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作陶した器に "不思議の実" 乗っけてみた。そしてこの実の正体調べてみた。

この〜実なんの実 気になる実〜♪ 見たことも〜ない 実ですから♪

この実なんの実

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そう。この実です。新しく焼きあがった器に鎮座しておりますこの実。陶芸のお教室の帰りに藁葺き屋根の古民家のそばを走り回っている時に MomoDa が見つけ、たいそう喜んでいたもの。

MomoDa 「かあちゃん!おっきなくりだよ!!

と目を輝かせて騒いでいましたが、殻付きのビジュアルはこちら

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いや〜ん、ぜったい栗じゃな〜い。

我らがグーグルレンズを使い撮影し調べてみましたが、栗だとかトリュフ(まん丸のチョコレート)だとか言います。

食べられそうだよね。でも絶対栗じゃないよね。でも食べられそう。とワーワー言っていましたら、なんとグッドなタイミングで、いつも仲良くさせてもらっている近所のご婦人から「初物よ❤︎」と丹波の大きな大きな栗をいただいたのです。

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「栗、器に乗せてみようよ♪」 と言うとものすごく自然な流れで不思議の実を一緒に並べる MomoDa 。

あ、栗だと思ってる。完全に一緒に食べる気でいる。(笑)

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すごい。混在しててもほとんど見分けがつかない。しいていえば、栗の方が艶があり、不思議の実はお尻がハート型、それくらい。

ワードをアレヤコレヤと打ち込み、Google先生で調べを進めていくと...

ついに謎が解ける

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とちもち本舗 大福城 様のHPより

これだ!いっしょだぁ!そして食べられるぅ❤︎ (笑)

なんとこの栗に激似の不思議な木の実の正体は「とちの実」だったのです。

そういえば子供の頃にとち餅を食べたことがあります。母のお土産だったと思います。でもとちの実のその姿をみるのは初めて。

しかもこのとちの実について調べていくとものすごい事実が判明しました。

とちのみはアクがすごいらしく、そのアクを抜くのに1ヶ月の月日がかかるらしく...

え?1ヶ月??


アク抜き

その方法を調べてみました。1ヶ月に及ぶアク抜き作業を簡単にまとめてみます。

① 流れる山からの流水に3昼夜浸し虫や汚れを取り除く
② ゴザに重ならないよう並べ天日干しを1ヶ月 (雨に注意)
③ 1週間ほど流水につける (皮が柔らかくなる)
④ 2つの木材を紐でくくり合わせた古くから使われている皮むき機で皮をむく。テコの原理。(1つづつしかむけない)
⑤ 皮をむいた実を3昼夜また水に浸す
⑥ 水から上げた実を灰汁に浸し沸騰させ、さらに灰を入れ混ぜ合わせ1週間寝かせる
⑦ 水で綺麗に洗い流す
⑧ 袋に入れ寝かせ、アク抜き完成!

読んでみて書き出してみただけで、もう我が家のとちの実のアクも抜けたような気分になりました。

こ、これはシロウトの成せる技ではない。

縄文時代よりの食文化...とあるが、縄文時代の人たちも私たちと同じように「これ栗じゃない?」「食べられそうよね」「栗だよね」と言ってたに違いない。そのまま食べると口の中がピリピリして大変なことになります。と書いてあったけど、食べてみて大変なことになったに違いない。

そんな風に、先人たちが身をもって大変な目にあってくれ、あれや〜これや〜とアクを抜く方法を考え試し失敗しまた考え、とTRYを繰り返してくれたことで、この実を何の気なしに美味しいお餅だね〜素朴なお味だね〜と口に入れることができるようになったわけで...。

手間暇時間をかけて作られたとち餅は、本当にありがたい食べ物だということが知れたわけで。

似ているけど、栗は少しの手間で食べられる。それはきっとあのイガイガがあることで己の身を、あの甘〜い身を守ることができるから。そうだと思う。一方とちの実は、硬い殻に包まれているけれど、こどもの手でも簡単にむけちゃうし、動物たちが「よいしょ」と踏みさえすれば中が出てくる。そうはいかないぞと、己の身を守るため、1ヶ月もかけないと抜けないほどの強いアクを纏うことになったのだろう。

というわけで

あの不思議の実の正体は解ったけれども、我が家ではアク抜き工程①の「流れる山からの流水に3昼夜浸す」からいきなり困難に遭遇しちゃうようなので、毎年この季節になるとすぐそばのどんぐりロード(勝手にそう呼んでる)で MomoDa が拾ってくるどんぐりたちと同じように、殺菌と虫が出てこないようにするを兼ねて5分ほど茹で、MomoDa のキッチン(ままごとキッチン)で食材として使うことに決定いたしました。

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デザートの一部に扮しています。

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お鍋で葡萄と一緒に煮込まれています。


MomoDa が偶然見つけた不思議の実「とちの実」についてこんなにも考えることになろうとは。縄文時代の人たちの気持ちまで考えることになろうとは思いもしませんでした(笑)。

またひとつ、新たな知識が増えパワーアップしたように思うけれども...

この知識、この記事がどなたかのお役にたつのかはわかりませんが、おひとりでも、栗と間違えて食べちゃって口の中が大変なことになっちゃうのを、未然に防ぎお救いできれば...と書いてみました(笑)。


それ栗じゃないよ〜!とちの実だよ〜!


シリーズやってみた vol.34

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