敬意を払う努力を
努力は苦しい。努力が嫌いだ。努力なんか報われない。今までの私はそう思ってた。そして下手すれば今の私もそう思ってる。努力が報われるのは、一部の天才だけだと。
そのこじれた努力観の始まりの糸口を、見つけてくれた人がいた。ハルヤギさんだ。ハルヤギさんのある日の呟きに、私はハッとした。
私がこれまでしてきた努力は、すべて目標達成のためのものだった。
両親の鬱で家庭崩壊した我が家で、父の愚痴を言う母を、母の愚痴を言う父を、平気なフリしてなだめた時も。
唯一の親友の志望校である県内一の高校に行くために、朝から晩まで塾に缶詰めで勉強した時も。
演技の道を志した時、素晴らしい演技をするために心を壊しながら役作りをした時も。
全部全部、目標達成のための努力だった。
そして、『今の私はダメだから』する努力だった。
『今の私はマイナスで、努力でやっとゼロになる』
そんな感覚が知らないうちに染み付いていた。努力で目標を達成できなかった私に残るのは、払拭できなかった汚れた自分だけ。
そしてもう一つ、私の努力の問題点がある。それは、『ゴールを他人に委ねていること』。
両親が元通りの元気な姿に戻ること。
親友と私、二人が高校に合格すること。
「素晴らしい演技だ」と褒められること。
どれも第三者がいないと成立しない。私は、自分の努力の面倒を自分で見ていなかった。
今を否定する努力だから、人に依存した努力だから、心がダメになってしまう。挫けてしまう。
今一度、自分に問いたい。
苦しいことはダメなのか?できないことは恥ずかしいのか?
『泣いてようが頑張るあなたはカッコいい』
私が泣きながらプールに通う男の子に言ったこの言葉は嘘だったのか?
人には心底向けられる肯定が、自分に向けられない。そんな悲しいこと、もう終わりにしなきゃ。
私は、今まさに後悔しないための努力を始めてるじゃないか。
老いた愛犬の最期を看取るため、たった一年で会社を辞めるじゃないか。毒親のいる実家にもう一度戻ろうとしてるじゃないか。そして、過去を捨てて新しい家族に生まれ変わることを心に誓ったじゃないか。
そんな私の何がダメなんだ。記事を書くスピードが遅くったって、深いnoteが書けなくったって、そんなの関係ない。
『この子の最期に一緒にいなくちゃ、一生後悔する』愛犬との最後の面会のつもりで帰省した1ヶ月前に、そう思ったんだろう。
それを実行に移してるだろう。素晴らしいことじゃないか。
『上京したんだからしょうがないよね』
そう誤魔化すこともできたのに、私は後悔しない道を選んだ。周りに止められてもなお、自分の意志で。
そして自分の力で場所を問わず生きていくために、ライターになろうと決意したんだ。それからまだ一ヶ月も経っていない。なのに私は毎日noteを朝晩投稿し、もうライターとして二本、記事を書いている。
自分を自分で錆びさせるな。努力で自分を不幸にするな。
私はすぐに忘れてしまう。今この瞬間は、二度とは戻ってこないことを。こうして不安と戦いながら文章を書いていることも、いつか過去になってしまう。
後悔しないための努力を始めた私。たとえ納得がいかない不甲斐ない出来事があろうと、自分に敬意を払い続けたい。
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ハルヤギさん
noteを引用することを快く許可してくださりありがとうございました。
ハルヤギさんの言葉は心に刺さります。傷ついたり迷った時の道しるべが欲しい方には特に。
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