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「仕事はバトンパス」SHEmoneyまつまりさんの信頼の築きかた

女性向けキャリアスクールSHElikesを運営するSHE株式会社で始まった新しいマネースクール、SHEmoney。今回は、新卒で入社したリクルートからSHEに転職し、他にはない新事業であるSHEmoneyのブランド責任者として活躍するまつまりさんにインタビュー。事業創造からマネジメントまで手がけるまつまりさんが、リーダーとして仕事を進めていくうえで大切にしていることを探る。


「辛いときは目的に立ち返る」 手探りの新規事業

━━まずは、SHEmoneyはどのような事業なのか教えてください。

家計管理から資産運用の実践編まで、体系的に学べるスクールです。一言で言うと「自分らしい資産形成」ができるようになることが特徴です。

━━「自分らしい資産形成」とはどういう意味でしょうか?

SHEmoneyで特にこだわっているポイントなのですが、自分にとっての豊かさがどういう状態なのかをコーチングを通してあぶり出していきます。自分にとっての豊かさのゴール設定を行うことで、一人一人に学習や資産形成のプランニングを行っていくんです。

━━元からSHEmoneyのような新規事業に携わりたいといった思いをお持ちだったのでしょうか?

はい、きっかけとしては大学時代にシリコンバレーの近くに留学し、スタートアップ企業に何度も訪問をした経験がありました。プロダクト開発者に憧れるようになって、事業開発ができる人材になることを目指して、帰国後に前職のリクルートへ入社しました。

━━そうなんですね。新規事業を作るとなるとメンタル的にも苦しいことがあると思うんですが、心が折れそうになったエピソードはありますか?

SHEmoneyを立ち上げるにあたって、最初の仲間集めがとても大変で。金融方面にツテもなければ知識もなかったので、検索で探しだした有識者の方に片っ端から何百件も電話をかけていました。アポが取れても「新参者が入る領域じゃない」とお叱りを受けることもあって……。その時期はキツかったですね。

━━どのように乗り越えていかれましたか?

いくつか方法はあるんですが、共通するのは「目的に立ち返ること」ですね。ノートに不安な気持ちを書いて内省したり、もやもやした気持ちを誰かと話し合うことで壁打ちしてみたり。目的に立ち返ることで、目の前のやるべきことの必須性を思い出して自分を奮い立たせるようにしていました。あとはメンバーに思いを吐露しつつ、私たちの掲げていることは間違ってないはずって励まし合って支えにしていましたね。


「リーダーにも2種類いてもいいんじゃないか」 新しいリーダー像との出会い

━━まつまりさんが、マネジメントや仕事におけるコミュニケーションで大切にしていることはありますか?

メンバーからアイディアを引き出しやすくするために、まずは肯定するコミュニケーションを心がけています。正解のない新規事業だからこそ、思わぬアイディアがヒットすることがあるので。あとは、新メンバーを迎えた際は必ず、SHEmoneyで成し遂げたいことは何かを聞き、自分の意志で関わっているんだという意義づけをしています。

━━では、まつまりさん自身がどうしても仕事が辛いとき、メンバーとどんなコミュニケーションをとっていますか?

結構素直に、でも明るい感じで話しちゃいます。「もうつらーい!」って。(笑)

━━まつまりさんって結構姉御肌なイメージがあったんですけど、最初からそんなコミュニケーションが取れる方だったんでしょうか?

とんでもないです。今のマネジメントスタイルはリクルート時代に確立されたと思います。新卒3年目で大きなプロジェクトマネージャーに選んでいただき、年上のメンバーに対してもマネジメントをしなくてはならなくなって。当初は、いわゆるリクルートらしいトップダウンなリーダーシップを取ろうとしたのですが、なんでも一人で決めようとしたことで反発が生まれてしまい、チームが崩壊してしまった経験があるんです。上司や先輩の助言もあって、これは自分のスタイルと違うなと気づきました。そして「ちょっと助けてくれませんか」とフォロワーシップを発揮した、相手を頼るコミュニケーションに変えたとき、成果が見違えるほど良くなったんですよね。自分の違和感に気づいて、ちゃんと立ち返った結果なのかなと思います。

━━なるほど、その経験が今のコミュニケーションに活きているんですね。


「次の人が走りやすいバトンパスを」 仕事における想像力の大切さ

━━もしメンバー内に、素直に抱えていることを相談できない人がいたらどうやって寄り添っていきますか?

目的の視座を一段上げてもらうことを意識しています。成果を出したいのならば、周囲を頼ることは悪ではないよと伝えて、いろんな人の手を借りてでも最終のアウトプットがよければその方がいいと。

━━確かに、大事なことですよね。メンバーの些細な変化に敏感になれるように、メンバーのために使える余力を残しておこうといった意識はされていますか?

していますね。どんなときでも相談に乗ってくれた上司がいたんですが、その方から聞いた「暇な時間をタスク管理する」という言葉を私も実践していて、1日1時間くらいは空いた時間を作るようにしています。

━━今までのキャリアの中で、自分の中の働き方への意識や姿勢が変わったと感じることは何かありますか?

教訓でいうと、「想像力を持って働く」ということですね。リクルートでの新人時代、自分のタスクしか考えずに仕事をした結果、期日も守れず関係者にすごく迷惑をかけてしまって、アウトプットの質も下がったし、周囲の信頼も失って、とても怒られたことがあったんです。当時の自分は、一緒に仕事をする人を思いやる想像力に欠けていたと思います。仕事はリレーのように、次に走る人にバトンパスをしていくものだと気づいたんです。それ以来、バトンの渡し方を、次の人ができるだけ走りやすいようにするように心がけるようになりました。

━━想像力というのは、自分の前後で仕事を受け取る人がどんな仕事をしていて、どう自分のパスを受けるのかを考える、ということでしょうか。

そうですね、コミュニケーションをしっかりとって相手への想像力を働かせて、仕事に対峙することが大事なんだと思いましたね。

━━そう心がけるようになってから、何か変化はありましたか?

当時の鬼上司から、「松尾の信頼はゼロじゃなくてマイナスだから」と言われたのがショックで。(笑)こんな思いは二度としなくないと思って、まずは仕事のスピードを高めて信頼貯金を作って、次にクオリティのいいものを出すということを地道に1年ほど続けた結果、先ほどの3年目のマネジメントを任されたという話につながるんです。大切なのは、想像力を持って小さいことから積み重ねることなのかなって思います。

━━貴重なお話をありがとうございました。最後にSHEmoneyの今後の展望について教えてください。

ターゲットを働く女性に限らず、老若男女、特に中高生の若年層に広げていきたいです。個人的には、母校で金融教育を行うのが夢ですね。


SHElikes Webライティングコース提出課題。
女性のキャリア・ライフスタイルに関するWebメディアに掲載することを想定とした「仕事をするうえで大事にしていること」がテーマのインタビュー記事です。

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神田なり
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