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うんこうんち理論
わたしには、自信を持って掲げる理論がある。それは「うんこうんち理論」だ。
私は、相手とこれから仲良くなれるか・信頼を置けるかを、このうんこうんち理論で見極めることが多々ある。
私が信頼するのは、どんな人種か。清々しく「うんこ」と大きな声で芯のある音を口にできる人達だ。理由は中学時代に由来する。
14歳の頃、私は初めての彼氏を美人にとられた。その美人は、うんこのことを「うんち」と呼ぶ子だった。文字で表現するなら、「ぅんちぃ」といった、鼻にかかったような甘えた声だ。
反対に、私はうんこのことは「うんこっ」とハッキリ発音する。「う」で口に力ためて、「ん」で踏みとどまり、「こ」で全てを爆発させるイメージだ。
(この「うんこっ」とハッキリ言い切ってしまうような雑味の強い性格も、初彼に捨てられた要因の一つかもしれないなと今思った。)
私の調べによると、うんこを「うんこ」と呼ぶ人はあまり裏表がない。どちらかというと大雑把で、細かいことは気にしない、野性が光る人が多い。
対して「うんち」派は、恥じらいの気持ちが強い傾向がある。奥ゆかしい美人や可愛い子が多く、高嶺の花的で近づきがたい。
故に私的見識では、「うんこ」派の方がとっつきやすい人間であると言える。カタカナにしても「ウンコ」の「コ」は、カクカクしていて潔く、「ウンチ」の「チ」は曲線が組みこまれて優雅だ。
同じものを表す言葉でも、こんなにちがう。日本語の彩りの多さに感謝しつつ、私は今日も見極めていくのである。