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知らないと後悔!!タバコが妊娠に与える影響5つ

妊娠すると生活の中でも制限されることが増えますが、そのひとつが「タバコ」です。
タバコは妊娠していなくても体に良いものではありませんが、妊娠してもなかなかやめられずに悩んでいる人も少なくありません。
妊娠するとなぜ禁煙しなければならないのか、タバコが与える影響について解説します。

1.タバコの有害性

「イライラを落ち着かせるため」
「なんとなく習慣で」
など、さまざまな理由でタバコを吸う人がいますが、健康を考えるとタバコはプラスの効果はほとんどありません。
妊娠したかどうかに関わらず、タバコにはどのような有害性があるのか、きちんと知っておくことが大切です。

①タバコには有害物質が含まれる

タバコの煙には、煙には4,000種類を超える化学物質が含まれ、そのうち約200種類が有毒のもの、約60種類が発がん性のあるものといわれています。
なかでも
・タール
・ニコチン
・一酸化炭素
この3つは三大有害物質と呼ばれ、がんや心臓、血管などさまざまな病気の発症リスクを高めるとされています。

②肺の病気を引き起こすリスク

タバコはさまざまな病気を引き起こすリスクを高めますが、なかでも肺の病気には気をつけなければいけません。
別名を「タバコ病」と呼ばれる「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」は、タバコの有害物質により細胞を壊すことで起こります。
・気道や肺胞に炎症が起こる
・肺の働きが低下する
・正常な呼吸が困難になる
・せき、たん、息切れなどが起こる
進行すると大きな苦痛を伴うともいわれています。

③受動喫煙でもリスクは高い

タバコは吸っている本人だけに影響があると思われがちですが、周りにいる人にも大きな影響を及ぼします。
いわゆる「受動喫煙」というものです。タバコを吸っている人から出る煙・副流煙には、主流煙の何倍もの有害物質が含まれているといわれています。
・ニコチン:2.8倍
・タール:3.4倍
・一酸化炭素:4.7倍
・ニトロソアミン(発がん物質):52倍
タバコは吸っている本人だけでなく、周りへの影響も考えなければいけません。

2.ヘロイン・コカインに並ぶ依存性

タバコに含まれているニコチンには、ヘロイン・コカインに並ぶ依存性があると考えられています。
ニコチンは体への吸収が速く、抜けるのも早いという特性があり、ニコチンが抜けると次の1本が欲しくなってしまうのです。
常習的にタバコを吸っている人は、早いと吸ってから30分ほどでニコチンが切れ、次の1本を吸ってしまうといわれています。

3.タバコが妊娠と赤ちゃんに与える影響

タバコが体に悪影響を及ぼすことはわかりますが、妊娠中にタバコを吸うと、妊婦と赤ちゃんにはどのような影響があるのでしょう。
妊娠中にタバコを吸ったことで後悔しないように、きちんとタバコのリスクを知っておきましょう。

①流産・早産・胎盤早期剥離が起こりやすくなる

妊娠中にタバコを吸うと、子宮筋収縮を誘発することがわかっています。子宮が強く収縮をすることで、流産・早産・胎盤早期剥離が起こりやすくなると考えられます。
タバコを吸っている妊婦は吸わない妊婦に比べて、
・自然流産:1.5倍リスクが高い
・早産:1.4~1.5倍リスクが高い
という現実があります。

②小さい赤ちゃんが生まれやすい

タバコに含まれているニコチンには、血管を収縮させてる働きも。
これにより血流量が減少し、赤ちゃんへの酸素や栄養の供給が低下してしまい、結果小さい赤ちゃんが生まれやすいとされています。
低出生体重児が生まれる頻度は、タバコを吸わない妊婦に比べて約2倍ほど高くなります。

③乳幼児突然死症候群が起こりやすい

妊娠中にタバコを吸うと、赤ちゃんの成長が悪くなるだけでなく、赤ちゃんが突然亡くなってしまう「乳幼児突然死症候群(SIDS)」を引き起こすリスクも。
タバコを吸わない夫婦に比べて、約4.7倍もSIDSの発症率が高まります。

④将来慢性呼吸器疾患になりやすい

タバコ病と呼ばれる「慢性閉塞性肺疾患」は、胎児のころから始まっているともいわれています。
そのほか、
・妊娠37週以前に生まれた
・低体重で生まれた
という赤ちゃんも、慢性閉塞性肺疾患になりやすいといわれ、この2つは妊娠中にタバコを吸うことで起こるリスクに含まれています。

⑤胎児奇形にも関係する

妊娠中のタバコは、胎児奇形にも影響を及ぼします。
・無脳症
・二分脊椎
・口唇口蓋裂
・手足の欠損
・腹壁破裂
すべての奇形がタバコによるものではありませんが、タバコを吸わない妊婦よりリスクが高まることがわかっています。

4.タバコをやめたらリスクは下がる?

なかなかタバコをやめられない妊婦さんも少なくありませんが、吸い続ければ赤ちゃんへの影響は大きくなるばかり。
すぐにやめれば、低体重や早産、死産といったリスクは吸っているときに比べるとリスクを下げることが可能です。
1日でも早くやめる、1本でも減らす、ということが大切です。

5.まとめ

妊娠中のタバコは、ママにとっても赤ちゃんにとっても良いことはひとつもありません。
妊娠がわかったらすぐにやめることが大切です。
また、パートナーの男性も吸っている場合は、受動喫煙のリスクもあるので、一緒に禁煙してもらうといいでしょう。

助産師/高木奈美

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