「ちょっと男子ィ〜〜」を嗤うけれども
ときどき耳にする。
中学の時さ、「ちょっと男子ィ〜〜」って注意してくる女子いたよね。まじウザかった(笑)
ある種お決まりの会話。何気ない学生時代のあるあるネタ。特に違和感を持たずに聞き流していた。
けれどこの「ちょっと男子ィ〜〜」イジりには、無意識の差別が含まれているかもしれないと思った。
もしかして、これは女性が男性より優位に立つことを許せない男性のプライドが生んだイジりではないか?
この「ちょっと男子」という、“中学のクラスのリーダー格の女子がよく言いそうなセリフ”を誇張したモノマネには、「女のくせに生意気」「女に仕切られるのは嫌」という価値観が透けて見える。
「男性がリーダーになる方が当然だ」「常に優位に立つのは男性でなければならない」という無意識の思い込みが、あるタイプの女性への攻撃となってあらわれているのではないか。
「ちょっと男子」の後に続く言葉が何であれ、女性は女性であるがゆえに、“仕切る様子”をこのように馬鹿にされる。
男性のリーダーに対しては、このようなイジりは見られないのに。
そしてこの悪意ある誇張したモノマネの餌食になることを恐れる女性たちは、だんだんと大人しく、男性に対して物言わぬ影となることを覚えるのではないか。
「注意してくる女」「ウザい女」「生意気な女」「かわいくない女」「偉そうな女」にならないように。男性に嫌われないように。
さらに女性はこのイジりを内面化し、他の女性に嘲笑さえ浴びせることもある。
そして上記のような女にならないよう、大人しさと沈黙に拍車がかかる。女性にも嫌われないように。
このようにして女性の能動性や発言権やリーダーシップの芽は、摘まれていくのかもしれない。