ゲームセンターの番人【1日1三題噺】
前書き
今回は、「メダル」「環境」「ぴえん」で三題噺を書きました!
※三題噺は、与えられた三つの単語をもとにショートストーリーを書くものです。
本文
俺の特技は、千円さえあればメダルゲームで永遠に遊んでいられることだ。
近年、スマホで無料で遊べるゲームや家庭用ゲーム機が普及したことにより、ゲームの存在が人々にとって、より身近なものになった。しかし、俺はこのゲームセンターのがやがやした感じが好きで、性懲りもなく通い続けている。今では、このゲームセンター「楽楽」の常連だ。
ちなみに、以前は日頃の仕事から解放されたくて、たまにゲームセンターに足を運ぶ程度だったが、世の中の景気が悪くなり首切りされてしまった。だから、今は最低限の生活費をコンビニのアルバイトで稼ぎ、こうしてゲームセンターに入り浸っているというわけだ。
一日中ゲームセンターにいると、老若男女、色とりどりな人たちがゲームセンターにやってくる。
機械音のハーモニーに心地よさを感じていると、女子高生のきゃぴきゃぴとした声が聞こえてきて、少々不快になる。プリクラを撮りにきているようだ。「そうだ!ぴえんポーズで撮ろっ!」なんて声が聞こえてくる。ぴえんってなんだ?さすがは流行の先端を行く女子高生。おっさんにはついていけないぞ。
それにしても、俺が楽楽に通い始めた頃よりも、明らかにゲームセンターに来る人が少なくなったな。プリクラだけは客足が衰えないが。
メダルゲームでも様々な種類があるが、特にメダル落としが好きだ。ジャックポットを引き当てた時の快感がたまらない。
ジャックポットを引き当てるためには、根気強さとプレイ環境が重要だ。メダル投入口にメダルを敷き詰める。そして、一気に投入する。一気に入れないと、衝撃が弱すぎてメダルが無駄になってしまうので、躊躇してはいけない。相棒の一口羊羹を片手にプレイする。腹もちが良く、汚れた手でも食べられて、プレイに適しているのが良い。
羊羹を飲み込み終えた時、またジャックポットが当たった!
これで、そろそろ老後の心配もいらなくなるだろう。
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