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国立西洋美術館のキュビスム展に行ってきました!(パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ)

2024年1月7日に『パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展—美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ』を観に行きました。



キュビスムとは

二十世紀初頭に、ピカソとブラックというパリにいた二人の画家によって創り出された芸術運動です。

キュビスムの特徴は、遠近法の放棄と形態の解体です。

遠近法の放棄は、遠近法を使わないという、意味だとすぐに伝わると思うのですが、形態の解体という言葉の意味は、分かりにくいと思うので、分かりやすい言い方をすると、多様な角度から見た物の形を一つの画面に収めるといったものです。(これも少し分かりにくいかもしれません…)

展示されていた作品の一部を紹介

展示されていた作品の数が112点で、全部の作品を紹介してしまうと、物凄く長くなってしまうことから、紹介する作品を個人的に好みだったものに絞っています。



1/肘掛け椅子に座る女性(パブロ・ピカソ)(Woman Seated in an Armchair)

1910年

茶色や灰色、などの渋い色が使われていることと、背景の端の部分に色が塗られていないことで、とてもお洒落な絵だなと思いました。

そして、純粋に人がかっこいいなと思いました。


2/縫い物をする女性(フェルナン・レジェ)(The Seamstress)

1910年

人が立体的で、面が少ないことから、木を削って作られた人のように見え、この様な作品を、今まで見たことがなかったので、面白いなと感じ、気に入りました。


3/婚礼(フェルナン・レジェ)(The Wedding)

1911-1912年

おそらく、所々にある、顔や手は、結婚式に来てる人だと思うのですが、その人々の質感が、何故かメタリックな感じになっている所が、なんとなくですが、好きです。


4/パリ市(ロベール・ドローネ)(The City of Paris)

1910-1912年

この作品は、今回の展覧会の中で、一番インパクトを受けた絵で、何にインパクトを受けたかといいますと、とにかくデカいということなんです!

大きさはなんと、267cmx406cmで、数字だけだと伝わりにくいと思うので、例を出すと、

幅がサッカーゴール高さ(2.44m)とか、走高跳の世界記録(2.45m)で、
高さがキリンの全長(4.5m)とか、牛久大仏の口の横幅(4m)、という感じです。

余談ですが、人間でサッカーゴールを跳び越えようと思えば、跳び超えれる人がこの世に存在することに、とても驚きました…


5/キュビスムの画家リガダン(ジョルジュ・モンカ/監督、パテ/制作)(Rigadin peintre cubiste)

1912年

チャップリンみたいなコメディで、写真には写っていない場面なのですが、マインクラフトの防具のような四角い服を着て、独特な動きをしている所が面白かったです。


6/腰掛ける男性(ロジェ・ド・ラ・フレネー)(Seated Man)

1913–1914年

配色がとても好きです。左の方にドミノ・ピザのロゴのようなものがあり、それに気づいてから、左側にしか意識がいかなくなってしまったので、絵を観る途中からそれを手で隠しながら絵を観ていました。


7/都市 no. 2(ロベール・ドローネー)(The City no. 2)

1910年

絵のいろいろな場所にある、ドットの模様のようなものがかっこいいなと思いつつ、少し私が集合体が苦手なので、ちょっと気持ち悪くくも感じました。(ですが、人によって、気持ち悪いような部分が含まれている所も、いいな思いました。)


8/シベリア横断鉄道とフランスの小さな ジャンヌのための散文詩(ソニア・ドローネー)(Prose on the Trans–Siberian Railway and of Little Jehanne of France)

1913年

模様は嫌いでも好きでもないのですが、とにかく縦長の作品だったことで、周りの作品と違うオーラを物凄く放っていました。


9/ロシアとロバとその他のものに(マルク・シャガール)(To Russia, Donkeys, and Others)

1911年

描かれているものの状況は、全くと言っていいほど分からないのですが、
何故かとてもカッコ良いと感じた作品です。(安直な考えですが、コントラストが強いところが、かっこよさの秘訣かなと思っております。)


10/キュビスムの風景(マルク・シャガール)(Cubist Landscape)

1919–1920年

奥の方で傘をさしている人がポツンといて、かわいいなと思いました。

絵の少し右上のピンク色の部分が、紅芯大根、
真ん中の緑色の部分がキュウリ、
下の黄色で、木の木目のようになっている部分がネギ、
左下の紫色の部分がナス、
に見えたので、
もしかしたら、(雨の中)八百屋さんに買い物をしに行っている人の絵なのかなと思いました。


11/エッティンゲン男爵夫人(レオポルド・シュルヴァージュ)(The Baronnes of Oettingen)

1917年

家などはとてもシンプルに描かれているのですが、左右にある、物が沢山あるところは、とても細かく描かれていて、その緩急がいいなと思いました。


13/静物(ル・コルビュジエ)(Still Life)

1922年

他のキュビスムの作品と違い、描かれているオブジェクトが少なく、とてもシンプルなところが好きだと感じました。
(この絵を描いたル・コルビュジエさんは、今回の展覧会の会場の国立西洋美術館を設計した人です。)


14/頭部(アンリ・ローランス)(Head)

1918–1919年

角度によっては、全然違うものにも見えるのですが、
この写真の角度からみた作品は、ウルトラマンに結構似ているように感じて、
今まではウルトラマンの
頭のとさかのような部分とそれが顔の


おまけ

この様なキュビスムの歴史の解説が壁に貼ってありました。


最後に

キュビスム展の作品を鑑賞し終わり、帰宅する中で、ふと思い出したことがありました。
そして、それはこの展覧会によって、私の好みが変わったことを気づかせてくれるものでした。

私が思い出したことは、
お笑い芸人の永野さんの「ゴッホとピカソに捧げる歌」とネタでした。
まずは、私が思い出した、そのネタの歌詞を紹介します。

「ゴッホより~、普通に~、ラッセンが好き~、
 ピカソより~、普通に~、ラッセンが好き~」

私が思い出した歌詞はその部分でした。
1行目の歌詞は、今回の展覧会とは関係がないのですが、2行目の歌詞に今回の展覧会のメインの人物でもある、ピカソさんの名前が入っていて、私はその歌詞を思い出したことで、自分の好みが変わったことに気づくことが出来ました。
今まで私は、ピカソさんの絵は好きではなく(嫌いでもない)、ラッセンさんの絵の方が物凄く描きこまれており、ピカソさんと比べたら、好きな絵だなと思っていたので、
「ピカソより~、普通に~、ラッセンが好き~」
という歌詞に共感していたのですが、今回の展覧会を鑑賞したことで、今まで観たことがなかったピカソさんの作品を観たことや、キュビスムの歴史を知ったことで、ラッセンさんの絵よりピカソさんの絵が好きになり、
「ラッセンより~、普通に~、ピカソが好き~」
だなと思い、そこで、自分の好みが変わったことに気づきました。


美術の知識がない時では、ラッセンさんの方が好き(上手い絵)だなと思う人が多いと思うのですが、知識がある時では、ピカソさんの絵の方が、とても面白い(興味深い)絵だなと思う人が多くなると思い、どちらの方が良い作品なのかなと、少し考えていたのですが…

どちらの作品も、いい作品だなと思いました。(個人的には、少しピカソさんの方が好きです。)


また、キュビスム(の作品)とは、意味が分かると怖い話のような、意味が分かると良い(面白い)作品というのものだと思いました。


永野さんのネタを思い出したことで、ゴッホさんに関しても、気になってしまい、現在ゴッホさんについて物凄く調べています!

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