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儀礼研究レポート提出(初) 【儀礼と私】 オフィスの一角が寺になる時間

今月からプロ奢のnote購読を始め、サロンで儀礼研究やらいろいろしているというのも気になってそちらも参加。有志のレポート提出もしていて、何となくこんな感じ…?というノリで書き始めている。

儀礼とは

二人以上で、
定期的に行う、
わりと大事(らしい)やつ

と定義し、社会で行われている事象である。

自身の周辺で身近なものとして、ぱっと思いついたらのはバイト先の朝礼だった。職場によってこの儀式の様式は様々だと思うが、今回は自分のバイト先の朝礼についてまとめてみることにした。

うちの朝礼の流れとしては、

①勤務開始5分前集合
②管理者による出欠確認(点呼)
③業務連絡

であり、勤務開始するアルバイト従業員が一人でもいれば、時間に関係なく無作為に選ばれた(その時に動ける)管理者1名によって行われる。

現在コロナの影響により検温もここに追加されているが、ある管理者は検温器を使いこなせず、「みんな来てるね、熱とか無いやろ、朝、測ってるやろ、おっけー」と出欠確認共々独断でやんごとなくスルーしている行程のため、ここでさらっと紹介するに留め、①5分前集合と、③業務連絡に焦点を当てることとする。

5分前出勤厳守!を掲げる雰囲気づくり

うちのバイト先は勤怠と時間にうるさく、タイムカードの打刻が1分遅れただけでも遅刻ペナルティが課される。

遅刻ペナルティというのは、5分休憩の剥奪、遅刻ポイント加算遅刻1分ごとに15分ぶんその日の給料減給、ポイントが一定数貯まると希望のシフトが通りにくくなる次の3ヶ月間時給100円減給というシステム)の2つで、

5分休憩については、この朝礼も勤務に含まれているということから、実際5分早めに来て働いた分、途中5分休憩していいよ、というルールで与えられるもので、その休憩がとれなくなる。実質この5分はもはや5秒の間違いではないかというほど一瞬にして過ぎ去り、実質あってもなくても変わらない休憩なのでペナルティになっていないのが現状である。

遅刻ポイント換算については、実のところ現在執行されているものなのかは不明である。私が今の部署に所属しだした5年以上前のもので、時給変更のための計算やカウントをとる煩わしさを考慮すると、たかが数分の遅刻ごときでここまでするうちの管理者勢ではない為、ただの神話的言い伝えと化している可能性が濃厚であるからだ。

なので、5分前出勤厳守!という厳格な雰囲気を醸し出すための儀礼セッティングであると言える。


業務連絡という名の念仏タイム

朝礼という儀礼のメインイベントとなるのが業務連絡タイムだ。しかし、実際にはこの業務連絡の内容はほぼ全て自分でパソコン上でファイルを開いて確認することができるため、メインイベントが正に不要な時間の最たるものというのが現実である。

速報的に入ってきた周知連絡事項、急な変更などの際には必要な時間であるが、そこまで頻繁に変更があるわけでもないので普段週4〜5日で出勤している人間にとっては、ほぼ毎回既に知っていることを聞かされる時間となる。

恐らく、管理者側の意図としては、自分を含めアルバイト従業員たちは着席後すぐに更新されたもの全てに目を通すことはしないと分析された上で、繰り返し聞かせることで情報を叩き込むこと、私はあなた達に言ったから言われたことやってね!という義務転嫁という、支配的目的からであろう。

画面で個人が黙読できることをわざわざ管理者が口頭でそれを読み上げ、それを皆で静聴するという事象は、寺院で僧侶が唱える念仏を聴きにきた村人達のようだなあと感じる。

ちなみに、昼や夕方から出勤の場合は、この儀礼の参加人数も少ないため、「昨日出勤した?昨日とほぼ変わってないからここだけ注意してねー。以上」で終わるが、朝から出勤の際は何故かその短縮化が許されないという暗黙ルールが展開されている。朝の儀礼はより厳格なようだ。

ただ、管理者にとっても毎回毎回同じことを読み上げる為、連絡伝達というよりも「見た文字をそのまま発声した音読」の時間と化しており、もはや念仏を唱え続ける修行僧である。


形式を重んじる宗教感

この必要性ほぼ皆無な儀礼を、勤務するアルバイトが来るたび毎回毎回やる意味としては、

時間を決めて厳格っぽい雰囲気を出すこと
必要な情報を肉声で伝えることによる権威標示

だと思うのだが、文字にすればするほど宗教感に満ち溢れた儀礼であることに自分でも驚いている。

今日も村人達(アルバイト従業員)は、僧侶(管理者)の念仏をブッダ(クライアント)の有難い(客という魔物に呪い殺されない為の)お言葉として拝聴していることだろう。


補足
ちなみにこの儀礼中、質疑応答などの発言権はある程度の常連者しか受け付けてもらえない暗黙かつ見えざる免罪符ルールがある。今の部署での勤務歴5年以上・勤怠、勤務内容共に文句言わせない実績を振りかざして私は発言権を行使し放題である。
結局のところ、この儀礼中に質問し、管理者自身が明確な答えを提示できない場合は、そうなった時聞いて!となり、改めて無意味な儀礼だなあとひしひしと感じる。


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