ただの日
電車を待っている。
とは言ってもこれから旅行にいくだとか
何もかもが嫌になって当てのない旅に出るだとか
そのようなドラマのある日ではなく
ただ仕事へと向かうだけ
今日のように雨降りの日は
普段よりも電車に乗り込む人が多い
未来の窮屈を想像してため息ひとつ。
そんな上がらない気持ちを
座席に座れた幸運で相殺する朝。
ごめんなさいね、ほんの少しの優越感。
昔から得意でない朝の辛さを慰めるように
目を閉じて物思いに耽る。
こんなふうにいつも以上必要以上に
物語にしてみたら
普段通りの1日も特別な日になるんじゃないかなんて
無駄なことを考えてみるのは
普段と違う早起きが用意した
いっぱいのコーヒーのおかげだろうかな。
少し疲れてきたけれど
なかなか面白かったよ。
たまには、たまにはまたやってみてもいいかもな
そうなふうに考えながら
電車を降りる。
いってきます。