。
最後列なら後ろの人に気遣わなくて良いのでそういう点でも結構好き。
おすすめの持ち物&装備
最後に静岡キャッツでこれあって便利だった〜〜ってものと、季節的にあると便利そうだなってものを書いていきます。
他の観劇趣味の人と交流してないので一般的かどうかは微妙…。
ちなみに必須なのはチケットくらいなので、各自いいなと思ったものを取捨選択してください。
A4サイズが入るカバン+クリアファイル
これは会場で無料でもらえる劇団四季他作品のチラシとキャスト表を入れるのに便利です。
あとパンフレットを買うならカバンがこのサイズなら入るので小ぶりなものよりとりあえず入れとけ入れとけ精神でおすすめ。
双眼鏡
上でもちょっと書きましたが。
自分のおすすめは8〜10倍倍率の双眼鏡と3倍率のオペラグラスの2つ使い。
8〜10倍率はバストアップ〜腰から上くらいまでの大きさに見えるので演技が見やすくいいのですが、舞台全体や踊りの全身は見えないので特に踊りの比率が高いキャッツなら敢えて低め倍率の3倍率オペラグラスはオススメです(自分はダイソーの200円のものを買いました)。肉眼プラスアルファくらいの視界になります。
自分はこれをストラップで首からかけて膝に置いてすちゃすちゃ入れ替えながら観劇する忙しいスタイル。
コンタクトレンズ
これは上記の双眼鏡を使う人向け。
メガネと双眼鏡って相性悪いので、普段眼鏡の人でもこの時だけでもコンタクトにすると楽です。
サコッシュ
観劇前後で取り出したりしまったりしたい細々したものをまとめて入れられるスペースが胸元にあるとめっちゃ快適です。
ボトムにポケットがあっても座った後だと意外と出しにくい。
双眼鏡やらの観劇中に必要な道具を入れてまとめておくと事前準備も楽になります。
自分は客席に着いたらスマホで会場の写真を撮った後に双眼鏡と入れ違いでしまい、目薬と貴重品を必要に応じて取り出したりしまったり。メインのバッグは足元に置いてます。
ちゃんとしたカバンとして使うわけじゃないのでサイズさえ合えば100均のもので十分です。
ペットボトル飲料
四季の公演だと大抵の会場で開演前や休憩中はキャップのあるペットボトル飲料は飲んでOKというパターンが多いです。
※広島キャッツは会場側の指定でホール内完全NGの可能性あり!要確認!
無音の時に喉の調子が悪くて咳やエヘン虫が起こるとかなり悪目立ちするので、できる限り喉は潤しておくのがおすすめ。
のど飴(自分的に咳止め効果の高いもの)
これも上記の理由です。
客席では食事できないかと思うので入場前か休憩中のロビーでしましょう。
ハンカチ
これは…まぁキャッツなら観劇で号泣ってことは少ないと思いますが…お手洗いの設備が分かりませんのでまぁあれば安心ですよ、と。
咳が出そうな時に少しでも音量を抑えるのにも使えます。
扇子
空調の効きが読めないところですが、予想以上に暖房が効いていたりそうでなくても人が密集してると温度は上昇しますので、かさばるものでもない扇子は暑かった時の対策にあると便利です。
(あとは自分の近辺でキッツイ香水の人とかがいた場合にも…)
カーディガン
逆に思った以上に寒かった場合の温度調整用。
特に冷え性の方は。
ちなみに静岡キャッツは最高気温40℃を記録した地域で古い会場故に全然効かない空調の中での公演でしたので、これプラス冷感ミストとビオレ冷タオルの暑さ重点対策でした。
おわりに
長々と書きましたが、劇団四季は観劇に漠然と興味があるなくらいの人の第一歩としてはかなりハードルが低い選択肢だと思います。
激戦の人気2.5次元と比べてもチケットが取りやすく、安く、クオリティに不安のない作品ばかりです。
広島近郊、そして次の地方公演の仙台近郊の方にはぜひ気軽に足を運んでいただけたらと思います。