相手が好きなものを私は好きではないし、私が嫌いなものを相手は嫌いではない。
梅雨です。皆さんは雨がお好きですか?私は雨が嫌いです。大嫌いです。
さてこの文章を、雨が大好きな人が見たらどう思うでしょうか。
終わり。
追伸
高校の時付き合っていた彼女は、雨が好きだった。僕は雨が嫌いなので、デートの日に雨が降ると少し不機嫌になっていた。我ながら、子供だったなあと思う。
ある雨の日も、二人で歩きながら僕は言った。
「雨、だるいわ。」いつものこと。
その日の彼女は言った。「私は雨、好きやけどな。」
「なんでなん、足濡れるし、傘邪魔やし、テンション下がるやん。」
「なんかいいやん、晴れてんのもいいけど雨降ってんのもそれはそれで。なんとなく。」
「全然分からんわ。」
こんな小さなことで言い合いになり、彼女も少し不機嫌になった。多分あの日のデートはあんまり楽しくなかった。それからしばらくして、僕は振られた。多分彼女は別に雨を好きではなかった。
やさしくて素敵な女性だったなあと思う。この記事をもし彼女が見たらどんな風に思うだろうか。ちょっとは大人になったね、と微笑むだろうか。いや、きっと、本当に雨が好きだったと笑うと思う。
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