棘
私の中で生まれるワタシの素は
とてもとても棘だらけで
棘のひとつひとつを削って
頑張って丸くなるまで推敲して
たまに手に刺さる棘が痛いけど
私はこの棘のことが嫌いだから
ひとつひとつを引き抜いてゴミ箱に捨ててって
たまにこのまま人に投げつけてしまえたらって
そんなふうに思うこともあるけれど
私の中からそんなワタシが飛び出してくることすら
知ってもらいたくないから
素敵な人はきっと
生まれてくる素もこんな恥の多い形をしていないんだろうな
そんなふうに生まれてこれてたらって
一体何度思っただろう
ときおり泣いてしまいたくなる
棘にささって傷だらけの両手で顔を覆いながら
そんなときはあふれだしそうになる
心配そうに声をかけてくれる優しい人たちに向けて
出てこないで私の棘。
出てこないでワタシのコトバ。