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「30代になったら徹夜がキツくなった」って言ったことありませんか?

先日、同世代(アラフィフ)の知人と「最近、早朝に目が覚めるようになった」「私もぐっすり眠れない。いやだね、もう年だね」なんて話をした。そういや30代になった頃は「30代になったとたん徹夜がキツくなった」と、友人たちとよく言っていた。40代に入ると「30代よりもさらに無理がきかなくなった。徹夜したら1週間引きずる」とかなんとか。節目って結構ある。節目節目で確実に加齢による変化を感じている。

振り返ると、体だけでなく精神的にも節目はあったように思う。それが万人に当てはまるのか、私だけなのか、それとも世代的なものなのかわからないけれど。

まず20代。当時はとにかく死にたかった。いつ死んでもいいと思っていた。本気で死にたかったのか、単に早逝した有名人に憧れていたのかよくわからない。自分の理想と現実のギャップを直視したくなかっただけのような気がする。平たく言うと逃げですね。今の自分から見れば、まだスタートラインにも立ってないのにアホなことぬかすなと思うが、これが青いということか。時代の空気もあったのかもしれない。「完全自殺マニュアル」という本が流行っていたのだ、その頃ちょうど。

そこからいろいろあって、30代に差し掛かるころは、「これが自分を探す最後のチャンスだ」と思い込んで、仕事をすべてほっぽり出して1年間海外へ行った。今思えば唐突すぎるし、海外に行ったらどうにかなると思っている安直さがまた逃げの第2形態でしかないのだが、当時の焦燥感は深刻だった。「やべえ、もう時間ねえ、今を逃せば自分はダメになる」と焦りまくっていた。当時流行っていた本は「負け犬の遠吠え」。私も少なからず影響を受けたのか、「どうすれば勝ち組になれるのか」ということを大真面目に考えていたのでした。
※00年代の価値観です(笑)。

40代は一番危機を感じた時期だった。40になる少し前に東日本大震災があって、Twitter(現X)がメディアとして広く普及して、私も御多分に洩れずよく見ていたのだけど、40になるころ、急にすべてのツイートがバカバカしく感じるようになった。理由はわからない。ツイートだけでなく若者にウケている流行りモノすべてが受け付けられなくなり、はっきりと「これが中年になるということか」と悟った。若者だった自分と決別し、まったく違う自分になっていくのを感じた。

そして今50代。私は死ぬのが怖くてたまらない。20代はこの先の長い人生を思うとうんざりしたが、実際生きてみると人生そんなに長くない。てか全然短い。今はこの先の短さを思っておびえている。

80歳の父は自分の葬式がどうの、墓がどうのと終活を始めている。私も60代、70代と生きのびることができたら、その境地に達することができるのだろうか⋯⋯。いやいや、そんな先のことを考えるとますます怖くなる。怖くなって眠れなくなる。ただでさえ50代になってぐっすり眠れなくなったのに。でもそれでいい。眠れないのは、残された時間をできるだけ長く使えるようにということなのかもしれない。そう思うようにしている。

朝が来る。また死に1日近づいてしまう。毎日「死にたい」と嘆いていたやつが、今は毎日「死にたくない」と祈っている。ああ滑稽だ。

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